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ヒロイン全員が私の事好きなのはきっときのせい  作者: 六道 傑
前編 影に咲く華は愛を得て芽吹く
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第50話 我慢

来週からプライベートすらあるか怪しいので水土曜更新になります

2週間だけだから、お互いがんばろーぜ…

【忍視点】


幼い頃から、かなり裕福な家庭に生まれた私

ピアノ、ヴァイオリン、バレエ、書道、色んなものを習って

どれも中々上手くいかなかった

お父様に怒られながらも、ガマンするしかないと思ってた私は

ひたすらにお父様の期待に応えるように努力してきた

そんな事を中学まで過ごしてた時に公園で遊ぶ麗奈に会ったんだ


中学の頃の麗奈はそこまで変わらなかったけど男っ気が多くて

男友達と紛れてバスケをしていたのを良く覚えている

私が楽しそうだな、と眺めてた時に

「一緒にやらないか?」って誘ってくれたんだよね


「でも……私やったことない……」


「大丈夫、私が教えてあげるさ。ほら!」


麗奈が手取り足取り教えてくれたおかげで

すぐに上達できた

一緒にプレイしてくれた友達も皆して

「すごい!」「そうそう上手!」って褒めてくれて

最後の方は皆に劣らない程上手くなっていた


「凄いな!名前はなんて言うんだ?」


「え?忍……」


「忍か。私は麗奈。いつもここで遊んでるから、また遊びに来て欲しい」


この時、凄く嬉しかったの、今でも覚えてるよ

すぐに帰ってお父様とお母様に必死に伝えた

「習い事も頑張るから、バスケもやりたい!」

私が意見言ったのが初めてだったからなのか、承諾してくれて

それから、毎日のように麗奈と遊んで仲良くなった



暫くしてから、隠れんぼをすることになった

私はすぐに見つかっちゃったけど

中々麗奈が見つからない、ってなって全員で必死に探したっけ

私はすすり泣く声が聞こえてロッカーを開けようとしたけど頑丈で


「麗奈?麗奈大丈夫?」


「忍……?助けてぇ……」


私は必死に力ずくでこじ開けて麗奈を救い出して

初めて見る麗奈の泣き顔を見て

この子を守らなきゃ、そんな使命感にかられた


「遅くなっちゃってごめんね!」


「ありがとう……忍」


その泣き顔を見て、心がキュンと締め付けられた

そこで気づいたんだ、私麗奈が好きなんだなって

私が麗奈を守りたい、そう思ってずっと過ごしてきた

高校になっても、この関係は変わらないと思ってたのに


「忍……私、神楽さんのこと好きかもしれない……」


「…………へ?」


「おかしいのは分かってる!女が女を好きになるなんて……ただ…気になっちゃうんだ」


「そ……そうなんだ!いいんじゃないかな!応援するよ!」


「ほ、本当か?忍ならそう言ってくれるかもと思ったけど……ありがとう、頑張ってみるよ」


あぁ、その笑顔、私がさせたかったのにな……

でもいいの、麗奈が幸せなら

愛華ちゃん知ってる?

愛華ちゃんが変な子だったら、突き放そうって思ってたんだよ

でも愛華ちゃんがいい子だって分かったから

諦められる、任せられると思った……なのに……



「…………もう我慢できない」


「忍?」


「麗奈はいつもそう!!頭いいくせに人の評価には気づかない所も。しっかりしてるくせに、独りじゃ何も出来ないどころか怯える所も。気配り出来るくせに優しすぎて他を傷つけないように自分が犠牲になる所も!!」


いつの間にか私は感情を爆発させていた

もう止まらなかった

だって……我慢は疲れたもん…

「………ねえ、麗奈。恋人は…私じゃダメかな?」

ごめん麗奈……こんなこと言われても困るよね

ダメに決まってるよ、麗奈は愛華ちゃんが好きなんだもん

本当は喝入れて背中押したかったのに…


「忍…それが本当の気持ちなんだな?」


「…………うん」


「…だとしたら、私は今までずっと我慢させてたんだな……凄く驚いたが、忍の気持ちは分かったよ」


「あ、えっと……ごめん、困る…よね?」


「いや、むしろ罪滅ぼしをさせて欲しい、忍にそんな想いをさせてたことを。今すぐにすっぱりと、神楽さんを諦めることは出来ないが、忍のことも考えさせてくれないか?」


「…………え?いやいやいや!ダメだよ!!!!」


「ダメなのか!?」


「なんでそーなるの!?真面目すぎ!普通は振るんだよ!ていうか振って!!!?」


「い、いや、流石にそれは……」


「私のことは考えなくていい!愛華ちゃんに告白しておいで。麗奈なら大丈夫だよ、私が惚れたんだもん」


「忍…」



「私は、麗奈が幸せならそれでいいから。絶対に幸せになってね」



私はその場にいるのが苦しくなって

花火が打ち上がってる中

ひたすらに逃げた

麗奈の声が聞こえた気もするけど

もう今日は麗奈のこと見れる気がしなかったから

人混みの中を走ってると、誰かとぶつかってしまって

尻もちをついてしまう


「お、おい、大丈夫か?……って忍先輩?」


見上げた先には、一色ちゃんがいた


「うぅ……一色ちゃん助けてぇぇぇ」


「はあ???」

ひとまず、ここまでの読了ありがとうございます

今回の話で前編がやっと終わりました

ちょうど五十話でいけたのはなんかすごい力が働いてそうです笑

正直投稿したての頃はここまで皆様に読んでいただけるなんて思ってなかったので

本当に感謝しています。これからもマイペースに投稿していくので応援よろしくお願いします



さて、今回は忍についてお話しましょう

本当にこの子健気ですね

めちゃくちゃに負けヒロインムーブが似合う

絶対にピアノオンリーの悲しいBGM流れますよ

ただ本当に負けヒロインになるのかは麗奈次第なんですけどね

こんな告白を受け、麗奈はどうするのか

そして忍はどうなるのか、いやあ、書くのが楽しみです

では、次回から後編です

修学旅行があったり文化祭があったり…まだまだやりたいイベントが盛りだくさん

愛華達の恋路を最後まで見守ってあげてください

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