魔王城の勇者様!
前回のあらすじ
勇者がいなくなったことにより地界の人は大パニック!
神のお告げとやらは虚実の申告で魔王軍を陥れてるし、勇者のお供達が立ち上がるし、部下の『バキル』に飛び蹴りを入れられるし…
魔王軍、大丈夫か?
この『フランティル』という世界には3つの区切りがあった。天界、地界、魔界…天界は空想上のものとされているが、神の声を聞くことのできる大神官によると存在するのだという。そして今まさに地界で大神官が神のお告げを聞き、その内容が広まり混乱に陥っているのであった…
「おい!あの雷は魔王誕生の兆しだ!」
「でも、まだ勇者様の誕生を聞いてないわ!」
「大神官様によると勇者をお腹に宿した母親が魔王軍に殺されてしまったという神のお告げがきたと聞いたぞ!」
「なんと卑劣な…魔王軍を許すな!!何としてでも仇を!!」
人々は皆勇者の不在を心配し、卑劣な魔王に怒りを向けた。
そんな時だった。
「皆さん聞いてください!!」
3人のものが名乗り出た、そのうちの1人であるつり目で赤いツインテールの女が叫ぶ。
「ぼ、ぼくたち勇者の加護を受けた者です!」
気弱そうな草原のような髪を揺らした少年が続く。
その3人の腕には勇者の目に刻まれているダイヤの紋様があった。
「俺たちは勇者様と唯一『コネクト』を取れます、勇者様は
おられるのです。場所は定かではありませんが、確かに存在しています!俺たちが必ず見つけ出し、魔王を倒して見せます!」
長身の顔立ちのいい青年が前に出て言う。
「おお!勇者のお供様!!何と心強いことでしょう!!」
「勇者様はご存命だったのね!」
「これでこの国は安泰だわ!」
「勇者のお供様ばんざーい!!!」
「ーとは言ったものの…」眉をひそめる長身の青年リラク•ゼスリル。
「流石に言えませんよね…」困った顔をする気弱な少年ルーア•マリク
「勇者が…魔王城にいるって…」プルプルしている赤髪の少女セシリア•スティール
どーゆうことなのよお!!!!!!
宿から声がこだました。
「「へっくち!」」
ベルガナとロイゼが同時にくしゃみする、シュルクはハンカチをロイゼの鼻に当てた。
はいちーんとゆうシュルクとロイゼの隣でベルガナは
「なんか面白いことになりそーだなぁ…」
と、鼻をすすりながら言ったその時
バン!!ドガガガドシャァァァァァ!!
大きな音を立てて10mはあるだろう扉を誰かが勢いよく開き…壊した。
「はっ、ちょマハルマ!?何してんの!」
ベルガナがほおけた顔で言う、シュルクもまたか…と呆れていた。ロイゼは楽しそうに笑っている。
「違う!俺やない!他のメンバーやて!!」
マハルマが言う他のメンバーとは十魔鬼の魔物たちのことをさす。
「ラザロスが勇者召喚すんの見とったんやて!今メンバーの1人が押し掛けてきたんや!」
と、マハルマが言うと
「オラァァァァァ!!!」
「ぐへぇぇぇぇぇ!!!」
ベルガナに飛び蹴りが入り、煙が消えるとそこには金髪で黒い目をしたガタイのいい男が立っていた。
「十魔鬼がニ鬼、暴君のバキル。魔王粛正に来たぞオラァ。」