Ⅰ-002:主な登場人物達
説明とかじゃないよ?
白い空間に二人、椅子に腰掛けて喋っていた。
どちらも美女と呼ぶに相応しく、腰まで届く黒髪の可愛いという表現があう女性と、踵まで届く茶髪の美しいという表現があう女性だ。
そこに青年が現れ、それに気づいた二人は「お帰り」と言い、黒髪の美女が青年の方へと駆けていき抱きついた。
「ただいま、亜美」
「神威、大丈夫だった?怪我とかしてないよね?」
「嗚呼。2日間は襲われてたけど」
「えっ!?」
神威と呼ばれた青年は先ほどまでいた世界であった事を、何事もなかったとでもいうようにさらっと言い、亜美と呼ばれた黒髪の美女はその事に驚いていた。
「まあ神威君だからね~、ただの軍隊じゃ運動にもならないんじゃないかしら?」
「女神様、そういう問題じゃないですよ!?」
女神と呼ばれた茶髪の美女は何かを飲みながら亜美の言葉を聞き流す。
神威も運動にならなかったと答えようとしたが止め、その代わりに飲んでいるものについて聞いた。
「これ?亜美ちゃんにいれてもらった紅茶よ」
「ふーん…なら俺も貰おうかな」
「ちょっと待っててね」
女神が立ち上がって扉から隣の空間へと行き、亜美が「私がやります」と慌てて追いかけた。
残された神威は椅子の方へと歩き腰掛けた。
因みにこの三人だが神威が転生者、亜美が人間、女神がそのままだが神だ。
但し亜美は転生していないだけで、死んでここに来た時に女神の補佐としてしばらく居たため、天使としても扱われている事がある。
神という存在は本来転生者や天使よりも高位なのだが、どう見てもそういう風には見えない。
「お待たせ」
「亜美ちゃんに任せた方が早いわね、何にもする事なかったわ」
「普段から何もしてないニートな女神じゃなぁ…」
「言い方が酷くないかしら!?」
神威は戻ってきた二人の内、女神だけをからかい紅茶を飲む。
そしてしばらく三人で雑談するのであった。
「次はどうするの?」
「最近ハズレな世界にしか出ないからしばらく休むかな?」
「そうしなさい、亜美ちゃん泣いてたわよ」
「な、泣いてませんよ?」
亜美をからかう女神と、泣いてないという言葉が嘘だとわかり、いつもよりも一緒にいる時間を多くしよう思う神威だった。