第九話 特殊戦闘員
なにか、畏怖に似た感情を抑えるように食事に手をつける。陽が嬉しそうに言った。
「ちゃんとしたご飯!うまいなぁ」
「そうだね。久々にこんなに美味しいもの食べたよ!」
蒼も嬉しそうだ。毒なんて入っていないんじゃないかと、そう思えるくらい美味しい。すると、話し声が聞こえた
「あれ、昨日入ったガキだろ?」
「ひょろいな。すぐやれそうだ」
「やめとけよ。後でどうなるかなんてわかってるだろ」
説明書の『即処分』が頭をよぎる。これだけの犯罪者を従えるんだ。理にかなっている。すると、会話を遮るように竜也さんと舞子さんが隣に座ってきた。
「おはよう。寝れたか?」
彼らと同じ犯罪者とは思えないほど優しい声で竜也さんが言った。
「おはようございます!はい!ベッドって最高ですね」
陽がまた嬉しそうに言った。
「まあ、人質の時よりはそりゃマシか」
舞子さんはなんだか嫌そうに食事に手を付け始めた。その時、さっき入口にいた男性が隣に立っていることに気がついた。でも少し前からすでにいたような気もした。
―――物音が何もしなかった…
「お前ら、新しく入った奴らだな」
男性は言った。
「はい!」
陽と蒼も今気づいたのか、驚きながら3人で返事をした。
「食事が終わったら、第3会議室に来い。4階な」
そして何事もなかったかのように男性は去っていった。
「びっ…びっくりした…え、誰?」
「誰…だろう…」
「特殊戦闘員よ」
舞子さんが答える
―――やっぱり
「え!なにそれかっこいい!!で、特殊戦闘員って何?」
―――ざっとってほんとにざっとだったのか…
「説明書、読めって言っただろ!」
「あの、あれですよね!どの部隊にも属してないって言う、ボスの次に偉い人、みたいな」
俺は急いで答えた。
「まあ、そんなとこだな。会ったらわかるから、とりあえず食ったら行ってこい。」
その時、どこかゾッとするような視線を感じた。
―――気のせい?
なにかの影が3人を見て笑っていた。




