第65話 約束だぜ
お母さんのいる教室を後にして
いつの間にかいなくなっていた二先生を探していた
こういう時に行きそうなところ……と屋上に行ってみると
1人でタバコふかしている先生を見つけた
「うわ、もう見つけやがった」
「何してるんですか、こんな所で」
「んー、久々の景色見とこうと思ってさ」
指を指した方向を見ると
私がよく知ってる店や建物の景色が映った
大学から見るとこんな景色なんだ……
「どうせ聞いたろ?私のこと」
「えと……まあ……」
「だっせえよなぁ、大学では優秀扱いされたのに、落ちたんだからよ」
「そんなことないですよ。ここの大学難しいって言うし……」
「落ちたようなダメなやつを慰めなくていいんだぜ」
「……私は二先生が担任で凄く良かったですよ」
私の言葉に、少し目を丸くして振り向く
「私の閉ざされた心を親身に寄り添ってくれたのは、間違いなく先生だよ。そんな卑屈にならなくていいんだよ。私の恩師なんだから」
目を丸くしたまま固まる先生に
なんだか恥ずかしくなって目線をそらす私
「それに、このまま高校教師続けて欲しいし」と付け加えると
乾いた笑いをし始める
「たはは……あーあ、もうちょい我慢する予定だったんだけど。お前さ、これ以上私を好きにさせてどうすんだよ」
「へ?」
私が振り向くよりも先に
二先生は私の頬にキスをする
ビックリして咄嗟に3歩くらい距離をとる
「ちょ、なにを!?」
「ありがとう愛華、なんか色々吹っ切れたわ〜」
「キスする意味あります!?」
「そりゃあ、心休まらなくなるって言ったじゃん。感謝のキスだよ。受け取っとけ」
「……いきなりは…心臓に悪いので……本当にやめてください」
か、顔が熱い……もう、言わなきゃ良かった
「……ごめんもっかいキスしていい?」
「ちょ、ダメです!」
「はははっ、冗談だよ!」
初めて見る明るい笑顔に
私はまたドキッとさせられてしまう
私は早くこの火照りを無くすために、足早に逃げようとすると
「そういやさぁ」と呼び止められる
「明日遊園地だろ?私もフリーだからさ、どこかで回ろうぜ」
「え、、まさか2人で?」
「それ以外何があるんだよ」
「大丈夫ですか?他の人に見つかるとか……」
「広いし大丈夫だろ。な、約束だぜ」
「…………わかりました。でも紅葉さん達とも回るので、そんなに回れませんからね」
「わーってるさ」
二先生推しの人たちキュンキュンしすぎて
多分爆散してるんじゃないかなぁ……してるといいなぁ……




