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第83話 今度はちゃんと

【五反田先生視点】


翠ちゃんと愛華ちゃんをもっと親しい仲にするため

あたしは1つ作戦を実行することにした


「ねえ今度はあたしのやりたいこと付き合ってくれない?」


あたしが指さしたところはVR体験ができる場所

色々指定することによって色んな世界観が味わえる

この前、ニュースで見かけてすごく面白そうだと思ったのよね


「ほあーVR、聞いたことはあるけど、そんな進化してんだなぁ」


「……面白そう」


「これ、記録とかで競えるみたいですよ」


忍ちゃんいいとこきづいた!

「これで1番いい結果の人競ってみない?」


「いいですね!」


忍ちゃんと雪乃ちゃんが先に3つあるVR機を付けたので

あたしはその隙に愛華ちゃんに耳打ちをする


「翠ちゃんのかっこいいとこ見てみたくない?」


少しキョトンとした顔になったけど

こくりと頷く。よし……


「あたしが言った通りにして」


作戦を耳打ちすると

少しニコッと笑ってくれた

あの子、相変わらず必要最低限のアクションしかしないけど

可愛らしくてモテモテになるのも頷けるわ


よし、これで……あたし達がやる難易度だけ上げれば……おっけ♪


「私72ポイントだった!雪乃ちゃんは?」


「雪乃41、全然ダメだった」


「うーし、私もやるか〜、露は?」


「えぇ、あたしもやるわ(本当は愛華ちゃんも付けるけど)」


そう言ってVRを付けると

ファンタジーな世界観が広がっている

初めてしたけど、ほんと、今の技術は凄いわね

今目の前にいる魔物を全部倒した時間でポイントが分かるのね……


「わっ、痛い」


愛華ちゃんがわざとらしく大きめの魔物に捕まえられて

棒読みの演技に思わず吹き出しそうになる


「ちょ、愛華なにしてんだよ」


「先生助けて」


「VRだし、解けるだろ」


「解け………………ないです、本当に」


魔物は舌なめずりしながら愛華ちゃんを食べようとする

……そんな強い魔物に設定した記憶ないけど

あたし、もしかしてやらかした……やば♪


「ちょ、勘弁してくれよ本当に」


「痛っ離して……くっ」


本当に痛そうにしてるのを見て

流石に危機感感じて

武器メニューからナイフを取りだして魔物を刺してみるけど

ビクともせずに殴り飛ばされる

いっっっった!!!痛覚あるのこれ!!?

難易度上げたから!?リアルすぎでしょ!


「…………マジかよ」


翠ちゃんは何かを覚悟した顔で

顔を蹴りで怯ませてから愛華ちゃんを救ってくれる

「あ、ありがとうございます」


愛華ちゃんもキョトンとした顔で翠ちゃんを見上げる

「まあそこで休んどけよ」


翠ちゃんは着てた上着を脱いでどこかに投げ捨てる

『わっ、先生急に上着投げないでよ』

外から雪乃ちゃんの声が聞こえて

リアルの方で雪乃ちゃんに上着がいったことが分かった


翠ちゃんは「おーわりぃ」と言いながら首をポキッと慣らして

「さっさとやろうぜ」

と軽く構えをとる


え、ちょ、素手でやる気!?

と止めようとしたけどそこからは、凄く素敵な無双劇だった

殆ど蹴り技で仕留めて

魔物の攻撃は全て避ける

一種のドラマを見てるみたいだった……


「やれやれ、運動は疲れるから嫌いなんだよなぁ」


全て仕留めたけどまだ余裕そうだった

正直、惚れそうになったのがかなり悔しい

なんなのよ、イケメンすぎない……?


でも魔物はまだ元気そうで

あたしたちの方に襲いかかろうとする

「お、これ魔法とかあんじゃん」

と翠ちゃんが呟いたと思ったら

すぐに空から謎のビームが飛んできて

魔物は苦しみだす


「あれ、適当にやったのにもう動けねぇのか?愛華と露の痛みはそんなもんじゃねえと思うぜ?」


魔物は死にものぐるいで攻撃しようとするけど

ひらりとかわしてから「あばよ」と魔法で倒してしまった

結局、手は一切汚れてなかった


「愛華怪我は?」


「VRだから、大丈夫……」


「ならいい、で?自業自得さんは?」


「な、なんであたしがやったってバレたのよ」


「たはは、分かりやすいんだよ」


「ふん。悪かったわね…愛華ちゃん大丈夫?」


「…………へ?あ、大丈夫、です」


これは…本格的に惚れ直したかしら?

なんか結果オーライ♪

てことでVR外してっと

うわ、0点だって、笑えない冗談ね


「お〜100点だってよー新記録だそうな」


「えー!二先生すごーい!」

「流石二先生」


2人がはしゃいでる隙に

愛華ちゃんに近寄って「どうだった?」と耳打ちしてみると

「凄く……かっこよかった……です」

って耳を赤くして答えてくれた

もおーーー可愛い!!!!!


「もう散々遊んだろ?暗くなる前に帰ろーぜ」


「じゃあ忍ちゃん、結果報告期待してるからね♪」


「はい!色々ありがとうございました!」



【ここから愛華視点に変わります】


夜、ゲーセンから帰って雪乃を寝かしつけた後

私は二先生の家に行っていた

出迎えてくれた先生は髪も解いて歯ブラシを咥えている


「ふぁーい、お、愛華か、もう遅いぞ?どした?」


「……会いたくなっちゃって」


私が正直に言うと先生は「ぶっ!」と少し吹き出してしまう

「汚いです」「うるせえ仕方ないだろ」

寒いし中入れ、と言われて

珍しく綺麗にされた部屋の座布団に座ってると

「なんか食うか〜?太るか〜」と自己解決の声が聞こえて

机を挟んだ前に先生が座る


「会いたくなったとかどうしたん?」


「……今日のVR、本当にかっこよくて」


「あーあれか」


「元からもう惚れてましたけど、更に惚れました……」


「……お、おう」


少し気まずい空気が流れて

私は二先生の隣に座り直して

手の甲の上から手を掴む


「ぉぉふ」


「あの……今度はちゃんと、2人でデート。しましょうね」


「ふぁい」


「フフっ、変な返事」


「おま、まじで、たまに見せるその行動力やめて、ほんとに」


「はいはい、もう夜遅いからここで寝ていいですか?」


「まあいいけど……」


「襲ったりしたらダメですからね」


「お前が成人なるまで出来るかよ、その辺の信頼なかったら来てないだろ」


「流石。分かってますね」


「たはは、伊達に彼女になってねぇよ」

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