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幸せな結末

掲載日:2026/05/28

幸せとは?

「おばあちゃんって、政略結婚でしょ?」


麗らかな昼下がり。

テーブルにはケーキ。メイドが控える。


「ねえ、幸せだった?」


少しだけ考えて、答える。


「ええ。幸せだったわ」


戦地にいる夫を思い浮かべる。

戦況はよくないらしい。


「いいなあ。私も素敵な人と結婚したいな」


「あら、そうね」


孫が花を手に取る。


「これ、庭師さんが育てたんでしょ?」


「ええ」


扇で口元を隠して笑う。


――昔からの人よ。




手紙が届いた。


『この戦は負ける』


やはり、と思う。


『君は彼と逃げるといい』


少し笑った。




一週間後、庭師が来た。


「旦那様からだ」


差し出されたのは、花束。


「君のために改良した」


甘い香り。


「逃げないだろうから、だってさ」


視界が揺れる。


「……だから、せめて」


言葉は、最後まで聞こえなかった。


◆


首都は陥落した。


高位の貴族たちは拘束されていく。


ある邸宅の一室で、

花に囲まれた男女が見つかったという。


眠るように。

読んでくれてありがとうございます。

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