第71話 安心出来る存在
体育の授業の後、ある程度安静にしてたら
軽く走れるレベルまで治った
紅葉さんからは酷くなるとダメだからと
ランニングは却下されて
久しぶりに放課後一人で帰っていた
紅葉さんまでバイト始めて、2人して忙しいらしい
「あれ?愛華ちゃん!」
後ろから声をかけられて振り返ると
忍先輩と麗奈先輩がいた
そうか、この2人もう部活引退したから
この時間会ってもおかしくないか
「なんだか久しぶりだね!」
「そうですね」
「修学旅行は楽しかったか?」
「そりゃあもう……2人も楽しそうでなによりです」
2人が手を繋いでるのを見つめると
「「あっ…」」と、2人とも照れて手を離してしまう
何だこの初々しいカップル、眩しすぎる
……そうだ
「あの…ちょっと相談していいですか?」
私の言葉に何か察したのか
「じゃあお茶でもしようか」と喫茶店に入る
私と麗奈先輩は紅茶を頼み、忍先輩はコーヒーを頼む
忍先輩は角砂糖をポトポト落としながら本題に入ってくれた
「もしかして3人に告白されました〜って感じかな?(ポトポト)」
「え、どうして……」
「まぁ……つい最近まで相談聞いてたし……ね?れ、い、な?」
「それは言わない約束だろう!んん゛っ、それをどうしたいかって感じかな?」
当たってる……さすが先輩2人だ
私は小さく頷くと、忍先輩にクスッと笑われる
「なんか、こういう話ばっかりだね(ポトポトポトポト)」
「悪かったな、相談ばっかりして」
「答えが中々……ずっといたい人、とか、これなら…とか色々考えはするんですけど……」
「無理に決めなくても…むしろ、直感で決めてもいいんだぞ。私は大切にしたい人と付き合ってるしな」
「私も、きっかけは些細なことだしね〜(ポトポト)」
考えても考えても決まらないし
もうあとは一押しだけ…てことか
「もう少し考えてみます、ありがとうございます」
「私達で良ければいつでも言ってくるといい」
「そーだよ、友達なんだから(ミルクポトトトトト)」
「はい………(さっきから砂糖とミルク入れすぎじゃ……)」
「…忍、入れすぎじゃないか?」
「だ、だってぇ、これくらい入れないと飲めなくて……」
「じゃあココアとかで良かったじゃないか、相変わらずおかしなやつだな」
「そんなこと言って、紅茶全然飲めてないの分かってるんだからね!」
「そ、それは……ゆっくり飲んでるだけだ!」
急に夫婦漫才が始まってしまい
おかしくて笑ってしまう
仲がいいんだな…
こうやって安心できる存在か……まだ考える余地はありそうだ
あ、そういえば
「麗奈先輩、唐鏡の大学受けるんですね」
「そういえば言ってなかったな、でも誰から聞いたんだ?」
「実は私のお母さんが務めてまして……私も勧誘されたというか」
「そうだったのか!?じゃあもしかしたら、また後輩になるかもしれないな」
「いいなぁ、一緒の大学ぅ〜」
「忍先輩はどうするんですか?」
「違う大学なんだけどね、唐鏡に行くよ。同居も考えてるんだ」
同居……!?と驚きかけたけど
そもそもこの2人、幼なじみだから
これ以上何が深く知る、みたいなことほぼないのか
それはそれでいいな……
「じゃあ大学先でもお二人に会えますね」
「あぁ、楽しみにしてるよ」
それにしても大学か……
私は将来何になりたいかも考えとかないとな……
一応補足しておきますが
麗奈達と保健室組の話は体育大会後にまだ色々あるので
お楽しみに




