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ヒロイン全員が私の事好きなのはきっときのせい  作者: 六道 傑
前編 影に咲く華は愛を得て芽吹く
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第45話

飲み物を買って皆のとこに戻ると

先生2人がいないことに気づく

どこに行ったんだろうと探してると

ちょっとした高台にいて、少し遠くにある学校を眺めていた

いつの間にか2人とも上着を着ている


「うわ〜懐かしいっすね〜ここ」


「やっぱり覚えてます!?新人の時、自分ら会ってたんすよ!」


「あぇ?そうでしたっけ?」


なんだか気になる話をしてるので

思わず木陰に隠れる

新人…って、多分新人教育の話だろうか

あの学校で教育があったのかな?


「えぇー!覚えてないんですか!?や、やっぱり…」


「あーだから初対面で久しぶりです!って言ってきたんすね。いやぁ〜人の顔覚えるの苦手で」


多分嘘だ、あの人はこの前通りかかった

信号待ち杖付きおばあさんに

先生が声掛けて一緒に渡った時も

「あの婆さん、先月車で通った時見かけてさ〜今日はたまたま歩きで良かったよ」とか言う人だ


先生の記憶力の良さは、私がよく知っている

だから多分、新人教育の時も

四条先生となにかあったのかもしれないけど

何か、言い訳しないといけないような事なのかな


「確か丁度この時期でしたよね!あの時…」


【ここから四条先生の回想です】


新人教育の帰り、海が近いという理由で少し寄った

その時はもう夕方なこともあって人が少なかった

そしたら遠くから「助けて!」という声が聞こえた


見てみたら子供が1人で溺れていたんだ

泳ぐには遠くて時間がかかるし

一人で行っても私まで溺れてしまうと思い

すぐにレスキューか浮き輪を探そうとしたら

颯爽と二先生が飛び込んで

驚くほど早く泳ぎ、すぐに子供を救出したんだ


呆気にとられかけたけど、直ぐに私も近くにあった浮き輪を取って

二先生に投げてから一緒に子供を助けたことがあった


助けが早かったおかげで子供は怪我ひとつもなかった

そしてようやく戻ってきた親に二先生は

「子供はすぐにいなくなるから、少しでも目を離さないであげてください」

と優しく微笑んで送り届けた


すぐに帰ろうとする二先生を呼び止めて

「あの、どうしてすぐに助けに行けたんですか?下手したら貴方まで危なかったんですよ?」

と聞いたけど

「んあ?あーそーすっねぇ」と少し考えたあと


「私より子供の命の方が大事じゃないすか?子供さえ助けられればいっかなぁと」


平然と言った二先生の心構えに、私は強く感銘を受けたんだ



【愛華視点に戻ります】


そ、そんなことあったんだ……

二先生が運動してるとこなんて見たことなかったけど

相当凄かったんだろうな


「あ〜ありましたね〜」


「私、あれからずっと二先生の事憧れてて!あんなかっこいい先生に私もなりたいと!」


「別に今のままでも充分だと思いますよ。殆どの生徒達の評価高いから、そんなこと普通出来ませんからね」


「ご謙遜なさらないで下さい!二先生もかなり評価高いじゃないですか!だから……その……」


少し口ごもった後、すぐに真っ直ぐ二先生を見つめた


「私、貴方と友達からで良いので付き合いたいんです!」


…………え?

こ、告白!!?やけに慕ってたのそういうことなの!?

驚きすぎて物音立てそうになるのを必死に耐えてると

二先生はたははと笑いながらこう言った


第45話 『私、好きな人いるんすよね〜』


「……好きな人、ですか?」


「えぇ、友達はいいですけど。今は貴方の気持ちに応えられないです。ほんと、すんません」


「あ…………そう…ですよね…!あはは、ごめんなさい!変な事言っちゃって!!!でも告白出来てスッキリしました!ありがとうございます!」


四条先生は少し早口で逃げるように何処か行ってしまう

とんでもない場面に出くわしたし

何より好きな人がいる発言に、頭の中ぐちゃぐちゃだ


「……いるんだろ?出てこいよ」


……へ?

ば、バレてる!!!!?!?!??

はい、ということで四条先生の恐ろしく早い退場回をご覧頂きました

この作品には基本的に負けヒロインは存在させないようにはしてたんですけど

メイン張ってる人を目立たせるためにやむを得ない犠牲にしてしまいました

頭の中で永遠に土下座したのは言うまでもありません


活発女子って負けヒロインしか見ないよね……

どうにかして救う方法は探す予定です

さあ、次回二先生はどうするのか…


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