第二話 運命の出会いと言うべきだろう
「うっ……」
ずきりと頭に痛みが走り、少女は体を起こした。
辺りを見渡すと、少女ほどの高さもある草が生えている海岸のような所だった。
激流に揉まれた彼女だったが、運良くすぐ近くの陸地に打ち上げられたらしい。
とはいえ谷の壁はほぼ垂直で、上に登るのはまず無理だろう。
泳ぐにも彼女はそこまで体力は無く、そもそもこの激しい川の流れではどんな人間も泳ぐことは無理だろう。
つまるところ、彼女は完全に詰んでいたのだった。
「うっ、うっ、お母さん、お父さん……」
自分の置かれている状況を理解した少女はうずくまり、その場で泣き始めた。
まだ幼い少女を襲った悲劇はあまりにも残酷で、彼女の平穏な暮らしは一瞬にして破壊しつくされた。
叩きつけられた理不尽な現実にただ、泣くことしか出来ない。
胸には確かに理不尽に対する怒りが湧いてくる。
しかしか弱い少女はここから脱出するすべも無いのであった。
そうしてしばらくすすり泣いていた少女は、ふいに顔を上げた。
「……?」
何か、音がした気がした。
ごうごうと流れる川でそれは実に微かな音だったが、彼女の耳にしっかり届いた。
「誰か、いるの……?」
導かれるように彼女は草をかき分け、音の聞こえた方向に向かう。
するとそこにあったのは、壁に空いた小さな洞穴だった。
背丈の小さな彼女が体を屈めなければならないほどに小さな穴。
そこに彼女はためらいもなく体を押し込んだ。
さっきまで泣いていたのはどこへやら、ひたすら彼女は穴の奥へと進んでいった。
突然、視界が開ける。
「……え?」
そこで少女が目にしたのは
「人……?」
壁にもたれかかる、一人の少年だった。
自分より年上だろう。15か16くらいだろうか。
壁にもたれて座っていてもなお、少女と目線はあまり変わらない。
生きているのだろうか?
おそるおそる、少女は少年に手を伸ばす。
「だ、大丈夫ですか?」
少年の腕に触れたまさにそのとき。
少年の目がゆっくりと開いた。
「ひゃあっ!?」
おもむろに立ち上がり、目の前の尻もちをつく少女には目もくれず、少年はぼんやりと自分の手を見つめていた。
「あの……」
少女が声をかけると、少年は少女の存在に気づいたようで、
「始めまして、マスター」
「マ、マスター?」
「そうです。……あなたが私を作ってくださったのではないのですか?」
「え?……作ったって、どういう意味ですか?」
「……なるほど、私が眠っている間に、何かあったようですね。」
そう言うと少年は自分の服をめくり、自分の胸を開いた。
「まずは自己紹介を。私の名前はイオン=ターナー。名もなきマスターによって作られた、意志を持つ機械です。」
口をぱくぱくさせる少女に、イオンはそう自己紹介をした。
時間が足りないので今日はここまでにします。
次回はいよいよ、痛快な復讐の始まりです!
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