地球侵略旅行者 竹取キャロル【ウサウ星人】
『地球侵略旅行者 竹取キャロル』
若い男性を月へと連れていき、兎耳宇宙人は彼の体を乗っ取って地球を目指して旅をする。
「はじめての侵略」
竹取キャロルが地球侵略へ旅をする。
『ヒッチハイクラビットbit』Song
https://suno.com/song/c1f4a938-7b09-4428-bae9-27d6b4b03e64
「東京まで連れていってもらえるかな?」
灰色の見るからに怪しそうな彼、
しかし、このままおいてけぼりにするのもなと思った私は、彼を乗せて東京まで連れていく。
まさか、このときは考えもしなかった。
彼が月から来た地球侵略者だったなんて!
「ねぇ、お姉さん」
「え?なに?」
「うちの地元じゃ有名なお菓子」
これはスティック型のお菓子か?
「じゃがソード?」
「違うよこれはニンジンミサイルっていって、食べれば胃が爆発するほど、スリリングな体験ができる面白いお菓子!」
「へぇー」
私はそれをマジマジと見つめる。
すると、そのお菓子は
瞳をギョロリとさせて私を見た。
「ひっ!」
驚く私に、彼は笑う。
「ウサウサウサ」
独特な笑い声、彼って、本当に大丈夫な人かな、だけど、あそこで置いてけぼりにするよりは…それになんだか、うさみみが堪らなく好き!
そう、私はケモ耳イケメンが大好きなのだ。ケモ耳オタクなのだ!だから、この耳が揺れるたびに私の心は高揚する。
「どうしたの?お姉さん」
「いや、なんでも」
車を走らせ、旅をする。
今日の宿屋はどこにしようか…
「お金はあるの?」
「ないよ」
「やっぱり…」
仕方ない、私が何とかしよう。
こうして、不思議な兎耳の彼の分の部屋も取り、一泊する。
「しかし、大丈夫だろうか」
テレビをつける。
ちょうど宇宙人の特集が始まっていた。
「宇宙人はいるのです!」
「いや、いない!」
いつもの、問答が始まる。
もはや、恒例行事の討論会
「これを見てください!」
指し示すのは
兎耳の宇宙人と男性の写真、
「彼は旅行会社に扮した宇宙人に騙され宇宙に連れ去られてしまったと仮定します」
「証拠はあるのかね?どうせ人間の仕業」
「ほら、これです!」
出された証拠写真に私は驚く…
彼だ…彼とそっくりな人物が…
つまり、あの人物は
「宇宙人…」
「ばれちゃったか」
「ひっ!」
スマホを落とす私、何とかして連絡しようとするが、画面が切り替わる。
「さぁ、竹取キャロルくんは始めて、人間の女性に遭遇、そして、宇宙人と気づかれてしまった」
「はぁ、しちゃったからには…ね?」
彼は笑う、その不気味な表情に人間ではない瞳に、私は自分の未来を諦めた。
「さぁて、よろしく」
「誰?」
「僕は君のお兄ちゃんだよ」
「おにいたん、よろしく!」
手を繋ぐ、そして、旅をする兎耳の宇宙人たち…