第二十六話 嵐の前
「資料見ました。今回は結構規模が大きいですね。」
隣を歩く翔が言った。
「だからこその2部隊だろ。じゃなけりゃうちだけで十分だ」
「それに、情報も少ない。」
「そこが一番の不安要素だな」
腕を組みながら少し悩んだ
「龍によると先に暗殺員を一度行かせたけど『建物が複雑であまり中には入れなかった』らしい」
「中に入れないほど複雑…ですか。怪しいですね。」
「まあ行ったらわかるだろう。うちはそれが売りなんだ。」
「そうですね。では、お疲れ様でした。勇さん」
「ああ、明日、期待してるぞ」
やけに静かな廊下に声が響いた。
『第1部隊、第3部隊に通告。第1部隊、第3部隊に通告。23:00にて任務を開始する。繰り返す…』
任務の前の騒がしさ、これがなかなか心地いい。武器庫からいつものように武器を取り出し、マスクをつける。何年も一緒のこいつらに妙な愛着があるな。
―――今回はどっちでいくか…
「どっちで行くんですか?」
翔が聞いてくる。
「どっちを勧める?」
「じゃあ斧で。」
「なぜ?」
「建物がわからないなら、何かしら壊す場面もあるかと思って。槍だと壊すには向いてないですから。」
「斧で行こう!」
こいつは優秀だ。意見にいつも理由がある。
「準備できたか?」
竜也が聞いてきた。
「あぁ、バッチリだ!部隊の先導は私がしようじゃないか!」
「わかった。俺らは後ろから行く」
『お前ら、覚悟はいいな?!行くぞ!』
全員の耳に鳴る自分の声。
―――楽しくなってきたじゃないか




