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異譚~ゲレンの此先~

「おい!さっさと来いよ!こののろま!」


「……はいはい」


 ゲレンは地の底にも届こうかという深いため息をつきながら、自分が所属するパーティーの後をついていく。パーティーを先導し、今もなにが憎いのかゲレンを睨みつけているのは、一行の攻撃役を務めるクレールだ。燃えるような赤毛とそれと同じ色の釣り目が特徴的な青年である。

 軽蔑の色を隠そうともしないその眼差しから少し目を逸らすと二人の可憐な女性と目が合うが、無論彼女らの目に浮かんでいるのもどこかゲレンを下に見ているような感情だ。

 ゲレンが一向に追いつくと、クレールはイラついたように舌打ちをしてから言い放つ。


「おい、おっさん。あんたはただでさえ足手まといなんだぞ。自分の立場が分かってんのか!」


「そうよ!あんたみたいな陰気なやつを入れてくれるパーティーなんて、他にないんだからね!」


「へいへい、だけどよ、昨日俺は確か集合時間に遅れるって言ったはずだが……」


「うるさい!武器も振るえない【死霊術師ネクロマンサー】の分際で誰に向かって口答えしてやがる!」


 クレールはそう言い放つと話は終わりだと言わんばかりに前へと歩き出した。その後を先ほどクレールの言葉に同調した黒髪の【魔女】、ナレミアとパーティーの回復薬を務めるスイセラがついていく。

 その三人の後姿を見て、ゲレンはここ最近で癖になりつつあるため息を再びつきながら歩を進めた。通いなれた”雑える封界”への道を歩きながら、ゲレンは己の不運な境遇を呪う。


 ゲレンが以前まで所属していたパーティーは総合的な戦闘力こそそこまで高くはなかったが、それぞれのメンバーの能力を生かし、堅実な成果を長年あげていた。その実績故、管理局から特別な依頼を任せられることもあるほどだったのだが、主力メンバーが引退したことに伴い、少し前にパーティーは解散してしまっていた。ゲレン以外のメンバーは他の職に就いたり故郷に帰っていったのだが、長年魔境と共に生きていた彼はここから離れることに若干の寂しさを感じたため、一人になっても探索者を続けることにしたのだ。

 とは言っても、彼の戦い方では一人で魔境に挑むことは難しい。そのため、管理局に掛け合い、メンバーを募集している手ごろなパーティーがないかを問い合わせた。その結果紹介されたのが、このクレール率いるパーティーだったという訳である。


 普通、管理局が問題のあるパーティーを推薦することはないのだが、クレールとナレミアが所属していたパーティーも同時期に解散しておりちょうどお互いに人員を欲していたこと、そして二人の戦力が高かったことから、こういった形となったらしい。

 当初こそ管理局の推薦ならば大丈夫だろうと考えていたゲレンだったが、パーティーの最後の一人としてスイセラが加入した頃に、それは間違いだったと気づくこととなった。

 このクレール、確かに剣の腕は立つようだがその荒っぽさから前に所属していたパーティーでも問題を起こしており、伝え聞くところによるとパーティー解散の間接的な原因だったらしい。さらにたちが悪いことにナレミアはクレールにめっぽう惚れているらしく、何かにつけて彼の味方に回りたがる。スイセラも彼の行動を咎めたりすることはないため、クレールの素行の悪さはさらに助長されているように思われた。

 もしかしたら管理局はゲレンにこのパーティーのまとめ役となることを期待したのかもしれない。だが、ゲレンとしてはここ十数回の探索でほとほとうんざりしており、もうこれ以上彼らに付き合うつもりはなかった。管理局に対しての建前があるためあと数回は付き合うつもりだったが、心の内ではすでに別の魔境へと移る算段を立てているところだ。


 とはいえ、パーティーに所属している限りはそれなりの働きはしなくてはならない。ゲレンは魔境に足を踏み入れると同時に、懐から複雑なルーンが描かれた二枚の紙を取り出し、そこに自身の魔力を流す。


「またそれを使うのですか……汚らわしい」


「はいはい、ちょっと我慢してくれなー。【起死ベネト】」


 ゲレンの呪文に反応して、紙から黒煙があふれ出す。黒煙はすぐさま寄り集まり凝集したかと思うと、漆黒の骨人形スケルトンへと変貌した。骨製の鎧と盾、さらに肉厚の曲刀サーベルを握りしめたスケルトンを、スイセラが軽蔑を超えた侮蔑の眼差しで睨みつける。パーティーを組んだ後に知ったことだったのだが、スイセラは外法遺骸アンデッドなどの外法に分類される技術を随分と嫌っているようだった。今やそれほど珍しい技術という訳でもないのだが、彼女のようにこういった生死に関連する技術を本能的に毛嫌いする人種は少なからずいる。ゲレンもそれは理解しているが、探索の間くらいは好き嫌いで物を言うのはやめてほしいと思うのが正直なところだ。


「ちっ、相変わらず陰気な魔術だな」


「ほんとよねー!ま、こいつにはお似合いの魔術かもしれないけど」


「……準備できたからさっさと行くぞー」


「おい!なんでてめえが仕切ろうとしてんだ!お前が俺についてくるんだよ!」


「へいへい、それならそうしてくれ」


 いっそ三人の言葉をすべて無視することにして、ようやくゲレンは”雑える封界”の奥に向けて進み始める。見慣れたを通り越して安心感さえ感じる入り口そばの広場を、三人は周囲に目もくれず通過していくが、ゲレンは広場で採掘をする新人探索者ルーキーを見て、思わず自身の過去に思いを馳せた。

 シロテランで探索者としての活動を始めたゲレンも、ルーキーの頃はああして毎日鶴嘴を手に壁を殴りつけていたものだ。この魔境で”恩恵ギフト”を手に入れてからは実入りがいい魔境深部の探索を専門としていたが、時折鶴嘴と岩がぶつかり合う感触が手の中に蘇る気がする。


「そういえば、スイセラ。恩恵ギフトはもう使い慣れたの?最近手に入れたって言ってたわよね?」


 前を行くナレミアがスイセラに問いかける。


「ええ、お二人・・・のおかげでだいぶ能力にも慣れました。ですが、恩恵ギフトというのはすさまじいものなのですね。聞いていた以上です」


「なんせ神様からの贈り物って言われるくらいだからな!俺みたいに二つ手に入れられれば、怖いものなんてないぜ」


 恩恵ギフトとは魔境に挑む探索者たちが、魔境の中で時折手に入れることができる異能のことだ。どういった原理でそれが手に入るのかは一切解明されていないが、魔境に現れる魔物を倒すほど獲得できる可能性は上がると言われており、恩恵ギフトを手に入れた者は本能的にその使い方を理解することができる。先ほどクレールが口にしていた【死霊術死ネクロマンサー】という言葉も、ゲレンが持っている恩恵ギフトを指したものだ。手に入れる恩恵ギフトは選ぶことはできないが、多くの場合は獲得者の気質によると言われている。そのため、ゲレンは三人から謂れのないレッテルを張られているのである。


「【治癒士】だったわよね。スイセラにお似合いの恩恵ギフトってところかしら」


「もともと回復の魔術は得意だったんですが、恩恵ギフトを手に入れてからは効果が段違いです。それに学んだ覚えのない魔術が頭に浮かんできてそれを自由に使える……確かに神からの贈り物と思われても不思議ではありませんね」


 スイセラのように元々持っている技能に沿った恩恵ギフトを授かる者は多い。そういった場合は一気に自身の能力が向上させることができるし、逆に前者と比較して数は少ないものの、ゲレンのように自分のこれまでの生い立ちとは何一つ関係しない恩恵ギフトを授かる者もいる。その場合は格外ともいうべき特殊な恩恵ギフトとなると言われているのだ。

 事実、ゲレンが授かった【死霊術師ネクロマンサー】のかなり珍しい恩恵ギフトに分類され、シロテランでも彼以外に保有している探索者はいない。ただ、それも相まって恩恵ギフトの能力を誤解されることも多々あった。


「スイセラも探索を続けてれば俺みたいにもう一個恩恵ギフトが貰えるかもな!ま、いつになるかは分からないけどよ!ナッハッハ!」


 そう言って大笑するクレールもつい最近新たな恩恵ギフトを授かったばかりだ。ただし、彼はもともと【双剣士】という恩恵ギフトを持っており、二つ目の恩恵ギフト、【火剣士】を手に入れたのである。

 彼のように複数の恩恵ギフトを授かる者はそれほど数が少ないという訳ではないのだが、普通ならば魔境への挑戦を数年続けなければ二つ目の恩恵ギフトが手に入ることはない。だが、クレールは魔境への挑戦を初めて二年目にして二つ目の恩恵ギフトを授かることができたのだ。これはやはり異例のことで、その素行の悪さにさえ目をつぶれば、この街随一の有望株といって差し支えないだろう。


 そんな彼らが揃っているのだ。通路に現れる鎖型の魔物、【巻き付くウンド・銀鎖シーン】との戦闘など、文字通り一刀のもとに終わってしまう。このパーティーであれば二階層にたどり着くまでは戦闘らしい戦闘はないことがほとんどだった。ゲレンも【黒骨人形ブラックスケルトン剣士ソルジャー】を二体出して最低限の警戒はしているものの、二階層に着くまではクレールたちに戦闘を任せるつもりである。


 気を抜きながら歩いていると、通路を抜けて二つ目の広場への入り口が見えてくる。この広場は一階層の中でも特に広く、さらに壁や地面から魔物が湧き出続けるため、探索者たちからは魔物部屋と呼ばれて敬遠されている場所だ。少し慣れた探索者であればこの部屋は戦闘を避けつつ足早に通り過ぎるだけなのだが、今日はなぜかその魔物部屋から戦闘音のようなものが響いている。そのことに気づいた一行は思わず首をかしげて足を止めた。


「なんだかやけに派手に戦ってる人がいるみたいね。助けた方がいいかしら?」


「けっ、どうせ魔境のことをよく知りもしないルーキーがやられてるだけだろ。別に気にすることもねえ。さっさと行くぞ」


「あ、おい!ちょっと待てって!」


 普通こういった場合はゲレンのスケルトンを先行させて様子を見ることにしているのだが、クレールはそんなことは関係ないというように広場に足を踏み入れる。仕方なく他の三人もその後を追うこととなったが、一行が見た景色は歩きなれた魔境でさえこれまで見たことがないものだった。

 広場にいたのは、全身鎧を身にまとった兵士の集団であった。兵士たちは徒党を組みながら手当たり次第に魔物を添い、駆逐しているようだ。


「おいおい、一体どこの軍が攻めてきたってんだよ」


 思わずそう呟くゲレンだったが、兵士たちを見ていたナレミアがあることに気づいた。


「ねえ、あの兵士、というか鎧の中って空っぽじゃない?」


「……本当です!鎧型の魔物でしょうか」


 ナレミアの言うように、兵士と思われた全身鎧の中にそれをまとう人間はおらず、兜の中には不気味な虚空があるだけだ。それを確認したクレールは凶暴な笑みを浮かべて二本の剣の柄を握りしめる。


「おもしれえ。新種の魔物ってところか。腕が鳴るなあ、おい!」


「あ!だから待てって!まだ敵と決まったわけじゃ……」


 やはりゲレンの静止の言葉も虚しく、クレールは近くにいる中で最も豪奢な鎧をまとった魔物に切りかかった。言動と性格はともかく、クレールの剣士としての力量は本物だ。さらに【双剣士】の恩恵ギフトにより、二本の剣による斬撃の冴えはゲレンでさえ時折見惚れるほどである。

 だが果たして、攻撃を察知した全身鎧の魔物はその二刀を見事に受けきってみせた。さらに返す刃でクレールの顔面を狙った突きさえ繰り出してみせる。それを危ういところで避けたクレールは、柄をさらに強く握りしめた。


「こんの……!魔物の分際で!!」


 クレールの怒声と共に二刀から炎が噴き出す。火炎による推進力と熱を伴った斬撃を再び繰り出すが、それは再び全身鎧の剣に防がれることとなる。ただの剣で受けられたのであれば、【火剣士】の”技能スキル”により、受けられた剣ごと溶かし断ち切ることができただろう。だが、自らと同じ炎が噴・・・き出る剣・・・・で捌かれては、それも叶わない。


「ああ!?こいつ、なんで俺と同じ技能スキルを……!?」


 剣での攻撃を防がれたとみるや蹴りを繰り出そうとしたクレールだったが、敵が纏う鎧の隙間からこぼれ始めた小さな火の粉を見てその場から跳び退る。その一瞬後に、全身鎧から火柱が吹きあがり、魔物の姿はその炎に飲み込まれてしまった。

 まさかこれで終わりではないだろう、そう内心で呟いた瞬間、炎の中から全身鎧が飛び出てきてクレールへと斬りかかる。その一撃を上手くいなしたクレールが残ったもう片方の剣で鎧と兜の隙間を狙うが、魔物はそれを剣で受け止めると鍔迫り合いに持ち込んできた。お互いの剛力が拮抗し、剣と剣が擦れることで軋むような金切り音が響く。そこでようやくクレールのサポートのために三人が動き出そうとするが、戦局が変わる前に制止の言葉が投げかけられた。


「止めろ、”炎剣”。どうやらそいつは魔物ではなさそうだ」


 声と同時に”炎剣”と呼ばれた全身鎧の剣から力が抜ける。思わずたたらを踏みそうになるクレールが態勢を整えているうちに、全身鎧は声を上げた人物の元へと戻っていく。

 思わず四人はその声の主に目を向けた。右手に真っ白な本を持った男の容姿は一見してこの辺りの生まれではないと分かるものだったが、中でも目を引くのはその左目と左腕だ。おそらくはどちらも生まれついてのものは失われているのだろう。左目があるはずの場所には緑色の鉱石のような球体がはめ込まれており、ほんの僅かだが淡い光を放っている。そして、左肩からはやはり鉱石、というよりは水晶にも見える半透明の石材で作られた義腕が接続されている。一見彫刻にも見えかねないそれは、一体どういう訳か装着者の意思に従って動いているらしい。


「まったく、突然人の自動機装オートマタに切りかかるとは、いったいどんな了見だ」


「……おい、兄ちゃん。まさかここにいる鎧は全部あんたの物だって言うのか?」


「当たり前だろう。どこをどうみたらこれらが魔物に見え……んん?」


 男は言葉を途中で切ると、一行の後方を睨みつけた。四人もそちらに目を向けるが、そこにはゲレンが呼び出した【黒骨人形ブラックスケルトン剣士ソルジャー】が立っているだけだ。だが、男は興奮した様子でそちらに歩いていくと、しげしげとそれを眺める。


「……おい!この黒いスケルトンは誰のだ?」


「それは俺が作ったやつだが……兄ちゃん、死霊術ネクロマンシーに興味があんのか?」


「いや、ネクロマンシーとやらには興味はないが、この黒いスケルトンは見たことがない!なあ、これを譲ってはくれないか?」


「譲る?いや、譲るって言ってもなあ……」


 突然の申し出に目を白黒させるゲレンだが、戦気のやり場をなくしたクレールが男に詰め寄る。


「おい、てめえ!よく分からねえ魔物で人を襲うとはどういうことだ!


「何を言っている?先に切りかかったはお前だろう。それに敵の力量もわからず手を出すとはな。大して腕が立たないなら大人しくしていろ」


「……なんだと?お前、いい度胸じゃねえか」


「あー、やめろやめろ!兄ちゃん、突然邪魔して悪かったな。俺のスケルトンはやるよ。だから、その代わりに今回の件は不問ってことにしてくれねえか?な?」


 一触即発の雰囲気を感じ取ったゲレンが口早にそう捲し立てた。クレールはなおも相手を睨みつけたままだが、男はいとも簡単にクレールから視線を外すと、その顔に笑みを浮かべる。


「本当か!?それは素晴らしい!別に攻撃されたことは気にしていないが、そういうことなら不問としよう」


「ありがとな、兄ちゃん。それじゃ、俺らは先に進むぜ」


「うむ。ああ、それともし他の外法遺骸アンデッドを持っているのなら、今度また譲ってくれ。”笑う角犬亭”という宿に泊まっているから、気が向いたら来てくれればいい。もちろん対価は払うからな」


「誰があんたの所になんか行くもんですか!クレール、さっさと行きましょ!」


 ナレミアとゲレンに引っ張られるようにして、一行は広場を後にする。もちろん、【黒骨人形ブラックスケルトン剣士ソルジャー】の一体はその場に置いたままだ。ほんの少しの魔力を使ってスケルトンの指示を書き換えておいたので、今後あのスケルトンは男の指示通りに動くことだろう。

 道中他の全身鎧の傍を通り過ぎたが、それらは四人の存在に全く反応を示すことはなかった。この鎧たちが一斉に襲い掛かってきたらと思うと冷や汗が出そうになるゲレンだったが、広場を出た途端クレールに胸倉を掴まれる。


「おい、ゲレン。てめえ、まさか俺を助けたとは思ってねえだろうな」


「……そんなわけないだろう。あの男はああ言っていたが、お前が本気を出せばあんな鎧なんざ簡単に倒せたさ」


「へっ、分かってんじゃねえか」


 そう言うとクレールはゲレンを乱暴に突き飛ばし、足音荒く奥へと進んでいく。その後をナレミアとスイセラがついていくが、やはりゲレンを心配する様子はない。

 機嫌を取るためにああは言ったもののおそらくあのまま戦闘を続けていれば、クレールは負けないにしてもあの全身鎧を仕留めることはできなかっただろう。それに自分を含め、他のメンバーも戦闘力が低いわけではないが、あの鎧の集団を全滅させることができたとは思えない。あの謎の男の指示一つで自分たちの命運は決まっていたわけだが、ゲレン以外の三人はそのことに全く気付いていないようだ。


 それにしても、あの男はいったい何者なのだろうか。男はあの動く鎧を自動機装オートマタと呼んでいたが、ゲレンが知る限りあれほど自然で精密な動きをする自動機装オートマタがあるとは思えない。それにあの数を従えていたということは、ゲレンのように自分の召喚物を持ち運ぶ何らかの手段があるということだ。ゲレンとしてはあの白い本が怪しいと思われたが、おそらく目に見えていた以上の戦力を持っているのだろう。


「って、そんなこと考えても俺には関係ないか……しかし、スケルトンを物々交換したいとはねえ。一回くらい話を聞いてみてもいいかもな」


 そう呟きながら、ゲレンは三人の後を追う。無意識のうちにこのままのパーティーで探索を続けることとあの男の話を聞くことを天秤にかけていたゲレンだったが、そのことはついぞ本人すら気づかないままだった。

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