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【WEB版】灼熱の魔女様の楽しい温泉領地経営 ~追放された公爵令嬢、災厄級のあたためスキルで世界最強の温泉帝国を築きます~【書籍化+コミカライズ】  作者: 海野アロイ
第8章 魔女様の冒険者ギルド誘致! 村の近所にダンジョンが見つかり、魔女様は14日ぶり8回目の大暴れ
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119.魔女様、ダンジョンの入口を封鎖しようとします。だけど、変なやつが近づいてきてますよ?


「行っちゃいましたね……」


 モンスターのスタンピードとはすさまじいものだった。

 千を超えるモンスターたちが一気に放出されたのだ。


 普通にしていたら、村に突撃してくるのだという。


 しかし、作戦は成功。


 モンスターたちはリリとメテオの悲鳴に誘われて、一目散に追いかけていった。


 さすがはリリにメテオ!

 伊達にモンスターから追いかけられてないよね。

 これからも誘導係をお願いしたい、いざというときには。



「それじゃ、私達の仕事を始めましょう」 

 

 私達の仕事、それはダンジョンの封印だ。


 アリシアさんいわく、スタンピードが終わったあとはダンジョンはほとんどもぬけの殻になるとのこと。

 このときにタイミングを見計らうことで、封鎖することができるらしい。



「よぉし、いくぞい!」


「おうとも!」


 村長さんを始めとして、村の猛者たちが岩で封鎖をする作業に入る。

 ドレスの部下であるドワーフの面々も手伝ってくれて、さっきよりも頑丈な壁になりそうだ。


 しかし、これはあくまでも仮初のものだという。

 弱いモンスターは出てこられないけれど、奥にいる強いモンスターは出てくる可能性があるからだ。


 それではどうするかというと、封印の魔法を二重三重にかけることらしい。

 冒険者ギルドから特殊な魔法を使える人を呼び出さなければならないとのことだ。

 封印が完了するまでの間、村人たちは門番をしなければならないらしい。


 うーむ、ダンジョンの管理って大変なんだなぁ。

 面倒くさいなぁ。



 ぐおがぁあっ!



「ふんっ」


 出遅れたモンスターも相当数いるようだ。

 村長さんたちはときおり現れるモンスターをやっつけながら作業をすすめる。



「す、すごいですよ、このダンジョン」


 アリシアさんは声を上げる。


 彼女はダンジョンの研究をしていたらしく、どうしてもというわけでここまでついてきたのだ。

 ちなみ護衛としてコラートさんも来ている。


 コラートさんは怪我もしていたのに、「決死の覚悟です」なんて言ってついてきた。

 リリに応急処置のヒーリング魔法をかけてもらったとは言え、責任感が強いなぁ。



「これはおそらく前期六大王時代のものですよ。あれ? この文様、どこかで見たことがある気がします」


「6つの円が重なっている文様ですね。うーむ、大昔のもので間違いないようですが」


「6つの円って……、あのぉ、大昔の6つの災厄って聞いたことがありますか?」


「大陸のあちこちが破壊されたあれですか?」


「えぇ、ザスーラだと北大陸の一部が破壊されたあれです」


 二人は辺りを見回して、熱心にメモを取っているようだ。

 ダンジョンが見つかったら、冒険者ギルドに一切を報告しなければならないらしい。


 彼らの話を聞いていても私に分かるはずもない。

 だれど、こういう遺跡って面白い。

 なんていうか、古代のロマンっていうか。


 モンスターを全部やっつけちゃって、子供からお年寄りまで楽しめる観光地にするほうがいいんじゃないだろうか?

 

 

 今後のことをあれこれ考えていると、遺跡の入り口付近に到着。

 それにしても、大きな入口だ。


 辺りは瓦礫だらけ。

 モンスターが溢れ出してきたときに一部が崩れてしまったのだろうか。


 内側をのぞいてみると、ほのかに明るい。

 まるで壁に魔石ランプがくっついているようだ。



「ユオ様、これはやっぱりダンジョンですよ。壁の光はダンジョン魔石です」


「ダンジョン魔石?」


「ダンジョン自体の魔力によって作られた魔石です。なんせ、ダンジョンは生きていますから」


「生きているの? 命があるってこと?」


「えぇ。ダンジョンはモンスターみたいなものだと言われることもあります。どういうわけか、壁が壊れても修復されますし、モンスターや宝物を勝手に生み出すんですよ」


「ふーむ」


 アリシアさんの話は実に興味深い。

 ダンジョンは生きているなんて生まれてはじめて聞いた。

 それだとモンスターを一掃するだけじゃ駄目ってことかぁ。

 観光地化は難しいのかもしれないのは、ちょっと残念。




 おぉおおおおお……


 そんなことを考えていると、風が流れているのか、遺跡の奥の方から不穏な音がしてくる。

 ちょっとカビ臭いにおい。

 ぞわぞわっと背筋に冷たい汗が流れる。


 いくら明るいからって、こういうのに潜りたいっていう人の気が知れないね。

 クレイモアはすぐに潜るとか言っていたけど、私はパスしよう。



「魔女様、そろそろ、終わりそうですじゃ」


 しばらく経つと、村長さんたちは頑丈なバリケードを作ってしまう。

 さっすがドワーフの皆さん、工作作業が早い。

 さっきよりも多めに魔物よけも置いたし、当分の間は大丈夫だっていう話だ。


 あとはハンナたちが上手くやってくれればいいんだけど。


 

 ……よくよく考えたら、あの脳みそ筋肉の二人は魔物をきちんと誘導できるんだろうか?


 少しだけの不安を感じながら、村の方角の空を見上げる私なのであった。





◇ ラヴァガランガ、魔物を吸収しながら地上へと上がります



 ごちゃごちゃとうるさい音がする。

 人間どもが上で何かを始めたのだ。


 小賢しい人間どもは、またも私を封じ込めようとしているらしい。


 愚か者め、もうその手は食わんぞ。

 私の封印はもう解けたのだ。



 大きく息を吐く。


 そして、もう一度、息を吸う。


 呼吸するたびに私の中に熱が溜まっていく。

 節々に感じる痛み。


 それでも体は動く。

 悪くはない。


 かつて人間の都市を破壊したときのように、私の体は怒りで溢れている。


 残念ながら、今の私の歩みは遅い。

 体の機能はまだ完全には回復していない。

 特に手足の末端はまだしびれている。


 問題はない。

 

 この洞穴を進みながら、私は体をさらに熱く変えていくことができる。

 なんせここには餌がたくさんあるのだ。


 びぎゃあ!


 うごぎぃ!



 魔物どもの鳴き声がひびく。

 ここは瘴気が濃く、魔物の質も高い。

 人間であれば束になっても敵わない魔物もいるだろう。


 しかし、そんなものは私にとって食料にしか過ぎない。



 うごぁあああああ!???


 私が軽く撫でるだけで、魔物どもは燃えていく。

 ふん、あっけないものだ。

 その魔力を吸い込むたびに、私の体はもとに戻っていく。



 逃げ惑う魔物たちに導かれるように歩くと、出口の光が見える。


 数百年ぶりの光。


 さぁ、蹂躙の時間だ。

 ありとあらゆる魂を燃やし尽くしてやる。

 人間どもの顔が苦痛と恐怖で歪むのが今から楽しみだ。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「ラヴァガランガ、頑張ってくれ……! あいつを止められるのは、お前しかいない!」


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― 新着の感想 ―
[一言] 出オチでよくわからんままに爆発四散かな…
[良い点] 次回 ラヴァガランガ死す! デュエルスタンバイ!
[一言] ランガさん、きみのことは忘れない(かも?) あ、ペットになれば、生き永らえる可能性あるか?
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