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第95話 あいつには関係ねーよ

久々の再会、榎木さん

中学の時の同級生で、私がバスケを辞めた理由の人

……というのは過去の話

今はトラウマも特に問題ないし

こうやって会えたのは普通に嬉しい

なんだかんだ会ったのは海以来……かな?


「久しぶりだね、ここ来てたんだ」


「そりゃそうよ、僕は高校もこっちなんだから」


それもそうだ、県外に行ったの私の方だもんな


「じゃあここの大学受けるんだ、また一緒になるかもね」


「はあ〜〜〜?一気にここ来たくなくなってきたわ」


凄く酷いこと言ってるけど

前にこの人はちゃんと優しいことを知ってるので

うんうんいつものいつもの、と心の中で納得させる

これがいわゆるツンデレの流し方だと、前に玄野さんに教えてもらった


「玄野さんは一緒じゃないんだね」


「キャップ?あいつは就職よ、モデルになるんだつてさ」


マスク取ったらすごく美人だったし

絶対いけそうだな、と妙に納得してしまった


「あれー!燈空ちゃんだー!久しぶり〜!!!」


「げっ、陽キャバカまでいるの?ますます行きたくなくなってきた……」


「大学入ったらよろしくね!!」


「なんで一緒に入る前提なのよ!!」


「はいそこ〜お喋りやめなさーい」


大学の先生が静止してきたことでようやく私達は黙る

小声で「怒られちゃったね」とてへぺろする紅葉さんと

キッ!と睨む榎木さんという真逆の動きしてるのを見るのはなんだか面白い


「せっかく新入生がいっぱいいるし、軽く実力を見せてもらってうちのチームと試合してもらおうかな」

という話をして

私達は軽くバスケをさせられる

横目でちらっと外を見ると二先生と一色ちゃんが観戦してるのが見えたので

小さく手を振ると、手を振り返してくれる

ふたりが見てるし、ちゃんとやらないとな


軽く皆がウォーミングアップしてる所を

何故か教授から私だけ呼び止められる


「あなた、バスケ部のデータのどこにもないけど。どこ出身?」


「あ、えっと…私高校はバスケ部やってなくて…中学はやったんですけど」


「そんな子ならサークルの方がオススメよ?ここは全国制覇を目指してる部活なの、お遊びはお断りよ」


そんなこと言われ、まあ仕方ないよなぁと思いつつ

すみません、と言おうとすると「ちょっと待ちなさい!」

と榎木さんが止めに入る


「高校のインターハイ見に来てないの?優勝校の貢献者よ?」


「貴方は準優勝校の榎木さん…そんなデータどこにもありませんが、本当ですか?」


「こいつの実力はこの僕が保証してやるわ。なんならその腐った目で確かめてみたら?」


「…あなたの言い方は少し問題あるけど。わかりました。じゃあ貴方たちは試合に出てもらいます」


教授が大学のメンバーを集めてる間

私が榎木さんにありがとうと伝えると

そっぽを向かれたままウォーミングアップに行ってしまった

「なんか面白そうなことになったね!」と紅葉さんも駆け寄ってくれる


「意外だな、榎木さんがこうやって助けてくれるの」


「前に麗奈先輩から聞いたけど、愛華ちゃんの事は凄く反省してるんだって!だからあの子なりの返し方なんじゃないかな?あたしもメンバーに入れてもらうから、愛華ちゃんの実力見せてやろーよ!」


正直榎木さんと紅葉さんが組むという絵面が想像出来なくて笑いそうになったが

この2人が一緒なら、大学生相手にも勝てちゃうかもね


本来の試合なら5対5だが、10分試合の3on3になった

まあ他の生徒も見ないといけないし

完全に舐められてるなぁとは思ったけど

この2人となら大丈夫だろう


「……まさか、こんな形でまたあんたと組めるなんて、思ってなかったわ」


「運命って、本当によく分からないよね」


「足引っ張ったら承知しないわよ」


「うん、絶対負けないから」



【ここから視点は一色になります】


「愛華達試合すんじゃん、動画撮っとこ」


「たはは、あの3人かぁ、とんでもねぇメンツだな」


「大学生相手だし、どうなるんすかね」


「まぁ〜無理だと思うぞ?」


「愛華たちが?」


「うんにゃ?大学生のヤツらが。愛華はそんなレベルじゃねぇからな」


試合開始のホイッスルがなった

すぐ愛華にボールが渡り、2人にディフェンスに囲まれる

「おいおい、あんなのパスも出せねぇし、ドリブルすらまともにできねぇだろ」


「たはは、普通ならなぁ…でもあいつには関係ねーよ」


愛華はとんでもないスピードで

相手の股にボールを滑り込ませ2人とも抜く

もう1人がカバーに入ったタイミングで

ジャンプを後ろ向きに跳んでそのままスリーポイントを決めた


今の一瞬で愛華の実力を察知したのか

相手はさっきよりも圧をかけた動きをする

しかし相手のシュートは異様に高いジャンプをした紅葉に止められる

そしてそのまま下投げで愛華にパスをすると

すぐにディフェンスが来るのを裏目にとって

そのままボールをすぐに榎木にパスをしてそのままゴールを決める


あまりの実力に、凄いよりもドン引きが勝つ

ていうかアイツら…息ぴったりじゃねえか

結局、大差で愛華達が勝ってしまった



【愛華視点に戻ります】


なんか勝っちゃった…


「はあー楽しかった!あたし、初めてにしてはセンター(主にゴール下でディフェンスをするポジション)上手くなかった!?」


「あんた初めてセンターしたの?センターは攻撃も参加して良かったのよ?」


「えー!?そうだったの?じゃあもっと行けば良かった〜!」


とんでもない会話が後ろでされているのを

前にいる敵側の大学生が聞いて項垂れている

そりゃそうだ、あっちは必死にやってボロ負けだったのに

こっち側は私息切れしてない、榎木さん、ほぼパス回したまにシュート、紅葉さん役割分からずにディフェンスのみ

だったのだから

普通にプライドズタズタものだ

なんか申し訳ないことしたな


私は榎木さんに「ありがとう」と手を差し伸べると

「……ふん、お礼を言われるようなことはしてないわ」とちゃんと握り返してくれた



「あ、貴方たち……バカにしたの、本当に申し訳ないわ……是非とも、二年後入学してもらえると嬉しいんですが……」


勿論入る予定なので「そんなに謙遜しないでください、元々入る予定なので」と言っておいた


「あら?なんか楽しそうなことしてるじゃない?」


後ろからまた違う聞き覚えのある声がして振り向く

そこにはうちのお母さんがいた


「か、神楽先生……これは……その……」


「お母さん、来たんだ」

「あら愛華。来てたのね」


「神楽先生のお子様!!!!?!?どうりで……たしかに同じ苗字……」


「うちの娘がなにかしたのかしら?」


「い、いえぇ!!滅相もありません!」


お母さんの謎の威圧に、大学の教授は逃げ出してしまった

そこまでしなくても……


「あ、愛華ちゃんのお母さんって何者……?」


それは私が1番知りたい





【作者から読者様宛へ】


おはこんばんにちは、傑です

久しぶりのバスケ回、この話いる?って声が聞こえなくもないのでお答えしときます

多分ほぼいらな(((


というのは冗談で、燈空と愛華の仲直り回ちゃんとやってなかったなというのと

スポーツ小説というものはこの先も出来ないしやらないと思ってるので

その中でやってみたいことをこうして抜粋してみました

好評なら愛華大学バスケ編どこかでやるかも知れません(流石に好評になることないと思うけど)


あと地味に燈空ちゃんはこの回付近でラストになると思ってます

ボクっ娘でクヒヒ笑いのツンデレとかいう盛りだくさんキャラでしたが

最初のインパクトが強すぎて、好きというキャラがいるのかどうかはすごい不明な子でした

個人的にはモブにするのは勿体ない子でしたね

どこかで再利用出来たらしたいキャラ一位です


大学の子達を大分カモ扱いさせちゃいましたが

本当はめっちゃ強いからね……?この3人が頭おかしいだけだからね……?

多分これに麗奈入れたら誰も止められないんじゃないかな……w


長くなりましたが、この子はラストかなって時はこうやって作者の裏話的なのを加える予定なので

これからもよろしくね!


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