第三十五話 地下に潜む者
訓練場から会議室に移動した俺たちはもう一度戦うために状況を整理し始めた。
「つまり、徐々に下の階へ進んで行くにつれて人数が増え始めた。さらに下の階からは大勢の足音と声がした、と。」
龍が情報をまとめる。
「あぁ。入ったところを一階としてその下を地下一階としたら、私が進んだのは地下二階の途中まで。声がしたのはさらに下の地下三階だな。」
勇に続いて俺も言う。
「俺たちも地下三階に行こうとしたところで撤退したな。敵の人数が急に増えたんだ。その中に明らかに別の軍の奴らが混じってた。」
「それに、途中から竜也さんと別行動し始めたんですけど、急に床が抜けて竜也さんたちと同じとこに結局出て、その時に床から足音が聞こえました。」
翔が俺に付け足した。
「私達も床が抜けて下に階に着いた。変な男がいたが、そいつ以外はそれほどでもなかったな!地下二階に進んだら、仲間が薄い壁で閉じ込められていた。」
「閉じ込められていたの?その人達はどうしたの?」
勇の言葉に伊代が疑問に思ったらしい。
―――そんなの決まってる
「ん?壁を壊して撤退させたぞ!」
勇はそういう奴だ。全員の顔が少し歪んだ。
「まぁ、とりあえず、建物の仕組みもだけど竜也が言う『明らかに別の軍』っていうのが引っかかるわね。」
舞子が不思議そうに言った。
「地上には誰も来なかったんだろ?」
俺が確認すると
「ええ、音もしなかった。」
舞子の返答に全員嫌な予感がした。
「考えられるのは…」
龍の言葉に6人の声が重なる。
「地下の通路」
全員が黙り込む。
「そんな大規模なこと…できる?」
舞子が沈黙を切る。
「ありえない話じゃない。過去にも何個かあった。もっと小規模だけどな。」
龍が言った。
「その時も私が行った気がするが、通路は狭いし人が通るのなんてやっとだったな。」
「あの時は人を追加するっていうより、逃げたり物を運ぶのがメインっぽかったです。大勢の人をあの短期間で集めるほどとなると、相当大きいですよ。」
勇と翔が付け足した。
「ドリル…」
「え?」
「ドリルほしいな…」
俺の言葉に全員固まった。怖いから顔は上げれなかった。




