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暑さも寒さも彼岸まで  作者: ミスタ〜forest
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一年の計は挨拶にあり

『暑さも寒さも彼岸まで』のキャラ達が、新年の挨拶をしたいそうです。



 明の場合

「明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

あの、もし良ければ、うちで雑煮や御節を召し上がっていきませんか?

少し作り過ぎたので、余ってしまって……。お口に合えば良いんですけど。

……ええ、私が作ったんですよ。正確には、夕と光様の三人ですが。

誰かと一緒に料理を作るのは、本当に楽しいんですよ。

何かと賑やかで、飽きが来ません。……望月さんの場合は、多少意味合いが変わってしまいますけど。

それに、料理には、作った人の思いが何よりも反映されるんです。

ですから、私達三人分の幸せが、この料理には込められています。

三人分の幸せの味、貴方にもおすそ分けです。どうぞ召し上がって下さい」



 夕の場合

「明けましておめでとう。今年も良い年になると良いね。

……え? 何で私がこんな時間に起きていられるかって?

もちろん、この時の為に、去年の昼から寝ていたからだよ。

カウントダウンも出来たし、大満足!

前回なんて、年越し蕎麦を食べながら寝たから……忘れた方が良いよね、うん。

ところで、日本は年明けから何日も休みになるよね。

でも、アメリカは、日本ほど新年を祝わないし、二日からもう仕事なんだよ。

その分、クリスマスの豪華さは、日本の比じゃないけど。

アメリカはキリスト教徒が多くて、日本は新年に墓参りに行くから……かな?

……アメリカと日本? う〜ん……どっちかな……。

じゃあ、アメリカの友達や教授には悪いけど、日本で。

だって、姉さんは日本にしか居ないもん」



 アリスの場合

「あけおめことよろ! ……形じゃなくて気持ちだよ。

ねーねー、それより、一緒に初詣行こうよ。

お兄ちゃんがアカリンやゆーちゃんと先に行っちゃって……。

早く追いかけないと、お兄ちゃんの操が危ないんだよ!

でも、一人じゃ人ごみに揉まれて、メチャクチャになっちゃうんだよね。

ボクをメチャクチャにして良いのは、お兄ちゃんだけだもん。

だから、キミが一緒にお兄ちゃんを探してくれると助かるんだけど……。

ボクの手くらいなら握って良いし、奢らせてあげるから、ね? ……むぅ、奢る相手も居ないくせに。

……あ、傷付いた? ゴメンね。傷付きやすい年頃だもんね。カラスの十代だもんね。

……『ガラスの十代』? ま、まあ、そう言う地域もあるよね、きっと。

でも、せめて綿菓子だけで良いから買って欲しいなぁ。 夜店に飾ってる、袋詰めの大きいの。あれ買って!

……え? さっき年越し蕎麦食べただろ? ……夜店は別腹なの!」



 真琴の場合

「明けましておめでとうございますっス! 今年もよろしくっス!

……でも、新年って、悲しくもあるっスよね。

だって、子供がまた一つ歳を取るんスよ!? 老化するんスよ!?

これで悲しめないのは、親の死に目にも泣けない冷血人間っス!

この世の人間が全て、二次性徴の直前で成長止まれば良いのに……。

時の流れは残酷過ぎるっス! いっそ止まって欲しいっス!

……え? 新しい子供が産まれなくなる? ……その発想は無かったっス。

そうっスよね。子供が成長する事を嘆くより、新しい命の芽吹きを喜ぶ方が良いっス。

さあ、そうと決まれば、今すぐ望月さんに着付けのサービスを提供しに行くっス。

望月さんは着物を着られて、私はお触りフルコース! 利害の一致っス!

急ぐっス! 一分一秒でも成長してしまう前に! 時間は待ってくれないっスよ!」



 秋原の場合

「さて、新年を共に祝おうではないか。

冬の聖戦で得た戦利品もある。好きなものを取るが良い。

除夜の鐘を聞きながら、同人誌を読む……ふっ、これぞ日本の年越しよ。

時に貴様、新春開始のアニメはチェックしたか? ……まだか。

なれば、今すぐするべきだ。『一年の計は元旦にあり』と言うしな。

そこに情報誌がある。しかと目に焼き付けておけ。

俺ともなれば、大掃除と並ぶ年末の行事にしておるがな。

それが済み次第、我々も初詣に向かうとしよう。

天丹神社に奉られておるコミケの神様に、同人誌の奉納と祈願をせねばならん。

明さんや夕嬢、アリス嬢に真琴嬢その他も来ておるらしいしな。

その後は福袋を買いに行く。開店五時間前には並ぶぞ。

兄者達はスイカブックス、棗達は姉メイト、我々は獅子の穴に向かう。

現美研総出の一大行事故、遅れる訳にはいかん。

聖戦の後で疲れているであろうが、もう一花咲かせようぞ!」



 棗の場合

「賀正。……以上ですが、何か?

別に、機嫌を損ねてはいません。少々蟲の居所が悪い丈ですから。

……でしたら貴方は、無理やり浴衣を着せられた挙句、高島田の鬘を被せられても気に留めないんですね。

全く、私の両親は何を考えているのでしょうか……。

……はぁ!? に、にに、似合ってる!? かかか、可愛い!?

あ、あ、貴方! じじじ自分が何を云っているのか理解しているのですか!?

其の言葉が、私にとって何程屈辱的だと思っているのですか!?

……た、慥かに、化粧は私がしましたよ。

だ、だって、服も髪も此れなのに、素っぴんなんて抵抗有るじゃない?

どうせなら、成り切った方が逆に目立たないかな、って……。

……そ、そんな趣味無いってば! 割り切ってる丈で、正真正銘の漢なの!

まあ、その……趣味以外では時々……だ、だから違うってば!

例えば、レディースデーを利用する時とか。メンズデーでも始まれば止める積りだけど。

後は……その……女の子でないと入り難い場所……とか。

……えっ、だ、だから……ペットショップとか、ドッグラン……とか……。

って、貴方! 先程から私に何て事を喋らせているんですか!?

撃ち殺すから其処に直りなさい! ま、待ちなさい! 待たないと撃ちますよ!」



 堀の場合

「明けましておめ……え? まだ新年じゃないんですか!?

……あと五秒!? ちょ、あの、の、僕はどうすれば」



 今年も、暑さも寒さも彼岸までを、よろしくお願いします。

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