Ⅰ-001:プロローグ
何作目だろうか、時空の旅人です。うん、1つぐらいは完結させたいと思い作りました。
チート以上の理不尽、文字以外による表現(////等)が嫌いな方にはお勧めしません
空が火により赤く染まり、黒煙が立ち込めるその場所に彼は居た。
ここは数ある世界でも戦争や紛争がまったく終わらない世界。
青年は「来る世界を間違えた」と呟き、自身の前に居るこの国の兵士達に苦笑しながら顔を向けた。
その顔つきは中性的で髪が長くないため男と判断できるが、逆にそれが優男のイメージをわかせる。
「そろそろ帰らないといけないから邪魔をしないでくれないか?」
しゃべり方は普通だがその声と共に抑えていた殺気を放つ。
兵士達の苦しそうな顔を見る限り生半可なものではないだろう。
なんとか耐えていた数人の兵士達が銃を構え撃つが、何もなかったように青年は立っている。
驚く兵士達に彼は何かを投げた。
「いらないから返すぞ」
それは先ほど撃った銃弾だった。
全く動いた気配もないのにどうしてとも考えたが、その思考を遮るようにもう一言いった。
「空を見上げてみろ」
その声にすぐ反応した者達が絶望的だと言うような表情になる。
慌てて残りの者も見上げるとそこには巨大な隕石が…
「まだ落ちるまで5分はかかる。死にたくなければ邪魔をするな」
この青年を国の戦力として連行しようとした兵士達を迷った。
たがその考えを読んだかの如く、青年の方から閃光のようなものが放たれ、十数人ほど吹き飛ばした。
「俺の帰りを待ってる人がいるんだ、邪魔をするなら消す」
その右手に雷を纏い、諦めるように促す。
どうやら先ほどの閃光のようなものは死なない程度に加減した雷のようだ。
兵士達は人でありながら、あまりにも自分達とはかけ離れた力を持つ青年を見ながら、ついに諦めて銃を下ろした。
それと同時に隕石が突如消滅し、青年の足下が光るとその姿は徐々に消え、何も残らなかった。