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第93話 一応幼馴染だからね

「「「かんぱーい!!!」」」


クラスの皆で焼肉屋でお疲れ様会をすることになった

皆各々好きな肉を焼いていく

私はあんまり多めに食べないから

焼いた肉を他のみんなに配る役をしている


「優秀賞おめでとう!早乙女さんと九十九さんのおかげだね!」

「え〜そんなことないよ〜!!」


劇の部は私達は優秀賞をもらった

最優秀賞は3年生に取られちゃったけど

この結果に満足している

いつもの調子に戻った紅葉さんが皆にべた褒めされている

その様子を一色ちゃんと2人して黙々と食べながら眺めている

すると先生が酔っ払いながら私達に絡みだした


「おー食べてるか〜?」


「肩組まないでください、暑苦しい」


私はそう言いながらも予め頼んでたお酒をついであげる


「今日は優秀賞の金で食ってんだからよぉ〜いっぱい食え〜食わないと色々成長しねぇぞぉ〜」


セクハラオヤジみたいに私の横腹をつまんできて

ちょっとイラついて先生の横腹をつまみ返す

「じゃあこの脂肪なんですか」


「いでででで!まだそんな太ってねえだろお〜」


なんだか日に日に先生の体つきだらしなくなってるな

せっかく綺麗なスタイルしてるんだし

今度また運動させないと……


そういえばいつの間にか一色ちゃんがいなくなってる

先生を他のクラスメイトに押し付けて外に出ると

夜風にあたってる所を見つけた


「おうお前か、二先生はいいのか?」


「他の人に押し付けた」


「彼女がする行動じゃなくてウケる」


「そっちこそ、まだお肉残ってたのにいいの?」


「あ〜、なんか食う気起きなくてよ」


……私にはわかる

絶対なんか悩んでる

こういうカッコよく黄昏てる時は大概そう

でも聞いても答えてくれるかどうか……


「……なんか紅葉さんのこと考えたりする?」


「お前エスパーかよ」


「一応幼馴染だからね」


「幼馴染自称するなら、ウチが愛華のこと好きだった頃に色々察して欲しかったけどな」


痛いとこついてくるな

事実だから仕方ないか

と、私が黙ってると、ため息を吐きながら話してくれた


「お前に久々に会うまで、ウチは不良でダチもいなかったから、あいつは愛華以来の初めてのダチなんだよ」


「まあ、そうだろうね」


「……あいつといる時の居心地が、悪くないと思ってる」


「じゃあそういえばいいと思うよ。お似合いだし(ここではあえて両思いっぽいことは伏せようかな)」


「協力してくれんのか?」


「もちろん」


「……まあ、そんときは頼むわ」


一色ちゃんが店に戻ってる後ろ姿を眺めながら

私は密かにもうひとつミッションを立てた

二先生と2人きりになることだ

文化祭、一応一緒に回れたとはいえ

流石にデートと言えない状態だった

今ここで先生と抜け出して二次会を開けば

少しはいい雰囲気になるのでは?というミッション

そして、多分そろそろ……


「あ、愛華ちゃん、やっと戻ってきた!この先生どうにかしてよ〜!」


私が店に戻ったタイミングで

紅葉さんから二先生を渡される

既に酔い潰れてねむっちゃっている


いつもはちゃんと絡み酒くらいで済んでるのに

何故今日はこんなに酔いつぶれてるのか

普段より濃いめの酒を混ぜたからだ


「私、タクシーで先生送るよ」


「えー!愛華ちゃん二次会来ないの!?カラオケ大会は!?」


「行きた……くもないし、先生放っとけないから」


「そこで行きたかったけどって言わないあたり愛華ちゃんだなぁ……分かった!先生宜しくね!」


違和感なく抜け出し、タクシーを利用して先生宅へ帰る

なんとかおんぶしてベットまで運び出す


「んあ?もういえ?」


「やっと起きました?あなた酔いつぶれてたんですよ」


「おあーまじかあーのみすぎたー」


先生は全体的にふわっとした喋り方でゴロゴロ寝返りをうつ

なんだかいつも以上にだらしない状態で

かえってかわいく……いやいや、何考えてるんだ私


「あいかとまれよぉーとまるだろー?」


「(いじわるするか…)嫌ですよ、帰りますから」


「まあまあそんなこというなってえー」


そういうと先生は両腕を伸ばして私を掴むと

強引にベットに連れ込んで抱きしめる

突然のことに私は驚いて声も出ない


「うわーあいかいいにおいだなぁ〜もうこんままねよーぜー」


「え、いやいや、お風呂とかあるでしょ」


「あ〜あいかがずっといっしょにいてくれるならやるー」


ま、マジか……なんか想像とちょっと違うことになったけど

……まあ、これはこれでいいか

結局その日は先生の介護をずっとして一夜を共にすごした

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