第四話 「鈍感」な君へ
(なぜか?)後輩と一緒に下校をしている現在。三毛野は空を見上げながら妄想モードに入っていた。
「デート、、、いいなぁ、、。映画とかさ、ポップコーンをこう、、、ぽいって口に入れてあげたり、、、」
「黒川、たぶんポップコーン無言で全部食べますよ」
「それはそれで可愛い!!俺の分まで奪って食べるとか罪深い!!」
「いや、ただの大食いです」
「ホラー映画で怖くて手繋いだり、、、」
「三毛野さんの方がビビってそうですよね」
「恋愛映画で照れたり、、、」
「表情筋動くといいですね」
__それも三毛野さんのほうが表情筋動きっぱなしな気がする、、、
「それ以前に黒川の好きな映画知ってるんですか?」
「、、、、、」
そんな純粋な質問をすると黙り込んだ。
まさか、、、、
「、、、、、、知らないんですか」
「、、し、知らない」
__なにやってんだこの人は
「馬鹿ですか」
「あ、明日聞くから、、も、問題ないよ!」
毎日押しかけているんだから、好きなことぐらい聞いたりすればいいのに。
普段何を話してんだよ、、、
___
次の日。
黒川は窓際で本を読んでいる。そこへ、颯爽と三毛野が登場した。
「やぁやぁ黒川ちゃん!今日も一段と美しいねぇ~。俺という太陽に照らされてるからかな?」
「、、、、(ページをめくる音だけ)」
「、、、はいはい、また始まった。先輩、黒川は読書中ですから」
「おおっと、俺と会話するより本を優先するとは!なんて罪な女、、、!!」
「違います、ただのスルーです」
そんな会話を繰り広げていたら、、、
「、、、(ムッ)」
としていた。
「黒川ちゃん!どうしたの!何かあった!」
「三毛野さんがうるさいからじゃないんですか」
__失礼な!!
おしゃべりはしていたが、(一方通行の)困らせるようなことはやってないと思うけど、、、
黒川は目を細めて本を読んでいた。どう見ても、本に集中できそうにみえなかった。
「もしかして眩しい?」
「、、、、コクッ」
軽く頷いた。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
「落ち着いてください」
「返事をした!」
__え!え!今までスルー状態だったのについに返事をくれた!!
「、、、、コクッ」
「黒川ちゃん!眩しいなら俺のそばにおいで!!日陰になるよ!!」
背が高い俺のそばに行けば見事、影になる。逆に俺はゼロ距離で近づくことができる!
俺は満面の笑顔で両手を広げ、おいで!と全力アピールをした。
「……(立ち上がり、すっと後輩の背中に回る)」
「お、おい黒川……!?」
「なにぃ!?黒川ちゃん、まさか後輩の背中に隠れるとは……!これは守ってもらいたい乙女心の表れ!」
「いやいや、ただ俺を壁にしてるだけです。完全に“人間バリケード”扱いですよ」
「……(無言で小さく頷く)」
「ぐはぁっ!!その頷きは俺への否定か!? 太陽王子・三毛野尊、まさかここで曇るとは……!」
三毛野は胸を押さえ、派手に机へ突っ伏す。
「……(冷めた目)いつも思うんですけど、なんでそんなに芝居がかった倒れ方できるんですか」
「これは愛ゆえの演技だよ! 愛が人をドラマチックにさせるんだ……!」
「、、、、いつも異常にやばいですね」
「、、、今回はいつもよりイケメンを増したからね」
「は?」
「さっきの三毛野さんのセリフ、今流行っているドラマのキュン死セリフだから!」
「、、、そんなダサい、、、、そんなセリフがいいんですか?」
「女の子たちは騒いでたよ」
「そうなんですか、、、」
「てか今!ダサい!って言ったよね!!」
「、、、、、、、、、、、、気の所為ですよ」
「間が長いよ!」
「……(無言で帰り支度)」
「え!?帰るの!!」
俺も荷物を手にする。
「黒川ちゃん俺と一緒に帰ろう!」
すると、黒川は後輩のもとに行き、、、
「あ、またな……って黒川、なんで俺の腕を引っ張る」
「おのれぇぇぇ!俺を置いて二人で帰るだとぉぉ!?これはまさに恋の三角関数!!」
「三角関数の使い方間違ってます」
「……(無言でこくり)」
「……あぁもう、完全に俺を盾にする気だな……」
結局、三人で帰ることとなった。今日、部活がなかったことが幸いだ。
___
三人で下校中。
黒川・後輩・三毛野 の並びで歩いている。なぜ、なぁぜ!三毛野さんが端にいて、後輩が真ん中にいるのかは意味がわからない!
「、、、、なんですか」
「、、、別にぃ」
三毛野がじっっと、恨めしそうに見るより、
__何してんだよぉ
と眉を八の字どころかくの字にして睨みつけている。
黒川は無言。三毛野はじっっと睨み。その間に挟まれる後輩だった。
『三毛野さん今のうちに聞いて下さい』
『なんで隣!』
『それ以外にあるでしょうが!!』
『はぁぁぁ、、、』
『映画ですよ』
『確かにぃ』
__絶対にこの人、嫉妬のあまり聞くこと忘れていたな、、、
ちなみにここの会話は目で語り合っていた。
『チェンジ!(ニッコリ)』
イケメンの笑顔の圧とは恐ろしい。
足を遅めたり、早めに歩いてみたが、、、黒川は影のようぴったりと離れなかった。おっと、隣から殺気を感じる。
黒川の方を見るが。移動することはなさそうだ。
『ムリ!』
『なんでよぉぉぉ』
『場所は諦めてください』
『絶対諦めないからね!』
黒川が気づいない間、目で語りまくっていた。うるさいほどに、、、
「黒川ちゃんはさ、、好きな映画、とかある?」
「、、、映画」
「ほら、アクション系とか、恋愛系とか、、、」
「今度一緒に恋愛映画とか、ホラー映画見に行かない?」」
『その選択肢で行くんですね』
『デートといえば定番でしょ!』
クラスの女の子たちが盛り上がっていた恋愛映画だってあるし!
休み時間で逆ナンされていた男。
「行かない」
「興味は?」
「興味がないから見ようとは思わない」
「あ、、、、、」
『何やってんだか』
きっぱりと断られた瞬間、三毛野の精神は灰となった。風が吹けば、たちまち飛ばされてしまいそうだった。
「」
「」
が何か話しているようだが全く頭に残らない。耳から入ってきた言葉がそのままもう片方へと流れていくようだった。
「」
「」
「、、、、いいですね!」
、、、他に何に興味があるんだろう。定番しかしらないし、、、
「三毛野さんいいですよね!」
「え、、」
「今週の日曜日、部活終わりに映画行きましょう」
三「あ、、あぁ、うん」
「決まりですね」
「男二人で、、、?」
「はぁ?」
その瞬間、何いってんだコイツみたいな顔をしている。さっきまでの笑顔どこに投げ飛ばしてきたのよ!
「、、、私バスだから、、じゃ」
「またな!」
「うん、、、、」
「俺、電車なんで」
「あ、うん」
「それではお疲れ様です」
「うん、、、またね」
日曜日_
部活終わりに_
映画に行く_
、、、、、、、、、、、、、、、、、、え!?
男二人ではない_
男同士じゃない_
つ、つまりおデート!!
「え、、、、、、、、、、、、、、!?」
そう判断できたのは、すべて終わった布団の中だった。それも、次の日の翌朝。
おっっっっっっっっっっっっせえよ!




