第100話 私達は全員、君の事が
二先生との仲のことで
いつかは誰かに言われるかなとは思ってた
けどこんなに私自身が浮かれると思ってなかった
麗奈先輩と歩いて帰ってる中
私はずっと無言で悶々としていた
「風紀委員として学園長には何度かあった事がある。厳格そうな見た目だが、当時色々頑張っていた私を労わってくれた優しいおじいさんみたいな人だ」
そんな人なのか……
「少し今日会って話してみたが……まだどうするかは決めかねていた……神楽さんはどうしたい?」
どうしたい、と言われても
やっぱり、学校では完全に距離を置くしかないと思う
先生の仕事の影響も考えると……
「私は、公認してもらった方が早いと思うよ」
「え、そんなこと出来るんですか?」
「まあ後々確実にバレるからね、勿論普通にお願いするだけじゃ無理だろうね」
「……と言っても、そんなことしても聞き入れてくれるかどうか」
「神楽さん、よく聞いて欲しい」
麗奈先輩は私の肩を掴んで
真正面から私の目を見てくる
「私が初めて君を見た日から見続けていたが、君はずっと人の為に何か行動をできる人だった。たまには自分のわがままを通す番じゃないかな」
「先輩…」
「心配するな、私達は全員、君の事が大好きだ。それはきっと気のせいなんかじゃない。だからこそ頼って欲しい。私達は友達だろ?」
「……ありがとうございます………………早速頼ってもいいですか?」
「もちろん!せっかくだし、皆集めようか!」
「え??」
一時間後
「なんか偉いことなってはりまんなぁ、ここはあたい達の力の見せ所やな!」
「愛華先輩が頼って下さったんです。力になれることからなんでも」
「そんなことになってたの!?今すぐいくよ!愛華ちゃんの為だもんね!」
「ったく、そんなことなら早く言えよな、どいつもこいつも素直じゃねぇやつ」
「お姉ちゃん、がんばろーね」
「え!?学園長に直談判!?おもしろそー!もちろんあたしもついてくよ!あたしたちはいつだって愛華ちゃんの味方だからね!」
皆付いてきてくれるなんて…
本当に、全員私の事好きなんだね
早速、皆で学園長室に向かった
白くて長い顎髭に、長い眉毛で
目元も口元もよく見えない人だ
表情がまるで分からない
「神楽愛華君だね。君か、二翠先生と仲がいいのは」
「そう……です。あの、二先生はどうなるんでしょうか」
「まだ確定では無いが、それ相応の対処は必要だと思っているよ」
「あの、辞めさせないで欲しいんです、私、先生にはいっぱい恩があって」
そこまで言うと紅葉さんと麗奈先輩が身を乗り出してきた
「そおです!超バカのあたしも見捨てずに付き添いで教えてくれる優し〜人なんです!」
「二先生は確かにサボりがちですが、今後は神楽さんにも手伝ってもらい、見直す形でどうでしょう」
なるほど、その手もあるのか
私も「どうかお願いします!」と頭を下げ
皆も「お願いします!!!」と頭を下げてくれる
すると
「待て待て、君たちは何の話をしておる?」
……え?
「確かに対処は必要だが、辞めさせることは無い。彼女は我が学園でも優秀だからね。それに、こんなに生徒に好かれているというのも事実だ。悪い様にはしないぞ」
「ほんとですか!?」「やったね愛華ちゃん!」
「しかし。その条件というのは面白いな。神楽愛華君は青葉大学を目指しているんだったよね?ならば二先生の公認助手として色々学んでみるといい、きっといい勉強にもなるだろう」
「は、はい!分かりました」
「ただし、うつつを抜かすと、対処を厳しくせんといかんでの。十分気をつけるんじゃぞ」
学園長室を出て早々紅葉さんと雪乃に抱きつかれ
皆で喜びあった
すると丁度よく二先生が私達のところに来てくれた
「いんやーお前ら無茶するなぁ〜」
「誰のせいだと思ってるんですか」
「たはは、悪かったな愛華、んま、こんな私だけど、これからもよろしくな」
「はい、勿論」
【おまけ 学園長の電話】
『良かったんですか学園長、そんな特別待遇なんてしちゃって』
「フォッフォッフォッ、良いでは無いか。これもまた人生。……しかし君も悪よの。そこまでして守りたいかね」
『……まあ、私は何も出来なかったから。これぐらいやってあげないと』
「そうか、まあ悪いようにはせん。何せ大躍進している愛弟子の娘じゃからな」
『ふふっ、ありがとうございます、学園長』
【作者から読者様宛へ】
遂に100話が達成致しました
ひとまず、ここまでの読了誠にありがとうございます
最後にでてきた意味深おじいちゃんは
次の新作で出てくると思いますので、頭の片隅に入れておいてください
と言っても新作何するのか全く決めてないんですがw
突然ではございますが、最終話まであと4話を予定しております
最後までお付き合い頂きますようお願いします




