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第二十五話 師匠の目
昨日も今日も俺たちは勇さんと対戦し続けた。初任務で受けた傷は何故か回復していたが、痛いものは痛い。
「ぐぁっ!いってぇ…」
「ほら、すぐ立て!体勢を崩すな!」
今日は1人ずつで戦わされた。今は陽が訓練中。まだ2時間しか経ってないのにみんな痣だらけだ。
「蒼、大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ!勇さんって怪我のところには絶対当てないよね…すごいや…」
―――気づかなかった
「そうだな。傷は治ってるし明日にはいけそうな気がする」
「ね!勇さんに息づかいを教えてもらってからちょっとだけ楽にもなったし、2人にばっか任せられないよ!」
蒼の手は微かに震えていたが、表情は前よりも凛々しくなっている。
「頼もしいな」
「交代だ!お前ら、話す余裕があるなら2人でこいよ!2人ともなぎ倒してやる」
「えっ!ずるい!じゃあ俺も入る!」
陽が息を切らしながら大声で言った。
―――体力バケモンか
「お前は休憩だっつってんだろ」
剣は未だに少し重い。でも、もう迷いはない。
その光景を訓練場にいた師匠はじっと見つめていた。




