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たまちゃん日記

今回の話は、マヌルネコのたまちゃんと、【僕】が交互に語っているので、書き方が変わっております。若干見づらい部分もあるかとは思いますが、ご理解頂ければ幸いです。

『すなねぇ』が【にっき】とかつけると、なれてくよっていうから、これからかいていくよ!

にほんご、むずかしいね!


   ★★★


 たまちゃんは本当に学生として入って来た。留学生枠で僕とスナコさんの一つ下の学年だ。正直なところ僕は不安で胃が痛い。一応サークルメンバーの一年生が忍者の様に影から見守ってはいるらしいけど、大丈夫なのかなぁ。


   **********


 だいがくの、べんきょーおもしろい! 『すなねぇ』から「たべちゃだめだ」っていわれてたから、うしも、にわとーりも、たべるの、がまんしたよ!


   ★★★


 いきなり実技で動物の世話だったらしいたまちゃん。後輩から【動物を食べるのは我慢しておりました】ってメールでお知らせが……。

 そして二限目には僕らと同じ一般教養の講義だ。文字通りのそれを学んで欲しいなーと思いつつ、スナコさんと並んでキラキラした眼で座っているたまちゃんを見る。――不安なのは僕だけみたいだ。


   ★★★


 じっとしてるとめんどくさいから『すなねぇ』のしっぽを、かまってたら「かりには、まつときもひつようだ」っていわれた! さすが、『すなねぇ』! これも【かり】だったんだね!


   ★★★


 何故か講義室の机の下にもぐって、眼だけをそこから出して大人しくしているたまちゃん。周りの生徒もそれを見て声も出さずに笑ってる。その姿にようやく僕はホッとする。――あ、でもこの後に食堂に連れていっていいのか心配だ。暴れないといいのだけれど。




   **********




 おなかがすいた! ちゃんとたべるばしょがあったよ! 『すなねぇ』が「すきなものをえらぶんだ。ただし、しょくどうのおばちゃんはつよい」というから、ワクワクしてたら、ほんとーに『おばちゃん』つよかった! 『たまちゃん』はじめてのはいぼく! でもおなかいっぱいたべた!


   ★★★


 何故か食堂のおばちゃんに、マヌルネコ最強の技(例の最強のメンチ切り威嚇顔)をしていたたまちゃん。速攻でおたまで軽く叩かれてあっという間に黙らされていた。――スナコさんでも勝てないからね、食堂の面々……。

 その後はちゃんと日替り定食に単品チキン、豚肉定食と、お肉ばかりを二人分は余裕で食べていた。マヌルネコは胃袋も強いらしい。




   **********




 こうぎはおわったから、さーくるのひとたちとあそんだよ! ほんきだしていいって『すなねぇ』にいわれたんだけど、『すなねぇ』が【めいれー】したら、むちゃくちゃつよかったよ、みんなも、すなねぇもすごい!


   ★★★


 サークルメンバーが構えるエアガンの包囲網も、たまちゃんには効かなかった。途中からスナコさんが的確に指示を出し続け、手早く追い詰めていた。――スナギツネ式はは手荒く強い。

 その後は、みんなでおやつを食べたりしてのんびりしていた。あっという間にサークルのアイドルである。この間のあの幽霊が実はたまちゃんだと伝えても誰一人信じてくれず、部長までたまちゃんにはダダ甘だった。――猫の可愛らしさはずるい。




   **********




「流石に一日大学生やって疲れたみたいだね」


 ああと返事をしつつ、スナコさんが僕の背中に背負われているたまちゃんを優しい顔で見つめる。初めての一日で疲れて寝てしまったたまちゃんを、帰り道に僕が運んでいるんだ。

 僕には中々懐いてはくれないけれど、なんだか妙に一目置かれている気がする。講義のノートとは別に、何かをずっと書き付けていたけど、なんだろう。

 とりあえず僕の家にレーションとは別に、猫缶と、後はキャットウォークが用意される事になりそうだ。




   **********




 『ニンゲン』のいえにかえってから、おふろを、『すなねぇ』とはいったよ! おふろのあとは、『ニンゲン』にぶらっしんぐしてもらった! てくにしゃんってやつだね!

 『すなねぇ』も「あれは【ごっとはんど】」といってた! 『ニンゲン』すごいぞ!


   ★★★


 相変わらずブラッシング担当の僕。マヌルネコモードのたまちゃんの身体を拭いてからブラッシングしていったら、オウオウ言っていた。その後はハンガーラックに乗って身体をあずけるとすぐに寝息を立て始めた。高い所が落ち着くんだね。

 

――お疲れ様、たまちゃん。


 僕はスナコさんと目を合わせてお互いをねぎらったのだった。



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