第66話 警戒心無さすぎだろ
1日目には一色ちゃん告白され
2日目には先生にキスをされ
そんな怒涛の修学旅行も最終日を迎えた
最終日は遊園地で遊びまくる!というシンプルなもの
早速、もう遊園地の中にいるのだが……
「ジェットコースターとかいこーよ!」
「いーや、愛華はウチとお化け屋敷行くんだよ!」
何故か私の取り合いになっていた
基本的にアトラクションは
3人だと1人違う席になったりすることが多い
だからって私を取り合わなくても……
「普通に3人でじゃダメなの?」
「「ダメなの!!!」」
困ったな……
「えーっと……じゃあ公平にジャンケンで」
と言うとすぐにジャンケン対決が始まり
すぐに一色ちゃんが勝ってしまう
「うし!」
「そんなぁ〜〜!」
「まあ、順番に行くから、ね?」
「ほんと?やった!」
「じゃ、1時間交代な、そこで買い物でもしてろ」
紅葉さんは元気よく頷くと
足早にショップに行ってしまった
紅葉さんが見えなくなった瞬間、急に手を握られる
これ……恋人繋ぎ…!?
「ほら、行くぞ」
「え……え…!?」
「驚きすぎだろ。アプローチしてんだから普通だろ?」
「そ、、そうだよね……」
(照れてる……可愛い……)
手汗とか気になりつつも、そのまま連れてこられたのは
お化け屋敷じゃなくメリーゴーランドというやつだ
「愛華は前な」とだけ伝えられ、言われた通りに座ると
後ろから腰に手を回してそのままハグされる形になる
す、凄く距離近い……
「耳真っ赤じゃん」
「う、うるさい」
そのまま密着され続けて、楽しいよりもドキドキが勝つ時間が過ぎ
次はお化け屋敷に連れてこられた
「肝試しなら前も行ったじゃん……」
「愛華の怖がる顔もっかいみたくて」
「……いじわる」
(ぷく顔可愛すぎるだろ……)
お化け屋敷は前の肝試しとは比にならないくらい怖くて
2人して「ひゃあーーー!!?」と悲鳴をあげながら
かなり迅速にお化け屋敷を抜け出した
「一色ちゃんまで怖がってどうす「怖がっだよ愛華ぢゃん!!」」
「え、ちょ、落ち着いて、素が出てるよ」
私の言葉に、すぐにハッと気づいて咳払いする
指摘しない方が良かったかもしれない……
と思ってると、Reinに『今どこ〜?』と紅葉さんからメッセージが来ていた
もう1時間経ったのか
「紅葉さんのとこ行かないと」
「……愛華、ちょっと目瞑って」
「え?うん…」と言われるまま目を瞑ると
首筋に柔らかい感触が伝わった
思わず目を開けてしまい
キスされてることに気づいた
「警戒心なさすぎだろ」
「え、ちょ……!?」
「ほら、紅葉の所にも行ってこいよ」
「………………今度はちゃんと言ってからやってよね」
私はそれだけ言ってからその場を後にする
その時の私の表情は、私自身もよく分からなかった
(ちゃんと言ったらさせてくれるのかよ……可愛いやつ……紅葉、後はお前だぞ……)




