第78話 決めたこと
リレーも終わり、体育大会も終わりを迎えていた
リレーは勝ったけど、総合順位的には3年生に負けてしまったけど
本当にいい思い出になった
…けど、私はまだやるべき事がある
この後、体育大会の締めはフォークダンスになっている
参加は自由で、皆友達とか恋人とかと踊るらしい
「ここにいたんだ」
紅葉さんが来てくれた
少し遠くではもうフォークダンスが始まっている
「愛華ちゃんは踊る相手決めた?早くしないと踊れなくなっちゃうよ!」
紅葉さんは笑顔でそう言ってくれるけど
私は首を横に振る
「私は踊らないかな」
「そか!まあ目立つの苦手だもんね」
と紅葉さんが気を利かしてくれる
私は少し深呼吸してから
「ごめん」と一言
「私、紅葉さん気持ちには、応えられない」
私の言葉をすぐに理解してくれたのか
紅葉さんの笑顔が少し固まる
こうなるって分かってても、心がキュッと苦しくなる
「ここまで待ってくれて、色々してくれたのに……ごめん」
紅葉さんは笑顔で「そ…………か」
すぐにでも泣きそうなのは分かる
それでも切り替えたのか、自分の頬をパシ!と叩いて
ようやく紅葉さんがちゃんとした笑顔に戻る
「えとね!何言おうか迷っちゃった……ありがとう愛華ちゃん!」
「うん…それでも、親友は紅葉さんなことには変わりないから」
「親友……うん、そうだね!愛華ちゃんがどんなに嫌がっても一生付きまとうズッ友になってやるんだから!」
「それはシンプルにヤダ」
「えぇー!もう約束しちゃったもんね〜!」
紅葉さんのとびっきりの笑顔は
失恋したとは思えないほど輝いていた
「また明日ね!無口ちゃん!」
……もう1人の所へ行こう
一色ちゃんはフォークダンスを眺めながらボーッとしていた
私を見るなり、少しだけ姿勢を整える
私の事待ってたみたいだ
「紅葉は?」
「先に答えを言ってきた」
「……そうか」
少しだけ沈黙が流れる
わたしは意を決して
「ごめん、一色ちゃんとは付き合えない」
一色ちゃんは少しだけ目を見開いたけど
すぐに
「お前が謝ることじゃねえよ、悩んでくれてありがとな」
と返してくれた
こういう時でもクールになろうとしてるのは
本当に凄いと思う
「やっぱ嫁は無理だったか、幼馴染ってやっぱ負けるもんだよな」
「昔の約束破ることになっちゃうよね……」
「ウチが勝手に決めたことだから気に病む必要ねぇよ、好きな人なんてこの先いくらでもできるさ」
一色ちゃんはそっぽを向いて
全く顔を見せてくれない
「さっさと行けよ、バーカ」
最後までかっこよくいようとする姿に
私は改めて、決心がついた
……行こう
「おい、なにしてんだ」
「……こういう時に…気の利いた言葉、いっぱい思いついてたのに……振られたら何も言えなかった……」
「……まあ、仕方ねえさ、ウチだって喋るので精一杯だ」
「うぅ、ぐすっ」
「……せっかくの体育大会なんだ、踊らね?」
「あたし、そんな気分じゃ…」
「うっせえ、お前が泣いてるとウチも困るし、ウチも泣きたくなるだろ。ほら行くぞ」
「……ありがとう一色ちゃん」




