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【WEB版】灼熱の魔女様の楽しい温泉領地経営 ~追放された公爵令嬢、災厄級のあたためスキルで世界最強の温泉帝国を築きます~【書籍化+コミカライズ】  作者: 海野アロイ
第12章 魔女様の温泉ダンジョン大攻略! ドレスの王位継承権をめぐって、ダンジョンで素材集めにいそしみます!
236/352

236.魔女様、思わぬものを拾って、素材戦を勝利に導く

「結果発表は今日中に終わらせるでぇ!」


 メテオの声が会場に響く。

 発表は明日になるのかなと思っていたら、今日中に終わらせるとのこと。


「よぉっしゃ、これぐらい作っちまうぞ! イリーナ、そっち持ってくれ」


「わかってるわよ! 指図しないでよね」


 ドワーフの皆さんはわいわいと作業を開始し、仮設会場を再び作ってしまった。

 その間、わずか15分余り。

 さすがはドワーフの人たちだ。仕事が早い。


 さぁて、素材戦の結果はどうなるだろうか?



「途中経過はイリーナの方がリードやでぇっ!」

 

 メテオの煽るようなアナウンスがひびく。

 ぐぅむ、負けてるらしい。


 正直言うと、イリーナが勝っても問題はないのかもしれない。

 ドレスは合法的に王国を抜けることができるわけだから。


 それでも、彼女は王様と素材戦で1位になると約束してしまったのだ。

 勝たせてあげたいというのが人情だろう。


 とはいえ、今の私にできることはほとんどない。

 荷物は空間袋ごと提出しちゃっているわけだし。



「あ、そう言えば」


 ここで私はあるものをポケットの中にいれていたのを思い出す。

 それはダンジョンの奥で見つけた、キラキラと輝く石である。

 七彩晶の一種なのかもしれないし、足しになるのなら渡しておこう。


「あのぉ、これ、ポケットに入ってて忘れてたんですけど」


「なんじゃ、うっかりしおって! がはは!」


「ふむふむ、これはうぎ、ぐふっ、ぐほっ」


 鑑定士のおじさんたちに石をもっていくと、笑って受け取ってもらえた。

 ダンジョンに入っていたかどうかは魔力の残りかすによって分かるらしい。


 それにしても、私の石を受け取ったおじさんの様子はちょっとおかしかった。

 急に咳き込んだりして、風邪を引いているのでなければいいけど。



結果発表(けぇっかはっぴょぉお)!!」


 数十分後、ついに素材戦の結果が発表されるタイミングとなった。

 思えば色々あったけれど、これで終了なのだ。


 私の喉がごくりとなる。



「まずは王位継承権第1位のイリーナ! 5億とんで235万ゼニー! すっごいでこれ! こんなんみたことないで!」


 ひとまずの発表はイリーナだった。

 その額なんと5億以上。

 うちのダンジョンにそんな素材が眠っていたなんて!


「ふふふ、神眼のイリーナ様を舐めないでよね!」


 イリーナは皆の歓声にこたえて得意顔である。

 ふぅむ確かに、神様の目を持っていると言われるほどの目利きなのだろう。

 5億ってすごいよ。

 それだけあれば、ダンジョンの管理費だってすぐにペイできそう。


 あぁ、でも、彼女の見つけたお宝は彼女のものなんだよなぁ。

 


 色々と考えてしまうけど、次は私たちの発表だ。

 さぁて、どんな結果になるだろうか。


 隣を眺めると、ドレスが不安そうな顔をしている。

 さすがに相手が5億じゃ、微妙な顔になるか。


「どんな結果になっても、大丈夫だからね」

 

 私はドレスにいつだって明るい顔でいてもらいたい。

 ちょっとだけ近くによって、ぎゅっと手を握ってあげる。

 

 もし、この戦いで負けたとしても、クレイモアたちの援軍もあるのだし、少しは便宜を図ってくれるのではないだろうか。


「ありがと……」


 ドレスは私の顔を見て、驚いた表情。

 それから、ふぅっと息を吐いて、にこっとほほ笑む。

 いつもの明るい顔で。

 うん、いい感じ。



「それじゃあ、ドレスの発表やぁあああ! はぁ? えぇ? ちょっと待って、これホンマ? ホンマなん?」


 鑑定額の書かれた紙を受け取ったメテオがなにやらオロオロし始める。

 それから鑑定士のおじさんたちに間違いはないのかとやたらと尋ねる。


 鑑定士のおじさんたちは難しい顔をしたまま、「そのままで行け」のサインを送る。



「ドレスの鑑定額はひ、ひ、101億261万ゼニーやぁあああ!」


 はぁ?


 ひゃくいちおく!?

 あの猫娘、こんなタイミングで冗談かますんじゃないよ!


「ひゃ、百億だとぉっ!? そんなはずがあるか!」


「鑑定士ども、それは本当なのかっ!?」


 案の定、各王位継承者の皆さんも騒ぎ立てる。

 そりゃそうだ、半日しかダンジョンに潜ってないのに100億なんておかしすぎる。



「皆の者、よぉく聞け! ドレスのチームから、これが出てきたのだ!」


 ざわざわしていたところ、鑑定士の髭のおじさんが現れる。

 彼が私たちに突き出したのは、あの私の拾った石ころだった。


「なによ、そんな石ころ! ただの……うっそぉおおお、七彩魔晶じゃないの!?」


 イリーナは鑑定士のおじさんの前に現れると、顔に手を当てて「うきゃああ」などと声をあげる。

 やたらと興奮した様子で、それにつられて他のドワーフの皆さんも集まってくる。


「し、七彩魔晶だ……」


「こ、国宝と同じか、それよりでかいぞ?」


「信じられん、まだあったのか……」


 彼らは七彩魔晶とやらを知っていたらしい。


「いや、ちょっと待ってくれ、あっしはそれを拾った覚えがねぇぞっ!?」


 しかし、ここでドレスが物言いを入れる。

 黙っていれば勝利は確実だというのに、正直すぎる。

 まぁ、そういうところも含めて彼女のいいところなんだけどね。


「ふむ、これはお前の騎士が持ってきたのだ」


 鑑定士のおじさんたちは私の顔をじっと見つめる。


「ドレスの騎士?」


 ついで、皆の視線が私に集まる。

 ひ、ひぇええ、あまりに必死な目つきでちょっと怖い。あわわ。


「ど、どこで見つけたのだぁああ!?」


「これだけあればもっとすごい物が作れるぞぉおっ!」


「ずるいぞ、こんなものを見つけるとは! さぁ、さっさと発見場所を教えろ」


 彼らは私の発見を喜んでくれるけど、目が怖い。

 お祝いっていうよりも、脅迫に近い。


 これって正直に言うべきだろうか?

 私のあの温泉が破壊されることだけは避けて欲しいんだけど。

 うわっちゃあ、変なもの拾っちゃった。


【魔女様の手に入れたもの】

七彩魔晶:魔力伝導に優れた素材。魔女様がカルラと争った結果、一部の七彩晶が奇跡的に変化して生まれた。豆粒サイズですら膨大な魔力を吸収するため、用途は多岐にわたる。ほとんどロストテクノロジー状態。非常に高価。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「メテオのけぇっかはっぴょぉお、聞きたいなぁ」


「なんちゅうインフレした数字やねん……」


と思ったら


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― 新着の感想 ―
[良い点] 熱と冷気を均等...どこぞで聞いたような極大魔法名が思い浮かぶのは自分だけか?
[一言] そろそろ魔女様の男装解いて国主だと言えば………………………いや、それじゃ面白くないな( ,,-`_´-)੭ੇ৸੭ੇ৸ 魔女様がどう誤魔化すのか楽しみにしてます( ・ ∀ ・ )ニヤニヤ
[気になる点] 必死な死線 [一言] 視線の誤字なのか、死を感じるほどの視線という意味なのか、判断がつかない
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