赤ずきん BADEND
むかしむかし、ある村にずきんを被った村一番の可愛らしいメイジー・ブランケットと言う女の子がいました。
ある日、メイジーは急病で倒れたお婆さんのお家へ、お使いに行くことになりました。
お母さん「メイジー、お婆さんの所にこの葡萄酒とパンを届けてちょうだい。寄り道してはいけませんよ。」
メイジー「うん!分かったよ!」
メイジーはそう言って家を出ました。
暫く歩いていると狩人のおじさんに会いました。
狩人「おや?メイジーどこに行くんだ?」
メイジー「あ!狩人のおじさん!私は今からお婆さんの所へお使いに行くの!」
狩人「そうか、メイジーは偉いなぁ!では、狼に気を付けて行ってくるんだぞ?」
メイジー「分かってるよ。またね!おじさん」
メイジーは再びお婆さんの家に向かい歩き出す。
また暫く歩いていると今度は分かれ道にメイジーは立っていた。
メイジー「あっちにはお花畑がある!ちょっとだけなら行っても良いかな?」
メイジーはお母さんに言われた約束を破り寄り道をしてしまいました。
メイジー「わぁ!綺麗なお花!お婆さんに持って行ってあげよう!きっと喜ぶわ!」
すっかり辺りは暗くなりメイジーは慌ててお婆さんの家に向かいます。
メイジー「どうしよう、もう暗くなってしまったわ。早くお婆さんのお家に行かなきゃ。」
メイジーは辺りが暗くなってからお婆さんの家に着きました。
メイジー「やっと着いたわ。でも、お婆さんのお家は灯りがついていないわ。どうしたのかしら?」
お婆さんの家に灯りがついていないことに疑問を抱きながら恐る恐るドアを開けます。
メイジー「お婆さん?居ないの?」
ドアは軋みながら音を立てて開きます。
ドアを開け中を見ると誰も居ません。
メイジー「おかしいわ、お婆さんが居ない。」
メイジーはテーブルの上に葡萄酒とパンの入った籠を置きお婆さんの寝室に向かいます。
メイジー「お婆さん?寝ているの?」
寝室の中を見ると壁一面に血がベッタリと着いていて窓ガラスが割れており、ベットには腸を抉られ生気を失ったお婆さんの死体があった。
メイジー「!?!?!!」
メイジーは声にならない悲鳴をあげその場にへたり込んでしまいました。
メイジー「どうして?こんな...!お婆さんが...死んで...」
メイジーはその場から走って村へ逃げました。
村へ帰ると村は騒然としていました。
メイジーは狩人のおじさんに尋ねます。
メイジー「おじさん何があったの?」
狩人「メイジー...心して聞いてくれ...」
メイジーは固唾を呑みます。
狩人「実はな...お前の母が狼に殺されたんだ」
メイジーはそれを聞いた瞬間、目眩がして倒れてしまいました。
倒れる寸前に、
アオーン...
遠くで狼の鳴く声が聞こえました。
ふと、目が覚めると眩しい朝日が昇り始めてました。
メイジーは知らない部屋のベットに寝ていました。
辺りを見回すと狩人が椅子に腰をかけて寝ています。
メイジー「あの後...私...倒れて...」
メイジーは思い出します。
メイジー「そうか、お婆さんとお母さんは狼に殺されて...」
頭の隅に狼の鳴く声が響きます。
メイジーは何かを決意して立ち上がりました。
メイジー「私は...お婆さんとお母さんを殺した狼に復讐する...!!!」
数年後
メイジーはすっかり大人になり町の冒険者組合に居ました。
メイジーは村に居た頃とは変わり美人になっていました。
冒険者達はメイジーを見て口々にこう言います。
「アイツの外見に惑わされるな」
「アイツは何時も赤いずきんを被っている」
「アイツのずきんは血塗られているんだ」
「アイツのずきんは人の血じゃなくて狼の血で染まっているんだ」
「アイツは狼を容赦無く殺す」
「何時からかアイツはこう言われてる」
「"狼殺しの赤ずきん"ってな」
赤ずきん BADEND 「狼殺し」
お手に取っていただきありがとうございます。
作者の赤い人です。
本作は如何でしたか?童話「赤ずきん」の狼が何故喋って、腹を割かれても眠っているのか?
何故お婆さんは狼に丸呑みされて生きていたのか?と言う疑問を浮かべながら執筆していました。正直「赤ずきん」は童話と言うよりホラー要素の方が強いと感じました。童話って思ったより残酷ですよね。
最後まで見ていただきありがとうございました。