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僕は貧乏騎士爵家の四男です。僕の夢はお腹一杯美味しい物を食べる事です。  作者: きすぎあゆみ
1 エルシード・バルディア・ヴァルロッティー
25/47

25・エル、名付ける?

今日は、いつもより早めの投稿です。


続きです。

宜しくお願い致します。

皆様に楽しんで頂けましたら幸いです。

「(テイム?何だそれは?)」


「テイムって言うのは…えーと…僕と君がお友達になったから、これからも色々と仲良く一緒に頑張りましょうって事なのかな?(で、合ってますか師匠?)」


「………(まあ、大体そんな感じかな?)」


 いきなりテイムとか言われても解る訳が無いよね。だってルウスは僕以外の人族や同族もかな?と関わった事が無いみたいだから?でも、人と似た姿の魔物もテイム出来るんだね?僕的には友達の感覚なんだけど、僕はそれでも良いと思って居るんだ。


「(友達?オレとお前が?…で、友達って何だ?)」


「えっ、友達を知らないの?…えーと…友達って言うのはね、一緒に遊んだりお勉強をしたり御飯を食べたりお手伝いをしたり…それと何かをする時には大切な仲間なんだけどお互いを高めあう競争相手でも有り同時に助け合って頑張る人達の事だよ…(ですよね?)」


「………(まあ、大体そんな感じかな)」


「(オレは群れに捨てられたはぐれだから、お前以外に知ってる奴は居ない)」


「えっ…そ、そうだったんだ、変な事聞いてごめんね」


「………」


 はぐれって…聞いたら不味かったかな?僕も人には言えない事とかは色々と有るし、ルウスにも当然そう言う事って有るよね。それって家族や仲間からも見捨てられたって事なのかな?そんな事が有ったって…なんか重いよね…。それに子供を捨てるのってどうなの?何かしらの理由が有ったとは思うけど…。


「(友達か…意味は解らないけど飯の分は役に立ってやるぞ!)」


「御飯の分って…御飯をあげなかったら、手伝って貰えないの?」


「………」


 御飯って…やっぱり胃袋を掴んだって事なのかな?って事は今後も僕はルウスと一緒に居る為には、ルウスの御飯を作ったり準備しないといけないって事だよね…。何だか家のお手伝いに来てくれていた、お手伝いさん兼先生のミケルナさんを思い出しちゃった。そう言えばミケルナさんって優しいけど、厳しい所も有ったよね。


「(その時はオレの気分次第だな?)」


「本当に?良かった!よろしくね。それに僕はチビでもお前でも無くてエルだから、エルって呼んでね」


「………」


「(解ったぞお前…エ、エ、エ、エ、エル!オレは、オレだ!)」


「オレ?それって名前じゃ無いよね!」


「………」


 オレって…なにそれ?でも、魔獣や魔物って名前が無いのが普通だったっけ?基本的にテイムした時に名前を付けてあげる事になるみたいだけど、中には名持ちの有名な魔獣や魔物も居るらしい。でも、それって絶対に関わっちゃ駄目なヤツだよね…伝説の何々とまではいかなくても、どこそこの主的な存在だよね?


「(名前?何だそれ?オレはオレって呼んでるからオレだ!)」


「いやいや、それって自分の事を呼んでいるだけだから…もしかして名前が無いの?」


「………(魔獣とか魔物には基本的に名前は無いよ。君達の絆をより強固な物にするためには彼に名前を付けてあげないとね)」


「(だから名前って何だ?オレはオレだからオレで良いぞ!)」


「いやそれじゃ呼び難いから…えーと、名前って言うのは…そうだな…その人だけを呼ぶ時の呼び方で、その人を呼ぶ時には名前で呼ぶんだよ。じゃないと沢山人が居る中の一人だけを呼びたい時に、誰を呼んだら良いのか解らなくなっちゃうよね?」


「………」


「(オレは人じゃ無いぞ、ミノタウロスだ!)」


「ごめん…例え話だったんだけど、気分を悪くしてしまったのならごめんなさい…」


「………」


 何だか自分で言ってるのに何を言っているのか、こんがらがってしまって、しっちゃかめっちゃかになっちゃいそうだよ!確かにルウスは人族では無いのだから僕達と考え方や常識が違うのは当然だよね。でも、ミノタウロス族の考え方や常識って何?ねえ、誰か知ってる?知っている人が居たら僕に教えて!


「(ああ、解ってくれたのならそれで良いぞ!)」


「それで君の名前だけど…君の種族はパルウスミノタウロスだったっけ?」


「………」


「(…?知らんぞ!オレはミノタウロスだ!)」


「そうミノタウロスだよね。だけど、その中でもパルウスミノタウロスって種族みたいだけど?」


「………」


「(何だそれは?オレはミノタウロスだ!)」


「そのミノタウロスの中でも色々と種族が有るみたいだよ?」


「………」


 それはそうだけどって何がどうなの?って事になるけどルウスは自分がミノタウロスだって事は知っているし理解しているみたいだけど、ミノタウロスの中にも色々と種族が有る事は知らないみたい。だって僕の鑑定魔法でもルウスの種族がパルウスミノタウロスになっているよ!…でも、群れに捨てられた?はぐれミノタウロスだから他のミノタウロスと関わった事が無いのかも?


「(種族?そんなのは知らんがお前…エ、エ、エ、エルがそう言うのならそれで良いぞ!)」


「…良いんだ…それでねパルウスミノタウロスだから、君の名前はルウスって言うのはどうかな?」


「………」


「(ルウス?お前…エ、エ、ルがそう呼びたいのならそれで良いぞ!)」


「本当に?ありがとう、じゃあ今から君の名前はルウス、君の事はルウスって呼ぶからね」


「………」


 僕の名前ってそんなに呼び難いのかな?エルシードじゃ無くてエルって呼んで欲しいだけなのにね。でも、ミノタウロスの牛種の口では≪エ≫が発音し難いのかな?種族的な理由で僕の名前が呼び難いのなら、僕の他の呼び名?を考えないといけないのかな?


「(ルウス…ルウスか…オレはルウスだ!そしてお前は…エルだ!)」


「よろしくねルウス!」


「………」


 で、ここでも人族とミノタウロス族の違いに気付かされたのだけど、握手ってそもそも人族や僕は未だ会った事は無いけれど亜人族の習慣みたいな物なのかな?僕がよろしくって手を出したのだけれど、ルウスはなにそれって感じだった。それはそうだよね。ルウスは、はぐれで集団生活をしていなかったし、そもそも魔物に握手の習慣って有るのかな?


「(ん?その手は何だ?何かくれるのか?)」


「えっ…握手だよ!」


「………(エル、魔物には握手の習慣は無いよ)」


「(握手?何だ?力比べか?それならオレは負けないぞ!)」


「いや、力比べじゃ無くて…親愛のためにとか敵意が無い事を表すために、利き手を握り合う事で自分は武器を持っていません、貴方と仲良くしたいですって事を表すためにする人族の習慣かな?」


「………」


「(良く解らんが、力比べじゃ無い事は理解したぞ、それにオレは武器なんて持って無いしな!)」


「ありがとう、ルウス!じゃあ、試しに僕と握手をしてみよう!」


「………」


「(そうだな、お前…いやエルと友達になったんだから、人族の事も少し知りたい!)」


「ルウス僕と友達になってくれてあり…が…と…う…痛い!」


「………(…いや子供と言えどもルウスはミノタウロスだから、身体強化無しで握手は無茶だよ…)」


 この時はルウスと心が通じ合ったと思ったのに…大間違いでした…確かに久しぶりにウリケルさん以外の人?と話せたのも有るけど、同じ子供とだよ!だけども子供でもルウスはミノタウロス。人と違ってルウスの力が強い事を完全に忘れていた、僕のミスだよね…トホホ…。


 ルウスと握手をした瞬間に物凄い力で手を握られてしまい、そのあまりの痛さに意識を失ないそうになったんだ。


「(痛い?そんなに力を入れていないぞ?)」


「…グスン…グスン…グスン」


「………(…エル…友達が出来て嬉しいは解るけどね…もう少し冷静になろうね!)」


「(おま…エルどうした?目から水が出てるぞ!腹でも減ったのか?)」


「グスン…ううん、何でも無いよ。グスン…ただ僕が間抜けだっただけの話だよ…グスン」


「………(エルはしっかりしている様でどこか抜けているけれど、それが君の良いとろでも有り悪いところかな!でも、まだ六歳なのだから今からの成長に、大いに期待出きるね!)」


 ルウスは一応心配してくれているみたいだけど…いや心配してくれているよね?ウリケルさんの言ってる事が正論過ぎて言い返せ無いけど…でも、二人の優しさや暖かさみたいな物が感じられてウリケルさんとルウスの二人と出会えて良かったと思った。僕もルウスも子供だからウリケルさんに色々と教えて貰って、立派な大人に成れると良いよね!


「(オレは握手を覚えたぞ!エル、オレの飯を頼んだぞ!)」


「えっ…僕はルウスの御飯係なの?」


「………」


 冗談だよね冗談だと思いたいのだけど、僕が初めてテイムしたパルウスミノタウロスのルウスは僕の事を御飯を作る人みたいな認識をしてるっぽいんだけど…餌付けをし過ぎたのかな?

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