第60話 日頃の行いじゃない?
今回から2年生組しか出ないのでおまけがあります
おまけが本編になりそうで怖いですwww
修学旅行で行く場所があらかた決まり
数週間が経ってもうすぐ出発の日になった
私はキャリーバッグの中身を再確認していた
忘れ物は…ない、かな?
……楽しみだな
「お姉ちゃ〜ん?早く寝ないと明日起きれないよ?」
「あ、そうだね、教えてくれてありがとう」
「また荷物チェックしてる。どれだけ楽しみなの」
「お母さんに久々に会えるし、友達と修学旅行なんて初めてだから…つい」
「いいなぁ、雪乃も来年絶対会いに行く」
「絶対写真送るから、楽しみにしててね。それよりも家、1人で大丈夫?」
「うん、流ちゃんと凪ちゃんが交互にお泊まりしに来てくれるから、大丈夫」
「そっか。それなら良かった。じゃあおやすみ」
『次の日』
学校で点呼を取って、空港に着いた
「飛行機初めて!楽しみだなあ〜〜!」
「室内じゃ静かにしないと怒られるよ」
「分かってるけどさ〜」
左隣を見ると欠伸をしながら窓の外の景色を眺めてる九十九さん
右隣を見ると旅行ガイドブックみたいなものを読みあさる紅葉さん
飛行機の席は2人に挟まれる形になった
紅葉さんがどうしてもその席順がいい、とうるさかった
「あ、見てみて、ここも行ってみたくない!?」
「計画にないことやると、どれか削らないといけなくなるよ」
「それはやだ!!!!」
「…でもそれだったら近いし寄るのはあり」
「なるほど!流石神様仏様無口様!!」
久々に呼ばれたなその愛称、と
少し笑みをこぼしつつ軽いため息をつく
紅葉さんがいれば修学旅行は楽しくなりそうだ
そう思ってると、左肩にズシッと
なにか乗った感覚がして振り向くと
九十九さんがうたた寝して頭を私の肩にのせていた
動けなくなっちゃった……
「一色ちゃんまた寝てるの?起こす?」
「飛行機の中くらい寝させてあげよ」
「む〜(一色ちゃんだけずるい…)じゃああたしも愛華ちゃんの肩で寝ようかな!!」
「肩凝るからやだ」
「一色ちゃんはいいのに!!?」
「日頃の行いじゃない?」
「ガガーン、あたしそんな悪いことしてないのに〜( ⩌⤚⩌)」
紅葉さんが小声とはいえ喋ってるせいで
九十九さんが起きて、私の肩に頭乗せてることに気づいて
すぐに体ごと少し距離を置く
「わりぃ、どんぐらい寝てた?」
「大丈夫、割とすぐ起きたよ」
「そ、そうか……」
そう言って九十九さんはすぐ窓の方向いたけど
紅葉さんが「照れてるの〜?耳真っ赤だよ〜?」
と笑いながら言うと
すぐに紅葉さんの頭をわしゃわしゃにする
「ひゃー!痛い痛い!」と私を挟んで遊び出すので
少し笑いそうになりながらも、何とか仲裁した
ここ数日は、楽しく出来そうだな
【おまけ お泊まり会1】
『雪乃視点』
「ごめんね、流ちゃん、無理にお泊まりさせてもらっちゃって」
「いえ、1人は寂しいですものね、構いませんよ」
流ちゃんを泊めたのは初めてじゃないけど
相変わらずかしこまって正座して硬直している
雪乃はここに座ってと促し
流ちゃんの膝の上に座る
ビクッ!?と驚いた様な動きをしたけど
すぐに落ち着いた
「わっ、すごく花の香りがします……相変わらず抱きしめたくなっちゃいますね」
最近これをしても「何してるんですか!?」とか驚かれないから
昔ほどの反応しなくなっちゃったなぁ、慣れちゃったのかなぁとか思いつつ
「今から雪乃は動きません」とだけ伝えてじっとしてみる
すると「えっと…えっと……?」と言いつつ
ふわっと包み込むように抱きついてくれた
雪乃の意図が読み取れて偉い
「ムフー(満足気な顔)」
「そうされたいなら最初から言ってくだされば…」
「流ちゃんが積極的になれるようにしてるだけだもん」
「フフフ、相変わらず甘え上手ですね」
流ちゃんは手馴れたように頭を撫でてくれる
雪乃のこと猫か何かだと思ってない…?
悪い気はしないけど
「今日はこの後どうされますか?」
「雪乃はここから動かないって言ったもん」
「そ、それは流石に冗談にしてください…」
「ん〜じゃあ寝るまでモチモチするだけ、それじゃ嫌?」
「……いえ、幸せなので、いいですよ」
「えへへ…雪乃も幸せだよ」
「…………あの、1つ申しにくいことが」
「雪乃達の仲でしょ?今更なにか言えないことあるの?」
「…足痺れました」
「……………(ズシッ)」
「アッチョッやめてください、体重かけないでください。はうぅぅ」
「フフフ、やっぱり流ちゃん面白い」




