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第97話 ちょとつもおしん

【紅葉視点】


あたしは昔からすっごくバカだった

小学生の頃から


「7×4っていう問い、じゃー誰に答えてもらおうかなぁ早乙女さんいける?」


「はい!74です!!!」


「そんなに大きくはないかなぁ〜」


いつも先生を困らせていた気がする


「早乙女ってバカすぎるよなー」

「分かる、このまえサッカーしててずっとオウンゴールしてたんだぜ?」

「説明するコッチが困るよな〜」


「ねーねー!だんしたち!あたしもまーぜーて!」


「えぇ嫌だよ、女子と遊べよ。あっちいけ」


「たしかに!じょしたちはなにしてるのー?」


「おままごとだけど…紅葉ちゃん役割とか分からないでしょ?」


「なぁにそれ?」

「あー……もういいよ、皆あっちいこ」


いつもあたしは仲間外れにされていた

それでも好かれようと必死に頑張って

スポーツのルールを体で覚えた


遊んで貰えるようにはなったけど

それでもずっと距離がある感覚がした


高校に入ってからも皆に話しかけて

話題のネイルとか、今流行りの踊りとか

頑張って話について行こうとしたけど

「いや、そういう話じゃないんだけど…早乙女さんにはまだ早かったかもね、ごめんね」

と言われて、やっぱり距離があった

……そんな時に、会えたんだ


無口な女の子に


「また明日ね」


って、初めて。明日も話しかけていいんだって嬉しかった

無愛想な不良の子に


「やっぱりお前と会話すると落ち着くな」


って言われた

だから2人のことは本当に大好き!

こんなあたしを、友だちだって言ってくれた


でも、最近はその好きは恋人としての好きに変わってる

愛華ちゃんは恋人じゃなくても親友だって言ってくれた

一色ちゃんは……どう思ってくれてるのかな




「ねぇ」



いきなり話しかけられてビクッ!と驚いちゃう

振り返るとBBQの串2本を咥えたままの愛華ちゃんだった


「食べないの?」


「え?あーごめん!ちょっと考え事してて!」


慌てて愛華ちゃんが焼いてくれたお肉をむさぼる

おいしー!とろける〜!

ピーマンとかは……え!?美味すぎ〜!

好きになっちゃうかもぉ〜!


「……よかった、思ったより元気だね」


「へ?」


「普段は猪突猛進な紅葉さんが考え事なんて珍しいから」


ちょとつもおしん?……なんか褒められてはない気がするけど

深く考えたことが無いのは本当だもんなぁ

……せっかくだし、ちょっと聞いてみようかな


「ね、愛華ちゃんは、あたしとお喋りするの好き?」


「何その質問。毎日してて嫌いだったらおかしいでしょ」


平然とこんなこと言ってくれるの

やっぱり愛華ちゃん大好き……✧*。

ってちがーーう!

危ない危ない、目的忘れるとこだった!

愛華ちゃん恐るべし…!


「一色ちゃんもね、安心するって言ってくれたんだ。あたしも好きなんだけど…多分あたしは違う好きなんだよね」


愛華ちゃんに言っちゃった…!

ビックリするよね……


「へ〜」


……

…………それだけ??????


「いや、気づいてたし」


「気づいてたの!!?あたしや一色ちゃんがあんなにアプローチしても好きなのに気づかなかった愛華ちゃんが!!?」


「なんかそれ前にも言われた。あれが好きってことなのかって気づいてからは皆わかりやすいなぁって思ってるよ」


そ、そんなにあたし分かりやすかったのかな

てゆーことは一色ちゃんにも気づかれてるかも!?

どーしよーー!


「普通に告白すればいいと思うよ。お似合いだし」


「それで出来たら苦労しないよぉ〜!」


「確かに……まあ頑張って、私も私で策はあるから」


「策?どんなの!?」


「紅葉さんは何もせず普段通りしとけばいいよ。多分そのうち(あっちが)来ると思う」


どういうことか分からないけど

でも愛華ちゃん自信ありげだし…

託してみよう!

「じゃあお願い!」


「任せて」

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