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ヒロイン全員が私の事好きなのはきっときのせい  作者: 六道 傑
前編 影に咲く華は愛を得て芽吹く
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第1話 早乙女紅葉

新作投稿!最初の2週は月水土曜に投稿します!


桜が、ひらひらと舞い降りているこの季節

周りには、落胆する声や歓喜する声が聞こえる

2年生一学期、私は今年も

何事もない平穏な日を過ごす

その目標を立てて、学校に入った


4月なのに教室はまだ寒い

パーカーの着いた上着を着て

すぐに自分の席に着く

私の学校は1学年10クラスもあるから

周りに知り合いなんて居ない

いや、去年と同じクラスでも話す人はいないだろうな

そう思って、栞を挟んだ本を開く


「いっちばーん!あれ?もう誰かいる〜!」


後ろから声がするけど振り返ることは無い

そう思ってると女の子は私の前の席に座った


「おはよう!」


「……おはよう」


「あたし、早乙女紅葉(さおとめもみじ)!あなたは?」


「……神楽愛華(かぐらあいか)


「初めて見る顔かも〜1年の時に全員友達になれたと思ったのになぁ」


そりゃそうだ、基本的に小説を読んでるから

確かにこの子、去年別クラスからきたのを何回か見た気がする

トイレに行くフリして逃げたんだった


「あれ?紅葉じゃん!」

「わ!皆!同じクラスなんだね〜!」


私が考え事をしていた隙に

色んな子が早乙女さんに話しかけて

一気に注目の的になっていた

すぐ置いてけぼりにされた私は

そのまま小説に目を落とし、HRがはじまった



HRが終わり、帰宅時間になると

私はすぐに支度して学校を出る

するとすぐに、雨が降ってるのに気づく

折りたたみ傘は……あった


「うわー!やばーい!なんで雨降ってるのぉ!?」


隣でなにか騒いでいる早乙女さんがいる

どうせ誰かに借りるだろうと、私は傘をさして歩こうとすると

「あ、無口ちゃん発見♪」と強引に傘の中に入る


「……狭い」


「えー入れてくれたっていいじゃん。ケチ〜」


「他の人に借りれば良くない?」


「今は無口ちゃんしかいないもん」


「……はぁ、分かった。家どっち?」


「こっち!」


偶然にも私の家と同じ方向だ

…逆だったらしれっと離れようかなって思ったのに


「そういえば、無口ちゃんってあだ名つけたのに怒らないんだ?」


「……別に、事実だし」


もはや一方通行の会話が続く中

目の前に大きいトラックが走ってるのが見えて

私は思わず早乙女さんの肩を掴んで引き寄せる

予想通り、かなり水が飛び跳ねて私の足にかかる


「びっくりした……え、ありがとう」


「気にしないで」


咄嗟に体が動いてしまった

何故私はこの子を助けたんだろう

こんな私に話しかけてくれることに感謝してるのかな


「結構濡れてる、あたしの家、もうそこだから風呂浴びなよ!」


早乙女さん家……?

今日見知った私を連れ込んで何をする気?

怖いこの子……さすが陽キャだ

頭の中の図鑑に陽キャ、気まぐれモンスター

主に早乙女さんのことを言う、と書いておこう


「私の家もすぐだし、大丈夫」


「いやいや!びしょ濡れだし入ってきなよ!」


「大丈夫」

「大丈夫じゃない!!!」

「大丈夫」


何度か攻防を繰り広げたけど

ようやく納得したみたいで、ほっぺをプクっと膨らませる

玄関まで送り届けて

「本当にありがとね!」と言う早乙女さんに

私は軽く手を振って


「また明日ね」


と伝えた



<早乙女紅葉視点>


本当に、不思議な子だったな

また明日……ずっと無口だったけど

明日も話しかけていいってことだよね


無口ちゃんの背中を見届けてる間

ふと無口ちゃんの左肩を見ると

かなりびしょ濡れなのが見えた

そういえば、私、肩とか全然濡れてない

え、なにそれ……めちゃくちゃカッコイイじゃん……

無口ちゃん…この先、もっと仲良くなりたいな…♪

早乙女(さおとめ) 紅葉(もみじ)

高校2年生 159センチ もみじいろのボブ(肩にかかる程度)

お茶目で元気でドジしやすい女の子

クラスの皆は全員友達!なので

初めて同じクラスになった主人公にも気さくに声をかけてくる

そのためクラスの人気者だが、声をかけた主人公があまりにも無口なため

興味を持ち、無口ちゃんという変なあだ名をつけてくる

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