1章 逃げ水と君の夏 4
投稿遅くなり申し訳ありません。
残業続きで小説に向き合う時間が作れずに今に至ります。
朝のランニングを終え、シャワーを浴びたら朝食を作る。
共働きで忙しい両親に代わり、朝食を作り始めたのもランニングを始めた時期と一緒だ。
中学三年の冬、現実と向き合ったあの日から俺の生活は変わった。
毎日サッカーを中心とした生活で、がむしゃらだったあの頃。
なんであそこまで必死だったのかすら思い出せない、そんな過去。
自分のやりたいことが何かもわからない、それは変わらないはずなのに、
「わからない」という事実に気づいただけで、こんなに日常がかわってしまうなんて。
ふとフライパンに目を落とすと、目玉焼きがいい感じになっていた。
この朝食を食べたら夏期講習に行く。
未来のために、進学のために、自分のために。
・・・・・・何のために?
***
夏期講習初日は午前の説明だけで終わった。
明日から厳しい講習が続くから、夏休み初日くらいは休んでおけとの事。
だったら始めから休みにしろよ、と思うが、
生徒を塾まで来させることに意味があるのだろう。
多分。
塾が複合商業施設の一角にあることから、
集まった生徒は友達同士で映画やら、ショッピングやらに繰り出していった。
この複合商業施設「パークプレイス」は通称パークと呼ばれ、休日になると県民が集う場所で有名だ。
娯楽の少ない田舎県において、何でもそろっているということはそれだけで娯楽だ。
ドンキホーテをデートスポットとし、スタバが新規開店すると1時間待ちで並ぶような県民性なので、
遊び場の象徴であるパークは高校生にも非常に人気だ。
かくいう俺も、家が近いのでよくパークには来ている。
ちょうど、パークと高校を結ぶ直線を引くと、真ん中あたりに家があるような距離感。
足しげく通っているCDショップに寄って、ぷらぷらして、
腹も減ったから、てきとーに食べて帰ろう。
ご指摘、感想お待ちしております。