120 蒼士戦場を行く
今回援軍として来た者たち。
特に肉体を持つ者は前回と比べ大きくスペックを向上させている。
前回は本人たちの骨と多くの人間の血肉が含まれた土を使いその肉体は作られていた。
そのため性能が低く彼らの実力を発揮させるには不十分であった。
しかし、今回の体は違う。
ハーデスはドラゴン狩りで手に入れた10メートルを超えるドラゴンを使い彼らの体を作り上げた。
そのため普通の人間の体とそれほどの違いはなく、食事をする事も可能であった。
更にそれぞれの戦闘能力を十分発揮できるスペックを有している。
その為、現在戦場では魔王に立ち向かった者達の真の実力による蹂躙が行われていた。
彼らは誰もが魔王城へと向かう厳しい道のりを越え魔王の前に立つ事の出来る猛者たちである。
そして、その歴代の猛者たちが一丸となって魔物やドラゴンを殲滅して行く。
それはまさに英雄と呼ぶに相応しい姿であった。
ある者はか硬い外殻を持つサイクロプスを一撃で葬り、またある者は力自慢のミノタウロスを力ずくで捻じ伏せている。
更にドラゴンの前に立てばそのブレスを魔法のシールドで弾きながら接近しその首や胴を切り裂いた。
また攻撃魔法に関しても規格外の実力を発揮し、風の魔法を放てば複数の敵を同時に切り裂いていく。
そして、それらに加わる様に今代の召喚者。
異世界人の一行が門から現れその刃を魔物たちへと向けた。
「おい、今回の奴らはスゲーな。」
そう言って戦士の一人はアリス達を見て答えた。
すると近くにいた者達もそれに同意する様に一瞥した後に頷いた。
「ありゃ俺達よりも強いんじゃないか?」
「ええ、特にあの黒髪の小さな子はスピードが半端じゃないわ。」
「いや、あの金髪の槍もちの子も凄い突きだぞ。俺はあれを躱せる自信はない。」
「それにあの後ろの男女だ、目立たないが的確に相手の急所を狙って仕留めている。しかもあの二人、あの子達のフォローをしながら戦ってるぞ。」
そしてアリス達も驚異的な殲滅速度で目の前の魔物を倒し彼らの元に辿り着いた。
そして邪魔な魔物を切り捨てながら焦りの無い声で話しかける。
「こんにちわ。私はアリス。あっちが百合子であそこにいるのが私のロックパパとノエルママよ。あなた達がハーデスの言ってた援軍でしょ。」
「ああ、そうだ。それよりお前さんは親子で来たのか?」
するとやはり気になったのか話しかけた男はアリスに両親の事を問いかけた。
彼らは長い歴史の中で家族で召喚された者を誰も知らなかったのだ。
「そうよ。ハーデスが気を使ってこちらに送ってくれたの。凄く強くて頼りになる自慢のパパとママよ。」
そう言ってアリスは射線に誰もいないのを見ると迫る魔物の群れを炎で一掃する。
それだけで数百の魔物が死ぬか行動不能になる程のダメージを負っていた。
その姿に周りで見ていた者達も感嘆の声を漏らす。
「すげーな。少し聞いてたが今代の奴らは強すぎだろ。」
「そうね。私達って必要だったのかしら。」
「そう言えば勇者は誰なんだ。もしかしてお前か?」
するとアリスは苦笑を浮かべて首を横に振った。
「違うわよ。でもそろそろ出てくると思うわ。」
そう言ってアリスはチラリと城門に視線を向けた。
その間にも彼らは手を止まる事無く魔物を葬り続けている。
すると再び城門が開きそこから本命と言える3人組が現れた。
「あれが今回の主役よ。真ん中にいるのが蒼士でその左が勇者の冬花。その右がカグツチよ。あの3人が出て来たからもうすぐこの戦いも終わるわね。」
するとその言葉に傍にいる者が疑問の声を掛ける。
「おいおい。かなり減ったって言ってもまだ数万は残ってるんだぞ。しかもまだ魔族の本隊もいる。すぐには終わらんだろ。」
するとアリスは「フフッ」と笑い答えた。
「見てればわかるわよ。アイツはそれだけ強いんだから。」
「アイツ?もしかして勇者よりあの男の方が強いのか?」
「強いわよ。カティスエナを倒せるくらいね。あ、やるわよ。」
その声を聞いて全員が敵を倒しながら意識を蒼士たちへと向けた。
アリスの神をも倒すという言葉が全員の興味を引いたのだ。
すると蒼士は腕を突き出しまずは単純に雷の魔法を放射状に放つ。
『バリバリバリバリーーー。』
それと同時に目を眩ませるほどの巨大な雷が発生し、蒼士に向かっていた魔物が100メートルにわたり黒焦げに炭化した。
蒼士はそこに風に魔法を放ち周囲に吹き飛ばすと何も無かったかの様に悠々と進み始めた。
「おい、マジかよ。あれだけの事をやってるのにまだまだ余裕があるって感じだな。アイツは魔術師か?」
男はそう問いかけるがアリスは首を横に振り否定した。
「一応魔法も得意だけど蒼士はどちらかと言えば剣士よ。」
するとアリスの言葉を聞いて魔法使い系の杖を持つ女性が顔を引き攣らせる。
「あれで本職じゃないの。しかも私の見立てが間違って無ければ彼の魔力は私達の誰よりも多い。いえ、異常よ。どうやったらあんな人間になれるの。」
そして、更に驚愕は続いた。
蒼士は剣を抜き膨大な魔力を込め始める。
そしてそれを大地に刺した時、大地が大きく揺れた。
「アース・・・クエイク」
そして蒼士が言葉を紡ぐと大地が罅割れ巨大な谷が生まれた。
それは上から見れば獣が大地を抉り取ったようにも見える。
そして幾筋もの大地の亀裂はその万を超える魔物を飲み込み閉じて行った。
そして、蒼士の前には血を吹き出した亀裂と今度は数百メートルにも及ぶ空白地帯が生まれる。
「おいおいマジか。あいつ一人いたら俺達マジで要らねえぞ。」
すると蒼士は今度は指を立て空へと向ける。
そして戦場を見回すとそこから光の筋を数十打ち出し的確にドラゴンの頭だけを撃ちぬいた。
これにより地上のドラゴンは全滅し全体の負担が軽減される。
すると、有効打を与えるドラゴンがいなくなったことでスケルトン達の攻撃は激化して行く。
スケルトン達は容赦なく目の前の魔物を掴むと手に持つ武器で攻撃を仕掛けた。
そこに防御と言う言葉はなく玉砕覚悟である事が見て取れる。
しかし、そうではない。
魔物の攻撃はスケルトンに有効なダメージを与えられずにいた。
ミノタウロスの斧は相手を吹き飛ばしても切る事は出来ず、サイクロプスの剛拳も彼らの体を砕く事は出来なかい。
逆にスケルトン達の攻撃は確実に魔物達の命を削ることが出来ていた。
それがたとえ小さな傷でも、ダメージを与えられるならいつかは死ぬ。
それを数十数百で行えばそれ程時間を置かずに魔物は死体となってその骸を地面へと晒した。
そして、魔物たちはそんな状況にも一切の躊躇もなくスケルトンへと攻撃をし続けた。
しかし、これにより魔物の殲滅速度が飛躍的に上昇する事になる。
何せどんなに仲間の魔物が死のうとあちらから近づいてくるのだ。
そして、そんな魔物たちを蒼士は表情を変える事無く全て薙ぎ払った。
「冬花、カグツチ。魔物は俺がやる。今は力を温存してくれ。あのバカがこれを見れば絶対に何か仕掛けて来るからな。」
俺の言葉に2人は頷くと何もせずに後ろを付いてくる。
その歩みに焦りはなくまるでただの街道を歩いているようだ。
しかし、その足元には魔物の流した夥しい量の血が川の様に流れている。
俺は魔法で地面を操作し整備された様な綺麗な道を作ると踏まないようにしながら進んでいく。
それはあたかも俺達のが進んだ場所がそのまま道になったかのようだ。
そして、俺たち3人はとうとう魔物の群れを抜け後方にいる魔族の本隊と向かい合った。
だがその数は2万は下らないだろう。
しかし、それらは以前アリスが話してくれた炎で一掃した1万とは大きく違う。
魔族たちはカティスエナの神気を纏い憎悪に燃える目を向けてくる。
そしてその視線は特に俺へと集中していた。
「恨まれたもんだな。」
するとそんな言葉をこぼした俺の後ろのからこの場ではこの場には似つかわしくない明るい声が聞こえてくる。
「気にしなくてもいいんじゃない。どっちみち逆恨みだよ。」
「そうだな我らはあの神の願い通り現在もこの世界を救うために動いているのだ。これは基本、どの世界においても神より優先される。」
俺はそんな二人に笑顔で振り返り「そうだな」と笑った。
現在この世界に魔王はいないが大半の魔物と魔族は人間の敵と認識されている。
その為それらが神の神気を纏い立ち塞がったとしても俺達には既に関係は無かった。
「それじゃ行くか。」
「そうだね。早く終わらせて帰らないと。思ってたより早く終わりそうだからこのままいけば学校も卒業できそうだよね。」
俺はそう言われてみればと意外な事に気付き「確かに」と頷いた。
実際ここに来て状況を知るまでは今年の卒業は半ば諦めていたからだ。
早くて半年、悪ければ1年以上は掛ると思っていたが最終段階に入った今となっても半月程度しか掛かっていない。
逆に2年もこの世界で生活していたアリスと百合子の今後の方が心配なくらいだ。
しかし、そんな俺達にカグツチは呆れながらも口を滑らせた。
「お前たちはそんな事を気にしていたのか。別に気にしなくても天照様が進行中の計画に参加すれば学歴などなくても大丈夫だろ。」
しかしカグツチはこう言っているが俺と冬花は何も知らされていないので首を傾げるしかない。
だが、やはり天照たちは何かを企てているようだ。
昨日の事ももしかするとその一環かも知れない。
オーディンが他人に酒を振舞うなんておかしいと思ったんだ。
「俺達はまだ何も聞いてないぞ。」
「そうだね。まあ履歴書に高校中退とか留年とか書きたくないから普通には卒業したいけど。カグツチ、それ私達に言ってよかったの?」
するとカグツチの顔が急に歪み「しまった」という表情に変わる。
どうやらまだ俺たちに伝えるものではなかった様だ。
俺は敵の眼前で背を向ける事になるがカグツチに歩み寄りその肩を優しく掴む。
「その話はあとでじっくり聞かせてもらう。どっちみちあの腹黒の事だ。最初から俺達も計画に組み込んでるに違いない。多分こっちに来てる奴全員だろうがな。」
それだけ言って俺は再び魔族に向き直ると剣を手に進んで行った。
聞くのはここを切り抜けてからだ。
その後なら幾らでも話は出来るからな。
「待たせたな。それじゃ始めようか。」
そして俺たちが進むと、魔族の後方で唯一ドラゴンに乗る一際体格のいい魔族が声を張り上げた。
「貴様らがカティスエナ様に歯向かう愚かな人間だな。今日この時をもって貴様らの命、この聖王がもらい受ける。そして、忠実なる信徒たちよ。お前たちに我らが主カティスエナ様の言葉を伝える。我らの神はあの3人の絶望がお望みだ。男は手足を切って捕らえ女はその目の前で犯し尽くせ。そして絶望に染まった魂をカティスエナ様に捧げるのだ!」
「「「「オーーーーー!」」」」
そして魔族達は雄叫びと共に俺たちへと向けて魔法を放った。
その威力は凄まじく統一された風の魔法は巨大な竜巻となって向かって来る。
しかもその竜巻には真空の刃が潜んでいるらしく、傍にあった木々がなぎ倒されるのではなく切飛ばされ、そこからさらに細切れに切り刻まれている。
「どうやらただの竜巻じゃなさそうだな。」
「それでどうするのだ蒼士。私は近接主体だからあれの対応は難しいぞ。」
しかし、俺は何かを思いついた様にカグツチに視線を向けた。
こういう時に使える丁度良い物があったじゃないか。
「それならアレを試したらどうだ。アレならなんとかなるだろう。」
するとカグツチも「あれかー。」と思い出したように手を打つ。
そして異空間から一本の小太刀を取り出し鞘から引き抜いた。
「まさか、こんな所で使うとはな。」
そして構えた小太刀に神気を注ぐとそこから微風が生まれ竜巻の影響で荒れ狂っていた周囲の風がピタリと止まる。
そしてカグツチが上段に構えると、小太刀の微風は一変し激しく空へと巻き上がった。
それはまるで風で出来た巨大な剣。
カグツチは準備ができるとそれを無造作に振り下ろした。
「風神の太刀!」
そして振り下ろした小太刀からは天を切り裂くほどの巨大な刃が生まれる。
するとその刃は一直線に竜巻へと向かい大地に一筋の斬痕を残しながら真っ二つに切り裂いた。
しかもその斬撃は竜巻を切り裂いても留まる事無く魔族の集団まで到達するとその進行上にいた者達を容赦なく細切れに解体して行く。
「ギャーーー。何が起きたのだ!この攻撃は何だ!」
そしてその一撃で数十人が絶命し、その数倍の腕や足を切り取られた生き残りたちは悲鳴を上げる。
その様子を俺は砂埃を掃いながら観察し、その効果に満足した表情を浮かべる。
「流石、風神が加護をくれた小太刀だな。巨大な竜巻も一刀両断だ。」
「いや、この小太刀には大きな欠点がある。」
そう言ってカグツチは苦い顔をすると小太刀を視線の高さまで持ち上げた。
するとその小太刀はボロボロになっており、いたる所に罅も入っていようだ。
おそらくもう使う事は出来ないだろう。
「地球ではこれだけの加護に耐えきれる霊的素材が無い。その為作ったは良いが使えるのは一度きりのようだな。せっかく風神に協力してもらって作ったが悪い事をした。」
そしてカグツチは小太刀を鞘に仕舞うと申し訳なさそうな顔で異空間に仕舞った。
しかし俺はそんな落ち込むカグツチの頭に手を置くと優しく撫でながら言ってやる。
「気にするな。材料が問題あるなら次は百合子にも協力してもらえばいいんだ。無理に一人で責任を感じることは無い。いざとなればこの世界の金属を貰って帰って試してみてもいいだろ。」
カグツチは俺の言葉に沈んでいた表情を笑顔に戻すと頬を赤く染めながら小さく頷いた。
そして俺達は混乱する魔族たちに向け歩みを再開した。
それを見て聖王は激怒し兵士たちへと声を荒げた。
「沈まれーーー!」
そして魔法で更に増幅した声は戦場に響き渡り、魔族たちを一瞬で黙らせた。
ハッキリ言ってアルタ国王の様な威厳は一切感じないが力だけは備わっているみたいだ。
「狼狽えるな。たかが魔法が一つ破られたにすぎん。それにその剣も先ほどの攻撃で破損し今は通常の剣を構えているだけだ。見ろ!奴らは所詮人間だ。我らの様に神に愛された存在ではない。どうせアイテムの助けが無ければあの者など唯の新米勇者。捕らえるのは容易い。」
すると次第に混乱が収束した魔族たちは互いに持つ武器を構えた。
そしてそれらの武器もカティスエナが与えた物であるようだ。
実はカティスエナは他の神がいなくなった事をいいことに、天界に保管されていた武器防具を魔族たちに与えていたのだ。
それはあの女神の短慮によるものか、それとも蒼士たちの実力を知るからか。
恐らくその両方であろう事が伺える蛮行である。
それにしても、もしこの戦いで俺たちが負けるような事があれば魔族たちはあの武器で世界を統一しに向かうだろうな。
そこに人種以外の居場所はなくなり、更に過激な思想になった奴等は他種族を滅ぼし尽くすのは間違いない。
もしかすると魔族を至上の者として魔族以外の全ての種族を滅ぼし尽くすかもしれない。
まあ、そうなっても俺の胸には僅かな痛痒も感じないが、知り合った奴等が殺されるのは面白くないな。
しかもそうなれば確実に冬花が悲しむだろう。
俺はそれらの事を考えながら突撃してくる魔族に剣を向けた。
そして襲い来る魔族に向け剣を横に一閃する。
するとその速さに付いて来られなかった魔族たちは呆気なく切り裂かれ物言わぬ躯に変わった。
それを見た魔族たちは俺達との実力差を理解したようだ。
たとえ神に与えられた剣であろうと彼らでは体の性能が違い過ぎる。
剣を振られれば目で追う事も出来ず、武器で防いでも攻撃を止める事が出来ない。
そして盾で防ごうと盾は腕を引き千切って遠くへと飛んで行き鎧も隙間を突かれ気が付けば死んで倒れている。
そして俺たちに時間を取られていると彼らに更なる災厄が訪れる。
それは後方で戦っていたアリスや戦士たちが魔物を片付けこちらに参戦を始めたからだ。
アイツ等の本当の目標はは魔族たちだからな。
先程までとは違い顔に怒りの形相を張り付け鬼神の如く剣を振っている。
そして上空からもクレア達が近づきクレアは手に小さな炎を浮かべる。
しかしそれは魔力を極限まで圧縮された魔法。
パメラは少し離れた場所にシールドを張り被害が及ばない様に壁を作った。
そしてクレアはなるべく離れた場所に白い小さな光を投げ込み急いで離れていく。
しかし、何も知らない魔族たちはそれを見て嘲笑を浮かべる。
「何だあの光は。もしかしてゴミでも投げたのか。」
「ははは、所詮はエルフのする事だ。出来てその程度だろう。」
しかし、一部の魔族はその魔法の危険性に気付き声を張り上げた。
「馬鹿野郎。すぐに全力でシールドを張れ。死にたいのか。」
しかし、その声は少し遅かった。
魔法は解放され周囲を数千度の高熱が吹き荒れる。
その威力は注意を飛ばし、自分だけでも助かろうとシールドを張った者たちすら嘲笑うように白い灰へと変えていく。
それを見て戦士たちは手を動かしながらも内心で度肝を抜かれる。
「おいおい、何だよあれ。俺達ごと殺すつもりか?」
「心配しないでもちゃんと一緒にいるパメラがシールドを張ってくれてたわよ。後でお礼を言っとかないとね。」
そして今の一撃で数千の魔族は消し飛んだが代わりにクレアは魔力が限界を迎えたのか城へと引き換えして行った。
どうやら今のはイタチ(エルフ)の最後っ屁だったようだ。
しかし、代わりに残っているパメラが狂人の様な笑い声を上げながら上空から容赦なく魔法を放っている。
「ハーハハハ。最高ね。こんなに魔法の試し打ちが出来るなんて何百年ぶりかしら。やっぱり大人しく議長なんてしると頭まで年老いちゃうわね。今度からもっと外に出ないといけないわ。やっぱりあの話は受けるべきね。」
そしてパメラは一人何かを納得して頷くとセラフィムに命じてブレスを吐かせる。
そしてそのブレスは負傷して動けなくなっている魔族たちを容赦なく消し去り、地面にクレーターを作った。
そして戦争は最終局面に移行して行く。