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鬼の覚醒

 少年――――(とびら) (こう)と名乗る少年は俺の首を握りつぶして、首が無くなった俺の体を眺めていた。

 扉の表情は全くなく無表情を貫いている。


 数秒たつと俺の首は元通りに治り何事もなかったみたいだった。

 俺は少女の方を見るとふらふらになりながらも立ち上がっていた。

 少女の目は死んでいなかった。

 少女は殴りかかった。拳は扉の顔面に直撃した。

 俺はこの目でしっかりと見た。


 殴ったのにもかかわらず体は体制を崩さず立っていた。

 ダメージを受けているようには全く見えなかった。


 少女は殴り続ける。どんなに効かなくてもそれでも殴り続ける。

 俺もただ指をくわえて見ているだけなど出来ずに俺も蹴りを後ろから食らわした。やはり扉には全く効いていないことは予想していたが攻撃をした俺の足の骨が粉々に砕けていた。


「マジかよ」


 扉は無表情でただ攻撃をくらいながら涼しい口調で言う。


「分からないか、お前らの攻撃じゃあ俺に傷をつけることなんてできない」


 少女は手を止めない。

 扉にダメージは全くない。

 それでも少女手を止める様子はない。

 だから俺も殴ったり蹴ったりしているが、攻撃する度に骨が粉々になる。これではどちらが攻撃しているかわかったものではない。


 扉はなにもしないで攻撃を受けているが微動だにしない。攻撃している少女は息を上げ、俺は両腕両足の骨が粉々に砕けて地面で踞っていた。

 扉は呆れながら言った。


「そろそろ諦めたらどうだ」


 少女は睨み付け殺気を出した。


「そうやって諦めていたらなにもかわらない」


「別に何かを変える必要なんてないだろ」


「ある」


 少女は迷うことなくはっきりと答えた。

 扉はこれ以上のやり取りは無駄と判断し、言葉ではなく行動に移ることにした。

 行動というのは、攻撃の姿勢になり拳をしっかり少女の方に向け殺気を放っていた。

 俺は眼中にもないようだった。

 それはそうだ、俺から攻撃をして相手はなにもしていないのに勝手にダメージを負うような奴を”敵”とは認識していないのだろう。

 もしかしたら”虫けら” 以下に思われているかもしれない。


 扉の拳が少女の溝に直撃した。

 少女は攻撃をくらうと口から血のかたまりを地面に大量に出し、地面に倒れこんだ。呼吸はままならないような感じだった。


 扉は足で少女の頭を踏みつけた。

 俺はそれを見た瞬間強い怒りを覚えた。

 扉を睨み付けそのまま扉に一発くらわしてやろうと右手を握りしめて右の頬を殴ったが、殴った感触はダイヤモンドだった。

 バキバキと音をたてて右手が砕ける音だった。

 思わずに口から悲鳴が出てしまった。


「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 扉は意味がわからないような感じで俺を見て言った。


「なぁ、死者が俺にかてるわけねぇだろ?」


 確かにそうだ、俺は扉には勝てない。たとえ地球が消滅使用ともどんな奇跡が起ころうとも無理に違いない。だけど、それでも少女一人を戦わせて痛めつけられる所を見ることはできない。

 扉は続けて言った。


「バカか?」


 反論する余地もない。

 俺は俺自身が認めるくらいバカだと思う。


「だからどうした!」


 俺は右手が治るのを確認するともう一度攻撃を仕掛ける。それでも扉には全然効いていない。

 今、扉が少女を踏みつけている足をどうにかどけようとした。

 俺は扉の足にしがみつき足をどかそうとするがピクリとも動かなかった。

 少女も足をどかそうと必死に抵抗するが少女の力でさえ扉の足は動かなかった。

 抵抗する少女を扉は睨み付け腹部に蹴りをくらわせた。


「うぜぇよ」


 少女は「うげっ……」と血のかたまりを吐き出し気を失ってしまった。

 扉は俺の腕をつかむと地面に叩きつけそのまま顔面を蹴り壁に衝突してしまった。

 俺も少女も身動きがとれなくなった。

 絶望、それだけが今の俺の中にある。


 少女は俺とは違い生きている。

 だから、扉につけられた傷は回復せずそのまま残っている。

 出血の量が半端なかった。


 扉は少女をまた踏みつけて言った。


「なぁ、お前意気がっていたわりには手応え無さすぎだろ?」


 意識のない少女に皮肉を言い、右足を振り上げた。

 俺は近くにあった石を拾うとそれを扉に投げた。

 扉の右胸にあった。

 すると、振り上げていた右足を下ろすと少女の首をつかみそのまま俺に向かって少女を投げつけてきた。

 俺に直撃した。

 扉は無表情だったが口調には怒りがこもっているように思えた。


「だからうぜぇんだよ」

 

 俺の体は回復しているにしろダメージが凄く立ち上がることができない。少女も意識を失っていたが、目を開けた。

 少女は傷だらけの体でありながらそれでも立ち上がろうとする。

 扉はそれを見るなりすぐに構えた。


「正直すげーな、タフすぎる。まぁでもこれまでだ」


 少女は口から血をこぼしながらなんとか立つことが出来た。

 少女は戦おうとしていた。

 俺はそれを止めるために少女の腕をつかむが強引に振りほどき扉の前に立ちふさがった。


 扉から攻撃を仕掛けた。

 少女の腹部に蹴りをすると見せかけて顔面に打撃をした。

 だが、少女に打撃が届くことが出来なかった。

 ぎりぎりの所で右手で受け止めていた。

 扉は絶句していた。


「なんなんだよ!?」


 俺も驚いていた。

 さっきまで少女は扉の攻撃に対応することが出来ていなかったのに、それに体の方も傷だらけで立つこともままならないはずのにそれなのに扉の攻撃を止めるなんて凄いとしか言いようがない。


 少女は無言でただまっすぐ扉を睨んでいた。

 まるで別人のようだった、今の少女はとても怖かった。

 俺はただ呆然と少女と扉を見ていた。







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