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ヒロイン全員が私の事好きなのはきっときのせい  作者: 六道 傑
後編 幾つもの華は彩りよく咲き誇る
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第53話 ノープロブレム

なんとか仕事が片付いて落ち着いてきました

ストック貯めるために来週くらいまでは似たような更新頻度でお願いします

【今回は麗奈視点でお送りします】


夏祭りが終わって数日

両親から心配される程度には放心になっていた

神楽さんが先生に告白されてあんなに放心だった理由が今ならわかる

私は……どうしたらいいんだ


神楽さんの事は今でも好きだ

ただ忍のこともそれと同等に大事にしている

忍の気持ちを、そんな簡単に無下にすることは出来ない

こういったときに、いつも忍が支えて相談に乗ってくれていたから

誰に相談したらいいのか、全く分からない


放心しながら済ませた宿題を眺めて

じっとしてても仕方ないと思った私は

久しぶりに体を動かすかと

一般に解放されている体育館に向かった

バスケは引退したが、大学でもする可能性あるしな

気晴らしには丁度いいだろう


「「すみません、体育館を利用したいんですが」」


私の言葉と、横から誰かの声がしたのは同時だった

先客か?と振り向くと…どこかで見覚えのある子がいた

彼女は……確か……


「げっ、あんたあの時の……!」


「えっと……確かインハイ決勝で会った……」


「榎木燈空よ!強豪のエースの名前くらい覚えなさいよね!」


「すまない、忘れていた訳じゃないんだ、少しボーっとしてて」


「フン、どうだか…丁度いいわ。勝負相手になりなさい。今日キャップいなくてつまらないのよね」


「ま、まあそれぐらいなら…」


成り行きで2人でバスケすることになってしまい

軽い1on1を行った

しかし、あまり勝負にならなかった

久しぶりのバスケ、というのもあるが

判断がかなり鈍く、結局大差で負けてしまった


「……正直ガッカリね、僕を負かした数少ない奴が、こんなしょっぱいやつだなんて」


「……返す言葉もない」


「丁度お昼ね…あんた、昼どうするのよ?」


「いや、特にきめてないが……」


「ふーん、ならついてきなさい」


榎木さんに言われるままついていくと

ラーメン屋に来た


「らっしゃい!お、燈空!今日は早かったね!」


「ただいま母さん、ちょっと連れいるから、いつものね」


「あいよ!任せときな!」


元気なおば様が出てきたかと思えば

結構豪快に料理を始める

榎木さんの母親の店なのか

客もかなりいて繁盛してるのはすぐにわかる


「そんなキョロキョロしてどうしたのよ?ラーメン屋初めて?」


「いや、初めてではないが、中々来ないんだ、だから新鮮で……」


「じゃあ度肝抜かすことになるわよ、母さんのラーメンは最強なんだから!」


「あい!ラーメン二丁!たんとお食べ!」


思ったより早く届いたラーメンを見て

運動した反動で空いたお腹が食べたいと訴える

ひとまずスープをすすって……麺も……お、美味しい…!

豚骨か!重くもなく野菜もあってすっきりとしている……


「凄く美味しい…」


「でしょ!!?負けた悔しさとか悩み事とか吹っ飛ばせるんだから!」


その言葉を聞いて思わず箸を止める

悩んでるの気づかれたのか…?

気遣ってくれたのか、口は悪いが

意外と優しい所もあるんだな……


「なんだか意外だな。その……神楽さんの話を聞く限りだと、悪い印象を抱いてしまっていた」


「あ〜……それね、少し反省はしてるわよ。キャップやあんたみたいな強い奴がゴロゴロいるんだから、妬んだってしょうがないってね。あいつには、謝っても許してもらえるとは思ってないわ」



……今のこの人になら、少し相談する位はいいだろうか

ラーメンを食べ終わり、お冷だけの状態になってから

「少し……話を聞いてもらってもいいか?」

と話し始めた


「何よ改まって。まあ言ってみなさい」


私は今まで経緯を話した

実は神楽さんに一目惚れしたけど幼馴染の忍から告白されたこと


「はあ……なんだかとんでもない修羅場してんのね、あんた達」


「修羅場……なのかこれは」


「ていうか、神楽愛華好きだったの?陽キャと不良もそうだったけど、見る目無さすぎじゃない?」


「そんなことないぞ、神楽さんは凄く優しくて頼りになるんだ、年下とは思えない」


「まず言っとくけど、一目惚れなんてあてにならないわよ。その場の勢いだけの事なんてざらにあるんだから」


「そ、そうなのか……」


「まぁ、その場の勢いだけの魅力じゃないのは、中学見てて知ってるけど……」


「ん?何か言ったか?」


「なんでもないわ……じゃあ…そうね……付き合うってことは、この先ずっと一緒にいることを考えなさい。そして、離れたら困るほうを選ぶのね」


離れたら困るほう……

「ま、そんなすぐ結論出す必要も無いと思うけど」

と榎木さんは付け足した


すると「あら菜子ちゃん!いらっしゃい」と声が聞こえる

「あれ〜?珍しい人がいる〜ちわ〜先輩〜」

黒マスクつけた女の子だ。確か……


「君は……榎木さんチームのキャプテン……」


「玄野菜子ですます」


「あんた何しに来たのよ。宿題は?」


「そりゃあもう爆速で終わったよん。1秒でも早く愛しのあかりんに会いたくてさ」


「今ラーメン食べたから近寄るの禁止」


「なんですと〜〜!しょぼーん。じゃあ自分も食べたらおあいこ〜」


玄野さんはそう言って榎木さんの隣に座って

同じラーメンを食べて美味しそうに食べだした

それを見て榎木さんは「もうちょっと上品にたべなさいよ」と

ペーパーナプキンを取って玄野さんの頬についた汁を拭く


「な、なんだか2人とも距離が近いな?」


「およ?聞いておりません?自分ら付き合ってるんすよ〜」

「違う、バスケ仲間」


ほぼ同時のタイミングで否定が入って

どっちが本当か分からなくなる

なるほど、こういう愛の形もあるのか…

と思ってると、おもむろに玄野さんが

私にだけ見えるようにスマホを見せた

……『2人きりにさせてくれればいいもの見れるよ』?

試してみるか


「少し御手洗を借りるよ」


「え?あ、あぁそう」


そそくさと御手洗に行くフリをした後

そーっと物陰に隠れる

すると、少しだけ周りを警戒してから

榎木さんが玄野さんの肩に頭を乗せる


「来るなら来るって言ってよ」


「サプラーイズ。のつもりだったけど、まさか青木先輩と会っていたとは。いやはやびっくり」


「ラーメンも食べちゃうし、最悪」


「それは自分家だからしゃーにゃいっていつも言ってるじゃなーい」


「それでも嫌なものは嫌なの、今度はちゃんと連絡してよね」


「ほいさ」


「後、そろそろ付き合ってるとか言うのやめて。あんたが変なやつ扱いされるのよ」


「既に変なやつなのでノープロブレム。自分は大好きだから一緒にいるのよん」


「………あっそ」


これが…カップルか

心を許した人にしか見せない素顔

適度なスキンシップ

私も…いつか……でもそれは、一体誰となんだ……?

なんだかんだ燈空活躍し始めるのやっぱ何起こるかわからんなぁ(((

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