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第90話 あたしは抵抗ないけど

【愛華視点】


文化祭の出し物でシンデレラをやることになった私達のクラスは

早速色々準備に取り掛かった


改めて内容を確認するけど


両親を亡くした少女が

継母とその姉に虐待されながらも

魔法の力で舞踏会に行き、王子に見初められ

幸せになるという物語

0時に魔法が解けるという制限があるため

舞踏会を終えて帰る途中にガラスの靴を落としてしまい

その靴をヒントに王子はシンデレラを探し

結末はシンデレラが王子の妃となる幸せなもの


とあった

まあ私の役は最初っきりだし、メインのふたりに練習は任せて

私は1年教室にいた

衣装のことで詳しい人が居ないか探した所

流ちゃんの家が服屋を経営してることを知って

聞きに来ている


「よろしければ、もう廃棄するものなどを探してきましょうか?」


と言ってくれたので、任せることにした

姫っぽいドレスは流石にないと言われ

姫と言えばと3年教室にきて

大量のティーカップを抱えた忍先輩に話しかける


「私のお古ドレス?あったかなぁ…誰が着るの?」


「紅葉さんなんだ」


「紅葉ちゃんか!ならサイズ合うんじゃないかな、今度持ってくるね」


よし、これで私の仕事の大半は済んだな

昔と比べて、色んな人脈が出来て

本当に有難い限りだ

教室に戻ると、2人が練習してるのが見えた


「あー!ロミオ!あなたはどうしてロミオなの!?」


「それはロミオとジュリエットだよ、ウチらがやるのシンデレラ」


「ええーーん!セリフ覚えられないよ〜〜〜!あたしは裏からニチャニチャするだけのつもりだったのに〜!」


…紅葉さんはだいぶ苦戦してるみたいだな

ざまぁみ…じゃなくて、大変そう


「てゆーかやっぱりあたしドレスとか似合わないって!せめて愛華ちゃんに変えようよ!」


「はあ?お前、いつもは自分は美少女だって言ってんじゃねえか」


「そ、そおだけど…あたしより似合ってる綺麗で可愛い子なんていっぱいいるし……」


「心配しなくても、お前にはお前の魅力があるだろ」


「え、あ、ありがと…」


何故かちょっといい雰囲気になってる二人を見て

そういえばこの2人は付き合ったりしないのかな、とか考えてしまう

私が振ってしまった分、2人とも幸せになって欲しいし

…ここは私が一肌脱ぐか


「2人とも順調?」


「お、愛華、まあウチは順調。そっちは?」


「2人の衣装は確保出来そうだよ」


「そうか、なら安心だな」


「ねぇ、そういえばシンデレラって恋愛劇だけど、キスシーンとか入れるの?」


その言葉に2人とも明らかに挙動がおかしくなる


「えぇ!?そんなのいれないよ!?」

「なんでウチがこいつとキスしなきゃなんねーんだよ!」


んー……まだ友達以上恋人未満っぽいな

と思ってると

紅葉さんがボソッと「あたしは別に抵抗ないけど…」と呟く

その言葉を聞き逃さず

「じゃあせっかくだからいれようよ」


「まじかよお前!自分がしないからって適当に言うな!」


「……分かった」


「あ???」


「あたしやってみるよ!!!」


「嘘だろ…」

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