ただ、ガチャを回したいだけ
「ここは·····」
どうやら無事に異世界に着いたようだ。
制服のままだけど。
「そうだ!ガチャやってみよう!」
俺は、スマホを取り出しガチャを回そうとする。
なになに?ガチャを回すには善行ポイントが必要?
善行ポイントはモンスターを倒したり、他人を助けたりすると手に入る?
なるほど、なるほど。
一回、回すのに十ポイント必要で、今は百ポイントある。
多分、あのロリ女神がサービスでくれたんだろう。
「取り敢えず十回回すか····」
えーと、このガチャは星三までのスキル、又はアイテムが出ます。
上限を星四にするには一万ポイントが必要です、と書いてある。
まだ、上限を上げるポイントには程遠いので回そう。
「当たれ!」
出てきたのは星一認定のスキル、【皿洗い】だった。
《スキル【皿洗い】を習得しました》
頭の中にそんなアナウンスが流れてくる。
·····要らねー!
そんなもん無くても洗えるわ!
くっそ!もう一回だ!
「おらっ!」
もう一度回してみる。
おお!星三だ!出てきたスキルは星三の【鑑定】だった。
《スキル【鑑定】を習得しました》
ラッキー!これなら俺のスキルとかステータス見れるんじゃないか?
早速、
「【鑑定】!」
おお!俺の目の前になんか透明な板が出てきた!
三宅 廻
種族 人間
年齢 十七歳
レベル 一
力
耐久 E
敏捷 C+
器用 C
魔力 E
運 E
スキル
【皿洗い】【鑑定】
····弱いな。
陸上部入ってたから敏捷だけ高いんだろう。
器用は多分フィギュア作りのおかげで鍛えられたのかな?
その後もガチャを回し続けた。
結果はそこそこの引きだった。
~アイテム~
胡椒 十キログラム
白米 二百キログラム
焼きそば 一年分
銅の剣
鉄の剣
ライター
~スキル~
【回避】 攻撃を回避しやすくなる。チンピラに絡まれてもこれで安心!
【料理】 料理が美味しく作れるようになる。これで、女の子の胃袋ゲットだぜ!
【土下座補正】 綺麗に土下座ができるようになる。これで、謝れば大体許してくれるYO!
【柔軟】 柔軟な身体になる。凄く体が曲げられるけど、あんまり人前でやると気持ち悪がられるからやめよう!
アイテムはまあまあ良しとしよう。
いや、良くないけど。焼きそば一年分ってどんだけ食うんだよと思わなくもないが、アイテムボックスにしまってあるから、腐らないし、非常食としてこのまま置いておこう。
それより意味無いのがある。【土下座補正】って何だよ!
土下座する前提のスキルじゃん!
それと、一々例えの文が鬱陶しい!
「よし。切り替えてさっさと街を探そう」
取り敢えず今日の寝る場所を確保するために早めに街を探そう。
てか、地図も無いし誰か人がいればいいんだけど·····。
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「人が居ねぇ!」
周りは真っ暗で何も見えない。
俺は、現在拾った木に火をつけて朝が来るのを待っていた。
人は居ないし、モンスターは怖いし、俺の心は既に折れかけている。
「うう、お腹空いたし、焼きそばでも食べよう」
アイテムボックスから焼きそばを一つ取り出す。
焼きそばには、なんとご丁寧に箸までついている。
焼きそばを食べていると、空にドラゴン(?)が飛んでいるのが見えた。
「俺、本当に異世界に来たんだな·····」
俺が感慨に耽っていると、俺の後ろにある草が揺れた。
モンスターか!?
俺は、アイテムボックスから鉄の剣を取り出し構える。
心臓の鼓動が早くなる。
段々こちらに近づいてきている。
ッ来る!
「うう、まさか迷子になるとは思いませんでした·····」
草むらから出てきたのは、金髪のペッタン女でした。