100 竜狩り①
時間は少し遡りここは蒼士の家の裏。
そこには先日購入した騎竜がカルラと向かい合っていた。
「それでは、お前を強くするため手っ取り早くドラゴンに進化させる。私の訓練は厳しいぞ。覚悟して付いて来い。」
そして、そんな熱血体育教師の様な事を伝えると騎竜も「ギャッ!ギャッ!」と頷きを返した短い前足を振り上げてやる気をアピールする。
するとカルラは自分のアイテムボックスから期限切れ寸前のドラゴン肉を大量に取り出して横に山を作る。
その量は馬車数台分にもなり、いまだに抜けきらない魔力を放っている。
ちなみに、ドラゴン肉の賞味期限とは、この宿る魔力が無くなった時に切れる。
それはドラゴンに宿る魔力が肉の劣化を抑制する役割をしているのだが、代わりに魔力が尽きれば急激に劣化し1日と持たずに溶け崩れてしまう。
そのため今出している肉は鮮度は良いが魔力が切れかけの為、早く食べなければいけない在庫処分品である。
だがカルラもこの騎竜が嫌いでこんな事をしているのではない。
今から行う急激な成長、いや進化は魔石を摂取する方が効率がいい。
肉はあくまで体を作るための道具に過ぎない。
しかし、成長するにもドラゴンの肉には回復促進等の効果がある。
そして、竜種が進化の過程で食べるならドラゴンの肉は最適であった。
さらに強すぎる魔力は毒にもなる。
そのため期限切れ寸前のドラゴン肉を取り出したのだ。
「それではビシバシ行くからね。丁度いい事に先日手に入れた新鮮な魔石が大量にあることだし。」
そう言ってカルラは野球のコーチの様に騎竜へとポンポン魔石を放り、騎竜にそれをパクパク食べさせる。
そして次第に体が成長して行き、騎竜が空腹を訴えると今度は肉をポンポン投げてそれを騎竜がパクパク食べる。
何とも息の合った二人?であるが騎竜のサイズはその頃には1,5倍の3メートル程に成長しており、そこでいったん休憩となった。
「良し。いい感じだ。これで第一段階は終了だよ。少しして魔力がなじんだら次はワイバーンの魔石を食べて翼を手に入れるかれね。」
そして次の段階に入ったのはその日の夕方になったころだった。
しかし、今回は未来の蒼士たちの時のように緊迫したタイミングではない。
そのため魔石の吸収は慎重に行われ、それはカルラの見極めのもとに一晩かけて行われた。
それはとても慎重かつ時間のかかる作業ではあったが、慎重に進めた結果、騎竜は深夜の頃には翼を手に入れ大きさも5メートルほどになっていた。
そして再び休憩が言い渡され騎竜は疲れ果てて眠りについた。
しかし、寝る子は育つという風に騎竜は眠りながらも成長を続ける。
そしてその日の早朝に最後の試練が訪れた。
騎竜はカルラの眷属になるために彼女の血を飲みスキルを習得するための試練に挑む。
そしてこの時だけはクレアが呼ばれ、彼女はずっと騎竜の頭を撫でて声を掛け続けた。
「あなたなら出来る。帰って来たら美味しいローストビーフを作ってあげるからね。」
すると、騎竜に反応があり瞼が震えた。
それを見たクレアは自分が知る肉料理を声に出して説明し始めた。
「キノコとバターの蒸し焼きも美味しいわよね~。もし無事に帰って来たら一緒にベヒモスでも狩りに行きましょ。」
そして、その時、夢の中ではクレアから伝わるイメージが具現化し、落ちている飛竜の前を肉料理が上に向かって通り過ぎて行く。
すると騎竜はそれを追い掛ける様に翼を必死に動かして料理を追いかけて空へと飛び上がった。
そして空の最後にはそれらを手に持つクレアが浮かび騎竜は涎を溢れさせて全力で飛び込んだ。
すると騎竜は意識を取り戻し、勢いよく頭を持ち上げると先程まで目の前にあった料理を探し首を左右に巡らせる。
しかし、クレアを見た途端、顔を近づけ全力で舐め上げ初めた。
その姿にカルラは呆れ、クレアは苦笑を浮かべる。
しかし、無事に飛翔スキルを得た事の証に騎竜。
いや、新たなホワイトドラゴンはクレアを乗せて空へと飛び立った。
そして城の周りを一周すると元の場所に戻りクレアを見つめる。
「クレア、どうもそいつはクレアに名前を付けて欲しいみたいだよ。」
そして、今回はカルラによるとても厳しい監視のもとクレアは名付けを行う。
ちなみに名付けはこれからの長いドラゴンの寿命の中で一度きりの大事な儀式である。
その事を知るカルラは変な名前を付けようとすれば拳を落とし、適当に付けようとすれば拳を落とした。
そして、歴史の強制力のなせる業なのか、この新たなホワイトドラゴンはセラフィムという前回と同じ名前を無事与えられる。
しかし、ここでカルラは蒼士よりも優しくないためクレアを回復させると問答無用でたたき起こし、城に向かう事を蒼士に伝えるとパメラとセラフィムを連れて出かけて行った。
実は先ほどセラフィムが城の周りを旋回した時、兵士たちがそれを確認して大騒ぎになっているようなのだ。
彼らはその説明と謝罪に向かうために蒼士の家から城へと向かい、帰って来るのは次の日となった。
そして、クレア達も戻り、後は冬花だけだというのに昼になっても戻って来なかった。
その頃になると目を覚ましたベルの魔法により家中が綺麗になっていた。
ちなみにベルはカグツチが片付けをしている最中に目を覚ました。
カグツチは魔法が使えない為、冬花のように「ピュア」の魔法は使えない。
しかし、それも目を覚まし絶好調となったベルが魔法を連発した事ですべて解決する。
その直後、クレア達が返ってきたためその埃一つない綺麗さに驚いたほどである。
ちなみにパメラは窓辺に行ってそこに指を走らせ。
「素晴らしい綺麗さだね。これなら何時でもお嫁に行けるよ。」
と姑の様な事を行ってベルへと太鼓判を押した。
だが、その時のベルは蒼士のシャツを上だけ着ているような状態であったため勘の鋭いパメラとカルラには完全に気付かれている様だった。
なので二人はベルの肩にそれぞれ手を置き笑顔で「おめでとう。」とだけ言って自室へと帰って言った。
そして今は全員が1階のテーブルに集まり話し合いが行われていた。
「ハーデスが付いていながらこんなに時間がかかるのはおかしい。」
そう言って声を上げたのは冬花の事をよく知り、何者からも守り抜くと誓った蒼士である。
しかし、彼は冬花のたってのお願いにより家に残り、今は冬花の傍にはいなかった。
俺としては確かに正しい選択ではあったが、懸念が消えた以上は最も心配なのが冬花の事だ。
すると、自分が原因で今の様な状況になったと考えたベルは率先して協力を申し出た。
「蒼士、冬花は何処に向かったのですか?私にはこの世界の神として遠見の水鏡と言う能力があります。これを使えば、今の状況をここから観察し、必要なら即座に転移も可能です。」
「今回の事はベルの責任じゃないから気にするな。もし責任があるとすればお前の気持ちに気付いていて何もしなかった俺にある。」
俺はベルに顔を向けると今回の事は気にしない様に伝え、冬花のいるであろう場所を教えた。
「たしか、ここから南西にあるキエフ山脈に行くと言っていた。そこにハーデスが求めるランクのドラゴンがいるらしい。」
するとカルラは目を見開いて立ち上がった。
どうやら俺が知らないだけでここには余程の何かがいるらしいな。
「そこはドラゴンたちの王の一角、黄色の龍王のテリトリーだ。あそこは人を見下す竜やドラゴンの住処。もしかして冬花は龍王を狩りに行ったのか。」
するとそれを聞いて俺は過去の記憶に思い当たる事があった。
それは魔王城を探す旅の途中、依頼を受けてそいつを討伐に行った記憶がある。
ただ、その時の奴は周囲を荒らし回っていたためにその住処までは知らない。
しかし、それは後に女神の時間稼ぎであった事がわかった。
その時に判明した事は黒、赤、黄色の龍王はカティスエナに組みしている事だ。
もしかすると冬花は先んじてそいつらを狩りに行ったのかもしれない。
それに頭の足りないあの女神の事である。
今回の事に怒り狂い何も考えずに一斉攻撃して来てもおかしくはない。
そこまで考えた俺は早速ベルに現場を見せてもらえる様に頼んだ。
「ベル頼む。」
「分かったわ」
そしてベルが力を行使するとテーブルの上に水で出来た薄い膜が広がる。
するとそこに次第に映像が浮かび上がり、そこには膨大な数の竜とドラゴンの骸が散乱していた。
そして、その先では冬花はいまだに剣を手に戦いを続けている。
しかし、ハーデスはそれには一切手を出さず傍観者を貫いていた。
「どうしてあいつは何もしてないの?」
そう言って声を荒げたのはそれを見ていたクレアだが、それにはベルがすぐに答えを返した。
「たとえ強力な神でも攻撃されなければ相手を殺す事は出来ないわ。しかもあれはこの世界の神ではないからなおの事手が出せないのよ。見て、どの相手もハーデスを無視して冬花にばかり攻撃してるでしょ。きっと龍王からそう言う命令が来てるのよ。」
しかし、冬花が無事なら問題ないので俺はニヤリと笑い一斉に指示を出しはじめた。
「クレア、ノエルの家に行ってすぐに来てもらってくれ。アイツ等なら準備に30秒も使わずにここに来てくれるはずだ。カルラ、セラフィムはもう戦闘に参加できるのか?出来るならお前の采配で参加させろ。それ以外は戦闘準備してこの場で待機。集合が終わり次第全力出撃だ。」
そしてクレアは走り隣の家に向かう。
すると本当に30秒もかけずに準備を終えてここへとやって来た。
「蒼士。竜狩りに行くのね。ユノが食べたがってたから丁度いいわ。」
そう言って入って来たノエルの後ろにはロック、アリス、百合子が並んでいる。
そして足元には秋田県サイズまで大きくなったユノが涎を垂らし目をキラキラと輝かせながら力強く尻尾を振っていた。
どうやらドラゴンが食べれる事を知り、食欲が暴走しているようだ。
そして外からはカルラの呼ぶ声が聞こえ、全員が外へと向かって行く。
するとそこにはさらに大きくなったセラフィムが翼をたたみ、頭を下げていた。
その大きさは既に8メートルはあり、獣舎に入りきらなくなっている。
「蒼士、魔力も体も馴染んでるから戦えるわ。私がサポートするからこの子も連れてってあげて。」
「分かった。それと獣舎は戻り次第、新しく作り直すから。」
「ああ、その必要はないわ。ドラゴンは皆、人の姿になれるから帰ったら真っ先い教えるわ。」
そして話が終わり俺は周りに視線を巡らせる。
「それじゃ、行こうか。ちなみに俺の知る情報では黒、赤、黄のドラゴンはカティスエナに与している。そのため今後、黒や赤とも戦う可能性が高い。その事を覚えておいてくれ。」
そしてベルに「頼む」と言って声を掛けた。
するとベルは全員を連れキエフ山脈へと飛んだ。
そこでは冬花が前日から絶え間ない戦闘を行っていた。
「もう、雑魚ばっかりこんなに沢山。そろそろ大物が来てくれないかな。」
そう言って剣を振り続ける冬花には若干の疲れが見える。
しかし、それも仕方のない事であった。
今戦っている相手は足を止めれば絶え間ない攻撃を仕掛け、攻勢に出れば飛んで逃げて行く。
しかもある一定の距離からなかなか近づいてこない。
どう見ても相手は消耗戦を狙っていた。
冬花もそれが分かっているが現在は決め手に欠け、本命が姿を現さない事から手の打ちようが無かった。
しかし、そんな苛立つ冬花は転移の気配を感じ取りそちらへと視線を向ける。
すると、それを隙と見たドラゴンの1匹が急降下し冬花にその鋭い牙を向けた。
しかし、そのドラゴンは次の瞬間、赤い光に翼と首を切断され地面へと落下していく。
するとユノはとうとう我慢の限界が来たのか体を巨大サイズにするとドラゴンに体に貪りついた。
そのサイズは今までよりも遥かに大きく10メートルは超えている。
どうやら今までは遠慮して巨大化していたようだ、
「美味い。美味いぞ。待ちに待ったドラゴンの肉だ。」
「おお、この心臓も何と力強い。俺の口の中でいまだに魔力を生成し続けているぞ。」
「この骨もたまらん。ドラゴンとは何処を食っても美味い生き物だな。」
しかし、ユノの幸せはここで終わりを迎える。
それは前と後ろから背筋を凍らせる様な気配がユノの体を駆けあがったからだ。
「ケルベロスよ。しばらく見ない間に行儀が悪くなったのではないか?よもや基本を忘れたわけではあるまい。」
するとユノは前にいるハーデスを見て一歩下がる。
そして今度は後ろから優しげな声が掛けられた。
「ゆ~の~。私はいつも何て言ってたかしら。待てが出来ない子はお仕置よ~。」
そう言ってノエルは笑顔で話しかけるがその気配は優しさとはかけ離れている。
そしてその手には気付け薬Jが握られていた。
「「「も、申し訳ありません。なにとぞお許しをー。」」」
そう言って3つの頭は声をそろえて伏せをする。
すると二人からの気配が緩みユノは助かったと胸を撫で下ろした。
「まあ、今はここをどうにかしましょう。でもね、ユノ。帰ったらそちらのハーデス様と一緒にお話しましょうね。それが嫌ならたまには本気を出しなさい。」
するとユノは勢いよく立ち上がると空へと鼻を向ける。
そして何かの匂いを嗅ぎ取ったのか一つの方向へと走り出した。
「しばしお待ちを。こ奴らの言う王なる者を連れてまいります。」
そしてユノは一人ボス戦へと向かって行った。
しかし、この中にユノを心配する者は誰もいない。
ユノはああ見えて冥界の門を護る番犬なのだ。
そして、その強さもハーデス自身が認めているからこそ、ユノをアリスのサポートに付けたのである。
しかし、ここ最近の平和な日常に緩みきり、ただの犬になりかけているだけであった。
その様子にノエルは苦笑を送ると歩いて冬花の元へと向かう。
そしてそれは俺たちも同じであった。
すると冬花は俺の顔を見て笑顔を浮かべ、次にベルへと視線を移してホッと息を洩らした。
ベルの顔は出かける前とは明らかに違い、美貌に磨きがかかり輝きが増している。
それに、その胸にあるネックレスから指輪は消え、それが自分と同じ左手の薬指にハマっているのが見えた。
そして俺が目の前まで来ると冬花は笑顔でその胸に飛び込み顔を埋める。
それをベルも見詰めているが今は以前と違い辛そうな表情は見せなかった。
「来てくれたのね。ごめんね、心配かけちゃった?」
すると俺は笑顔を崩さず軽く首を横へと振った。
「いや、冬花がこの程度の相手に負ける事は無いと分かっている。ただ俺が早くお前に会いたかっただけだ。留守番の出来ない旦那ですまないな。」
「良いのよ。私も会いたかったから。」
そして揃ってクスクスと笑い合い、ここが戦場である事を感じさせない雰囲気を醸し出した。
「よし、それじゃこいつらを片付けて先に進むか。」
「そうだね。みんなが来てくれたから万人力だね」
しかし、俺は上を見上げると剣を抜く事無くクレアへと顔を向けた。
「そう言えば、前回の魔王城では出番が無かったな。クレア達もそろそろ活躍したくないか?」
するとパメラとカルラはニヤリと笑い、クレアは驚きに上を見上げた。
確かにクレアはSランクに上がる時、ドラゴンを単独撃破している。
しかし、それは1対1での戦いだから可能であった。
だが、今の上空には大量のドラゴンが飛行し多勢に無勢である。
その事に気付いた俺はクレアへと苦笑を浮かべ軽く溜息をついた。
普通はそんな仕草を見ればクレアでなくても考えを見直してくれたのだろうと誰でも思う。
しかし、クレアに近づき手を伸ばすと後ろ襟を掴んで持ち上げ、そのままセラフィムの方へと歩き出した。
「カルラ、悪いが今回はパメラを頼む。こっちは俺がどうにかするから。パメラもそろそろ暴れたいだろ目標は皆殺しだから存分にやってくれ。」
するとカルラは少し落ち込みパメラは今までの落ち着いた感じが嘘のように笑い出した。
「ははは、いいねあんた。そんなこと言われたら久しぶりに本気を見せてあげたくなるよ。」
そしてドラゴンの姿になったカルラはパメラを乗せて空へと上がって行く。
するとその直後から空から大量の肉片が降り注いだ。
それは全て、先ほど飛び立ったパメラの仕業である。
彼女は風の魔法のみで防御力の高いドラゴンの体を切り裂き、抉り、時に内部から破裂させている。
他の属性は一切使わずそれを行っている事から、もしかするとパメラは風の魔法に長けた魔導士なのかもしれない。
しかし、自分で言っているほどに長い時間を生きた「ロリ婆」である。
流石にそれを言うと切れそうなので言わないが、もしかすると他の属性ですらこれほどのレベルで使いこなすのかもしれない。
それに俺自身にパメラと共闘した記憶は無い。
各地で魔物やドラゴンが暴れ回っていたためその鎮圧に明け暮れていたからだ。
その中でもエルフの国は俺達が向かわなくても持ち堪えていてくれたのでどんな戦い方をするのかも知らない程だ。
そして色々な意味で乗り遅れてしまった俺もセラフィムの背に乗りクレアを座らせると空に向かって飛び立った。
「クレアはまだ複合魔法は使えないのか?」
「ホント何でも知ってるのね。そうよ、どうもイメージが固定できなくて上手く使えないの。」
そう言ってクレアは少し落ち込んで俯いた。
「なら俺の複合魔法を見せてやるからそこから何かをつかみ取れ。」
そう言って俺はイメージのレクチャーを始めた。
「クレア、太陽は温かいか?」
「何言ってんの。当たり前じゃない。」
「ならそれをたくさん集めると光は更に熱くなる。そしてその光の線に炎を纏わしたのがこれだ。」
そして俺は近づいて来たドラゴンのみをレーザーの魔法で切り裂いた。
それだけでドラゴンが殺虫剤を浴びせた羽虫の様に地上へと落ちていく。
「ちょ、ちょっと何なのよ今の!そ、そう言えばさっきも一回使ってたわね。」
そう言ってクレアは落ちて行くドラゴンを目で追いながら唾を飲み込んだ。
すると横の方で今度はパメラが同じ魔法を使いドラゴンを切り裂いて殺すとこちらに手を振ってくる。
「蒼士、なかなかいい魔法じゃないか。速度は雷魔法と同等、威力は遥かに凌いでるねえ。」
どうやらパメラは俺の魔法を見ただけで使えるようになった様だ。
その事から俺の予想の一部は崩れ、一極ではなく魔法特化なのだと分かる。
(もしかしてあの婆さん乗り物さえあればエルフ最強なんじゃねえか。)
そう思った時パメラから攻める様な声が飛んで来た。
「あんた、今何か言ったかい。私はこう見えてもまだピチピチの少女だよ。」
そう言ってワザと俺の傍をレーザーで打ち抜き、その後ろのドラゴンを撃墜した。
さすが声にだな裂く手もこちらの心を読んで来るとはな。
人知を超えた事をしてくる奴だ。
まあ、ファンタジー世界だから何か変なスキルがあるのかもしれないので注意はしておこう。
そしてパメラが無双している横でクレアは必死に魔法を使おうと魔力を込めていた。
しかし今だに発動には至らず魔力だけが漏れ出している様な状態になっている。
これはもう少し丁寧に教えないといけないみたいだな。




