こんな事もあるのが私の職場です><
「妻の為に、自分はこれまで努力してきました。」
「好きでもない妻の蒸れた好意をこの肌で感じ、ただ身体を重ねては愛の言葉を囁く。勿論私は彼女に興味はありましたよ。親の紹介からたったの2ヶ月で結婚、嫁方の祖父から土地や建物も相続しましたし・・・」
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はい、どうも! 異世界窓口18番担当の佐藤です↑今日もいい天気ですね、いつもと代わり映えしない業務を淡々とこなす日々には染み渡るものがありますよね
そんなわけで今日も受付はいつものように。
「そうなんですねー」「大変でしたねー」「お疲れ様ですー」と相槌を打つちます。
「わかりますよー」「ひどいですねー」「よく頑張りましたねー」と付け加えると仕事してる感はグーーンと上がって最強です!聡明な私が考えたんだから間違いありません!心の中で(えっへん)のポーズを決めちゃいます!やっぱり私っすごい!?と悦に浸っているところに、私を呼ぶ声が。
「佐藤さん、佐藤さん!、佐藤さん!!」
「はい!」いっけない>< 業務中に考え事をしてしまいました
「申し訳!要件は異世界への切符で、転生を希望なされるんですよね?」
「転生希望でしたらこの先、クリエイトの間まで係の者がお連れしますので向かって右側の待合室18にてお待ち下さい。こちら詳しく記されたパンフレットがありますのでよろしければ。」
何度目か分からない説明を終え、次のお客様をお世びする準備に取り掛かかると先程のお客様が待合室から鬼の形相で私の元へ
「どうかなされましたか?」満面の営業スマイルはいつだって忘れません。勿論ここでもスマイルです!
って、あれ?私は誰?じゃなくて痛い、頬が焼けるように痛い、てか殴られた!? なんでなんで
「佐藤さっんんんさぁ、転生希望って言ったよね?俺言ったよね?ああ!?なんだよこれ、」
殴られた衝撃で受付カウンターの床にお世話になっていた私はなんとか起き上がりましたが、突きつけられたパンフレットを見て、(なるほど)と思いました。ただ私の勘違いで事を運ぶと事後処理が大変です。 もう一度確認しなくては。
「どうかなされましたか?」満面の営業スマイル?で。頬痛い・・・
「だからさぁあ!?俺は転生希望なんだよ!?なんでこんな所に転生なんだよ!?」
うーん。やっぱ勘違いしてる!あっ勿論私じゃないよ?
「お客様、申し訳ありませんが、お客様の転生先は<地獄>でございます。沢山の不安に押しつぶされそうな気持ちは重々承知しております。ですが待合室18にてお待ち下さいますようお願い申し上げます。」
ああ、もう、また殴られました!! 今度は左の頬!!
「俺の話聞いてたか!?!なぁ!?!」
あーもう、語尾がすごいことに、多分文字に起こすと!?! こんな感じになってよこれ
「ですかr」 ぎゃーー鼻殴られました!! こうなったら!
「申し訳!」お客様達がお座りになるパイプ椅子が私の頭上を飛んいきました・・・
私は土下座しました。その上で懇切丁寧に説明します。
「お客様は生前にご自身の妻を殺害。証拠隠滅の際に殺害の事実を知ったご友人をその家族ごと4人刺殺。音信不通を心配した妻の祖父母を絞殺し、人を殺害する快楽を知った客様は関係のない人間をその後7人殺害。警察に捕まる事を恐れたお客様は自殺。」ここで一呼吸。
「近年は数世紀ぶりの異世界ブーム、お客様のように生前罪を犯しても自殺して次に転生すればいいとの安直な考えによって転生されては転生先に多大な迷惑が掛かってしまう。そこで私達案内人を増員し、死んだ人間を一人ずつ調査し転生先を決める今の形になりました。」後もうひと踏ん張り!!
「転生は生あるものの権利ですから、お客様のような自分勝手で横暴で野蛮で」やばい?止まらないかも(笑)
「暴力男にも転生を希望された場合は転生先を私達側で規約に準じて紹介しています。お客様は先程もお伝えし、パンフレットにも記載さてている通り、<地獄>が転生先になりますからどうか待合室にてお待ち頂ければなと。」よし!完璧!さすが聡明な私、これでお客様も納得して
「・・・・・・・・・!!!!!!!」 再び鬼の形相
あっ私、死んだかも
異世界窓口19番にて
「で、あんたは、なんでここにいるの?佐藤」 同僚の鈴木さんだぁ
「いやーー、殺されちゃいました(笑)」