目は奇妙な気球のように無限に向かう
私たちをひっぱるものは目
目は奇妙な気球のように、ぶらさがった身体を持ちあげて
見えない世界へと、向かわせる
目に見えるものは、見えない世界へのよすがになる
だから、おろそかにしてはいけないのだ
木々を見なければならない
「木々」の意味するなにかではなく
目の前にある木々を
……木、一本でもいい……
旅はそこから始まる
私たちをひっぱるものは目
目は奇妙な気球のように、ぶらさがった身体を持ちあげて
見えない世界へと、向かわせる
持ちあげられた私たちは
とても自然ではありえないような
人工的な空想のなかへ入りこむ
おもしろくもあり
怖くもある
そんなとき、ふとうえを見ると
相変わらず、ほのおが燃えていて
そばにはいつも自然のあることを教えてくれる
目はいつも、あるがままを
しっかりと見ながら、私たちをみちびいてくれるのだ
私たちをひっぱるものは目
目は奇妙な気球のように、ぶらさがった身体を持ちあげて
見えない世界へと、向かわせる