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第5話 協力関係

 玲二がエリザと力を試し合った後、彼女は深い息を吐いて剣を収めた。その顔には驚きと興味が交じっている。


「君の力……本物だな」


 玲二は無言で頷いた。自分の中にみなぎる力が、彼自身にもまだ理解しきれないほど強大であることは明らかだった。この力が異世界でどのように役立つのか、まだ未知数だったが、少なくともエリザにとっては十分に証明されたようだった。


 彼女はふと表情を和らげ、玲二に向かって礼を言った。


「さっきは突然剣を向けてすまなかった。君の実力を確かめたかったんだ」


「別に構わない。それに、俺もこの力を試したかったところだ」


 玲二は気にする素振りを見せず、軽く肩をすくめた。それを見たエリザは微笑みを浮かべ、玲二に対してさらに興味を抱いた様子だった。


「それにしても、異世界から来たというのは本当なのか? 君のような者が突然現れるなんて、この世界でも稀なことだ」


 玲二は頷き、自分が異世界から来たこと、そして神から最強の力を与えられたことを簡潔に説明した。エリザはその話を聞いて、ますます驚いた様子を見せたが、彼女の目にはそれ以上に深い理解があった。


「異世界の来訪者か……なるほど。それなら君が持つその力も納得がいく。この世界では見たことのない圧倒的な強さだ」


 エリザはしばらく玲二をじっと見つめ、ふと表情を引き締めた。


「玲二、君の力……少しだけ頼らせてくれないか?」


 玲二は彼女の突然の申し出に驚き、眉をひそめた。


「頼る? どういう意味だ?」


 エリザは真剣な顔つきで答えた。


「私はこの国の騎士団の一員だ。今、近くの村に強力な魔物が現れ、村人たちが怯えている。私一人では手に負えないかもしれないと思っていたところに、君が現れたんだ。君の力があれば、その魔物を討つことができるかもしれない」


 玲二は少し考え込んだ。魔物の討伐――それはこの世界での自分の力を試す絶好の機会でもある。彼はまだこの世界について何も知らないが、エリザと協力すれば、もっと多くのことを学ぶことができるかもしれない。


「……分かった。手を貸そう。俺もこの世界で何ができるか、試してみたい」


 玲二の答えに、エリザは微笑んだ。その笑みはどこか安堵と喜びに満ちていた。


「ありがとう、玲二。君が協力してくれるなら、必ず勝てるはずだ」


 彼女はそう言うと、玲二に向かって手を差し伸べた。その手は戦士としての強さを持ちながらも、どこか柔らかさを感じさせるものだった。玲二は一瞬迷ったが、彼女の手をしっかりと握り返した。


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