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不揃い
――恋なんて、もっと単純だと思っていた。
好きになって、伝えて、両想いになって、それで終わり。
でも本当は、そんなに簡単じゃない。
素直なあの人に近づきたくて、
鈍感なあの人に想いが届かなくて、
先輩と後輩の距離にため息をついて、
必ず隣にいるのが当たり前になりたくて、
幼なじみへの気持ちに気づくのが遅すぎて、
自分じゃない誰かを想うあの人の傍にいたくて、
年の差も、性格も、身長も、性別だって、全部「違い」に見えてしまう。
誰かの「好き」は、誰かの「痛み」になって、
すれ違って、片想いのまま終わることだってある。
それでも――人は、今日も恋をしてしまう。
願いながら、迷いながら、それぞれのかたちで。
不揃いな想いが重なり合って、やがて物語になる。
『 』な君へ
これは、そんな青春の一幕だ。




