第二十八話 求めるもの
勇と同時に別の入口から建物へ入った。作戦通り順調に進んでいく。隣で翔が言った。
『竜也さん、順調すぎて怖いですね…』
『だな。情報より数が少ない。』
―――なにかある
『一度勇と連絡する』
『勇!そっちどうなってる!?』
『竜也か!今のところ順調だぞ!』
『敵の数が聞いてたより少ない。なにか来る!』
『了解した!分散してた兵を少し固めさせよう!』
―――判断が速い
『竜也さん、各部隊を何個か合流させましょう』
―――こいつもかよ
『そうしよう。俺とお前は別れるぞ』
『はい!』
『お前ら!別部隊と合流するぞ!』
向こうは翔がいる。上手くやるだろう。
『はい!』
その時足元に違和感を感じた。
―――ん…?
『…!お前ら!ここどけ!』
その言葉が届く前に突如足場が崩れる。
―――仕掛けか!
大きな音と共にさっきまで足を支えていたものが崩れ落ちる。数秒の体の浮遊感の後、床に叩きつけられた。
『いってぇぇっっ』
『陽…!』
『陽…げほっ…うっ…』
陽の足が足場の下敷きになっている。蒼も限界が近い。すると、下の階に行ってたであろう別の隊が来た。
―――いや、集めた…のか?
『勇隊長!!何故ここに?!』
『お前ら!こいつら引きづり出せ!私と一緒にいてまだ動けるやつは…』
そこで後ろに鋭い圧を感じた。重い、刺さるような圧。
―――いる。私が求めているものが。
「上手く落ちていただけて嬉しいよ。カラスの鬼」
後ろを振り向くと、数名の雑魚と明らかに違う気配を放つ男が立っていた。




