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海の見える崖の上で

これで最終話となります。お待たせいたしましてすいません。

終末ってこんなもんじゃないかと思い、当時の私は考えて作った話ですが、元が原稿用紙五枚程度でしたので、話がさらさらし過ぎていて案外さっくり逝く感じでしたね、色々と。

でもたぶん、本当に終末がやって来たらこんな感じでサラッと終わりそうですが。


痛いのヤなので、一瞬で終わらせてほしい。

そんな気持ちで書いてました。

どうでしたでしょうか?

では、お楽しみくださいませ。

良い、終末を。


 樹木が溶けていっておるな。


 そのようで。


 草木が残らず溶けてしまうなぞ、予想だにして居らなんだわ。


 倒壊する新宿副都心のビル群を背景に望みながら、儂は装甲車の車中で臍を噛みつつ通り過ぎていく景色を眺め嘆息する。


 奇病発生から五十四日、総理として就任してから二十八日。最善の手を打ってきたつもりであったが、為すところなく終わりを迎えようとしている。


 無論終わりは、総理としての立場ではない。人類が終わろうとしているのだ。




 我々は所在を転々とさせながら政治を行っていた。転々とだ。

 武装集団が各地で発生し、我々が付け狙われたからではない。




 全て奇病の所為である。



 常にこちらの予想を裏切り、さらにその上を突く。生物なのかそうでないのかすらも、最後まで分からず仕舞いであった奇妙な物体。



 見よ。文明も生命も、総て喰らいつくし君臨する様を。



 続々倒壊する建物は、コンクリート製だろうが木造だろうが皆、奴の栄養にされ粉のように崩れるか、溶かされては朽ち消えていく。


 コンクリートは、その成分に含まれるカルシウムやケイ素が飲み込まれているのだろうの。木造はもはや言うまでもない。人間はおろか、あらゆる種類の動植物を痕跡残さず喰らう奴らだ、木で出来た家屋など今や一飲みであろうな。


 ここも危なくなってきたようです。降りても宜しいかどうか、車長が尋ねてきておりますが如何いたしましょう。


 長年に渡り連れ添ってきた政策担当秘書が許可を問うてきた。

降りよう。


 畏まりました。

 ああ、それから。

 はい。

 以後、儂の許可を取るまでもありません。車長が最善と思う道を使う様に申し伝えなさい。


 畏まりました。


 乗車している96式装輪装甲車が先頭を走る10式戦車の後に続き、後方を警戒し砲身を後ろの向け警戒中の16式機動戦闘車も首都高速を下った。


 直後、首都高速の路面ブロックの一つが傾き轟音を立て落下したのを皮切りに、次々と接合部が外れたブロックが崩壊していった。


 間一髪で御座いました。

 そうだの。


 アレを走っていたのが儂だけであれば、留まっていたであろうが。


 防弾ガラスが張られたキューポラから外を眺めさせてもらう。そこにはかつて世界有数の大都市と謳われた東京の面影はない。


 高層建築物はほとんど建ってはおらず、東京都庁ですら上部三分の一が崩壊、残った部分も自重を支えきれそうになく、小刻みに振動を繰り返しているのが割れずに残ったガラス窓がそれを教えてくれる。


 人っ子一人いない、生きて動くモノさえない廃墟。


 通信は何処からもないか。


 御座いません。


 アメリカはどうだ。


 昨日正午より、星条旗よ永遠なれを延々全世界に向け放送しておりましたが……。


 放送が尽きたか。


 いえ、good・by good・byとだけ繰り返す放送が、微弱な電波で途切れ途切れ為されてはおりましたが。


 交信は出来そうにないか。


 大統領が籠ったノーラッドからは、この送信しか受け取れませんので。


 もはや逝ったか。


 恐らくは…。


 ふむ。アメリカでさえこうでは、他の国々はもうダメか。


 はい…。


 そうか。では幕引きに海でも眺めに参ると致すか。


 畏まりました。申し訳ないが海へ向かっていただきたい。



 …了解。



 車長であり、この小さな部隊の指揮官でもある三尉が無線で各車に指示を伝える。


 雨に溶け込んだ奇病に地下施設まで汚染されてしまった首相官邸を放棄して、連絡が取れ通信設備の整った施設への政府機能移転を図る他なかった儂らは、ここ六日間にわたり各地を転々と彷徨ってきた

市ヶ谷に大宮、入間に朝霞。色々巡ったが、よくて二日、悪くて半日も持たずに機能を停止。皆亡くなってしまい。儂は危ないと感じた瞬間には逃げ出していたのだ。


 こういう感だけは昔からあった。


 いや、儂にはこれしか政治能力が無かったのかもしれない。


 ひたすら逃げ、逃げた先で益になるようなことが出来るわけでもなく。どこかに救いはないかと、ただひたすら通信を繰り返すだけだった。


 故に、外部通信設備を強化して貰ったこの装甲車に乗っているのだが、まさか車内に申し訳程度の座るところしか無くなってしまうとは、思いもよらなんだがの。


 とっくに、この国では必要とされていなかった総理という名の存在価値。


 もしも、人類に後世というのがあったならば、こう教科書に書かれるに違いあるまい。


 滅びに瀕した国民を多数殺害した独裁者。


 なんら為すことなく、無益に国内を混乱させた無能な政治家。


 どちらにしろ、歴史に残る悪名になるのは間違いあるまい。


 あの奇病が発生し拡大の際、日本の内外問わず戦後初めて最大の国難に見舞われたと確信した儂は、これを上手く利用出来れば、日本を戦後からの呪縛から解き放てる好機になるのではないかと考えたのだ。


 日本は敗戦70有余年の時を経てもなお、未だ戦後のままで、国民が思い描く戦争も太平洋戦争を連想するだけだった。


 中東をはじめ世界中で発生している戦争・紛争の類は、時代遅れも甚だしく、現代戦争の知識に乏しいマスコミや自称知識人、国民にもある程度は理解可能だった。それにこれらの事態にアメリカが関わっているとなると血相を変えて報道するのが常であった。


 報道の公平性を唱えるならば、常に当事国と関係各国の実態なり思惑なりをも伝えるべきで、ただ一国を中心にモノを伝えるべきではない。


 特定の国と単語にうつつを抜かして書き連ね、それで注目が集まり売り上げや広告費に直結すればよい。それでは戦前戦中のマスコミの姿勢と何ら変わらぬ。


 つまるところマスコミは単に企業であり、それ以上でも以下でもなく、体質においては戦前のままなのではないか。


 そして知らされる側の国民も、終戦直後の状態で思考が停止し、たまに戦中に戻ったりを繰り返していただけではないか。


 儂は大した知識もなく、情報も知恵もなく、平和を唱えながら暴力に訴えた学生運動にのめり込む大学の旧友たちを眺めながら杞憂し嘆息し、この呪縛を断ち切るべく、元帝国海軍情報課出身の将校であった親父の後を継ぎ、政治家になったと云っても過言ではなかったのだ。


 無論、これは儂だけの考えではない。同調する者達が大勢いたからこそ 政治家としては一角の存在になり長年に渡り徐々にではあるが計画が推進をきたのだ。


 しかしながら、全ては画餅に帰した。


 儂は、儂らは判ってなかったのだ。


 何も知らない筈の国民は、肌で感じているという事を。



 人は恐怖に怯え、憤る。



 こんな重要な事実を忘れていた方がどうかしていると、今更ながら言わざるを得ない儂らは何も気づいてはいなかった。


 今回の奇病が人類の制御を一切受け付けない物体であるという事実と、時を経れば経るほど動物的直観で嫌悪感を示し、恐怖を募らし、人はあらゆる手段を模索しながら生きる術を探るということをである。



 儂らは国民を保護し、生存するための方策を出来得る限り手を打って対処しようと試みた。



 その一つが、自然な流れで大手マスコミを封殺し、潰れる寸前で手を差し伸べこちらに取り込む方策であった。


 奇病の脅威に対抗する目的で発せられた国家非常事態宣言と、これに伴う外出禁止令よる運輸事業の混乱解消を行う為と称し、急遽政府主導の重要物資統制輸送に転換させた結果、やがて配達行為そのものが出来なくなって枯れ死した新聞を皮切りに、電力統制でテレビやラジオの放映時間を減らさざるを得ない状態になってもなお、奴らは苦し紛れに政府の批判を続行させていたが、これらにより広告宣伝する意味のなくなった企業達は、災害後の復興を視野に入れ余計で無駄な費用を見直した。


 これで息の根が止まる寸前に追い込めた。


 案の定奴らは国家非常事態立法が成立する以前から、政府に要望していた財政支援を受け入れる代わりに政府傘下で活動することを承認させた。


 言ってみれば統制なのだが、あの時分はこれでいいと儂らは思っていた。


 ネットにしてもアメリカが崩壊寸前であったので、政府主導で管理下に置くのは割合容易ではあったが、何事もやり過ぎはいけないので主要情報や犯罪情報に関しては政府統制管理下に置くことに留めた。

が、予想をはるかに超えた奇病の進化と蔓延に、儂らが期待した未来は取り残されてしまった。


 防護服などの奇病対策に重要な衛生物資の生産や食料飲料に日用品などの配給が、凄まじい勢いで国民を死に至らせる事態によって、予定を大幅に下回る供給量しか配布できない様相を呈し出したのだ。


 即ち、政府主導で各メディアを通じ発せられる配給情報通りに、国民が必要とする物資が届かなくなったのだ。


 そして事件が起きた。


 偽りのネット情報に突き動かされた一握りの国民たちが、巡邏中のパトカー二台を襲い警官七人を殺害、装備していた防護服を始めとして拳銃六丁までも奪い武装したのだ。


 しかし、この状況は予想していた。


 というのも奇病が世界中で確認された際、多くの国ですぐ起こった現象だったからだ。


 対策は調っていた。防衛省及び自衛隊上層部には当初反対意見が多かったが、さりとて救援活動を行っていた部隊が襲われ出すと、そうもいっていられなくなるのも織り込み済みであった。


 同じ目に合っていた警察消防に各自治体同意のもと、自衛隊を中心とした掃討作戦が決行された。


 ここまでは儂らの目論見通りであった。お陰で国会前で騒いでいた過激派やそれに類する組織も同様の騒ぎを興してくれていたので、一網打尽にすることが出来たからだ。


 これであとは奇病さえ無事に治まってくれれば、世界中でまともに機能している先進国家は日本のみ、あのアメリカでさえ青息吐息の虫の息だったのだからな。


 計画では、日本を戦後のふざけた呪縛から解き放ち、既に崩壊の際に追い詰められた世界に希望を与えることが出来る唯一の国家として、世界に君臨出来るの目論見になっていたのだ。


 マスコミは盛んに憲法のたった一文のみを強調し、敵対関係にあった野党連中もそれに固執することでマスコミ同様、新たな潮流や改革を阻止し所有する権益を守ろうと躍起になっていたが、だが、そんなものは儂らにはどうでもよかったのだ。


 時代が塗り替えられれば、制度も立場も地位すらも入れ替わるのだから。


 そう。日本国の基本構造さえ崩さねば、この国の歴史が教える通り政治体系そのものをガラリと様変わりさせることなぞ、造作もないと儂らは考えていたからなのだ。


 政党だろうがマスコミだろうが知識人だろうが大企業であろうが、国の発展を阻害する既得権益を根こそぎ崩し去り、緒制度を根底から刷新し、国民が皆で労苦を共にし共に政治に参加し考え撰ぶ、この国に相応しい形の民主政治を作り出そう。


 儂と共に密かに立ち上がった同志は皆、許しがたい話ではあるが歓喜した。


 奇病が我らに絶好の機会を与えてくれた。儂らはそうだと信じていた。


 その筈であった。


 奇病がそれを許さず、その上、国民も許してはくれなかった。


 国民はそのような夢よりも先ず、命が救われることを熱望していた。



 当り前の話であった。



 儂ですら命が惜しかったのだから。


 災害後の復興に向け、各地で救出した国民を保護したのも、必要な知識人も早期に保護したのも、また政府再建に必要な要人を分散させ保護したのも無駄であった。


 とある官僚連中が万全の体制などとうそぶいた、生産供給システムは僅か二週間余りで動員された人々の死亡と離散で幕を閉じ、あとは消滅したか内戦中の各国と同じ道を歩み出したのだ。



 恐怖。



 これに支配されて日本は瓦解したのだ。


 結局、儂らがやっていたことは戦前の生まれ変わりを演じただけであった。



 統制経済、報道統制、言論統制、国民統制。統制、統制、統制。



 今更ながら失敗を招き入れていたようなものであった。


 儂らが心から嫌っていた戦前の亡霊を、早急に解決する道筋と思い、知らず知らず自ら呼び起こしたようなものであった。


 そう、儂らに反対を表明していた奴らと同じ道を歩んでいたのだ。


 阿呆極まりない。


 例え、奇病が死滅したところで、国の滅亡は約束されていたようなものだったろう。


 国民を見ているつもりで、自分の理想ばかりを見ていたのだからな。



 ふう。


 どうなされました。


 いや、気にするな、愚かな老人の馬鹿な夢を振り返っていただけだからの。


 一気に老け込んだらしい儂の姿に、驚いたらしい政策秘書が話しかけ、力なく立ち上がり損ねた儂に思わず手を差し伸べてきたのを振り払った。


 大将、着きましたぜ。


 君、総理に対してその口の利き方はなんだ。


 激昂する政策秘書を押しとどめ、そうか。とだけ装甲車の車長である三尉の階級章をつけた男に返事をした。


 終焉の地にはもってこいの場所でしょう。どうですか大将?


 うむ、悪くない。


 キューポラから覗き見える、透き通るような青空に儂は満足した。


 まさか、お出になるので?


 不安げな表情の秘書に聞かれたので、うむ。と一言だけ告げる。


 良いのだろう?統合幕僚長殿。


 儂も軽口を叩く。


 もう行くところも燃料もありやしません。許可しましょう大将閣下。


 ハッチが開かれ外に出る。


 辺りに草木は無く、地球本来の自然が雨に濡れてそこにはあった。大地だ。


 では参ろうか。


 着込んでから早五日、大宮で一回脱いだっきりの加齢臭がしみ込んだ防護服が、車体の突起に引っかからないよう注意して地面に立った。


 おお!


 崖の上に停車した儂らの眼前には一面、底まで透明な陽光が溶け込む海が広がっていた。


 地球とは、これほどまでに美しい星であったのか。


 生命が消え失せた海は、水平線に近付くほどに蒼さを増してはいくが、目前のクリスタルの様にキラキラ輝く水は、まさに清水そのものであった。


 まるで塩水ではないかのようだ。もしかすればしょっぱくないのかもしれぬ。


 儂は余りの神秘さに心まで溶かされる思いがした。


 さあ、総理。気が済みましたら車両に戻りませんと、御身体が……。


 ここでいい。


 ハッとなった秘書が膝を付き泣き崩れた。


 わらわらと護衛役を務めていてくれた自衛官やSPが車両から出て来てくれた。


 辞世の句でも読みますか、もっとも、うちらも長くはないでしょうから、紹介する機会は永久にやっては来ないでしょうがね。


 三尉は笑いながら話す。


 そうだの、確かにそうだ。やめておく。


 国民に対する罪についてなら、大将もうちらも同罪だ。うちらは結果、何にもなさなかったのですから、今更悄気る必要もありませんぜ。


 左様。


 では、気兼ねなく御最後とやらを迎えてやってくださいな。


 儂は暖かい太陽に手を合わせ、防護服のヘルメットを脱いだ。


 久しぶりに感じた自然の風は、心地よかった。


 奇病発生から数えて四代目の総理は、ほとんど一瞬で赤い塊になり身体は崩れ、大地に倒れた時には透明な水になり海に流れ落ちた。


 秘書も後を追い、水になり総理に混ざった。





 どれ、二曹、生き残りは何人いるんだ?


 そうだねェ。六師団からの付き合いは三尉とおれと陸士長とくらいで、あとはSPが二人に一師団のが四人だね。


 そうか、で、あんたらはどうすんだ?


 三尉は並んで敬礼を水総理に送っていた他の連中に声を掛ける。


 もしよろしければ、装甲車をお貸しいただきたいのですが。


 どうすんだ?


 生存者がいないか捜したいのです。


 最後まで諦めきれない、か。


 好きにすればいいさ。ただし燃料はあんま残ってないから、どっかで見繕ってくれたら助かるんだが。


 了解いたしました。

 感謝いたします。


 生き残り自衛官と、生き残りSPが、こちらに対してきびきびした敬礼をして、直ちに出発の準備に取り掛かる。


 いいんですか三尉。


 構わないさ、どうせみんな消えちまう。


 俺たちもですか?


 そりゃそうだろうさ、みんな消え失せる。


 まあ、そうでしょうけどね。死ぬのめんどくさいなァ。


 これから死ぬってのに、呆けた面してやがるな。まあ、辛そうな顔をしていたらしていたで、面倒くさいが。


 ああ、そうだった。陸士長。申し訳ないんだが、車に背嚢忘れちまった。取って来てくれると助かるんだが。


 ……分かりました。


 コイツは別だった。脳みそがマヒした二曹と違い、マトモな神経を維持しっぱなしだったの、すっかり忘れてたわ。


 力なくペタリと地面に座っていた陸士長が現実を拒否する様に立ち上がり、エンジンをかけ出発寸前の装甲車に声を掛ける。


 では、行って参ります。


 ああ、達者でな。


 またどこかで再開する日を楽しみにしています。


 まあ、ヴァルハラだろうけどな。


 これに対する彼らからの返事は無い。代わりに……。




 三尉殿に対し、敬礼!!




 出発する直前に装甲車と機動車の前に整列した彼らは、整然と見事な敬礼をしてみせた。



 いってらァ~。



 うちのちゃんとした答礼と、二曹の気の抜けた敬礼に見送られ、装甲車と機動戦闘車がエンジンの音も囂々と響かせ旅立っていった。



 あの、持ってきました。


 ああ。あんがと。


 またも力なく座り込んだ陸士長を横目に、背嚢をあさり出す。


 ちょっと丁寧に扱ってくださいよ。もとは俺んのだから。


 ボカロの曲を冥途の土産に聞くだけだよ。実家は神社だけんどな。


 なら、黄泉土産とかでしょうが。て、三尉は隠れオタクですか。


 正々堂々としたサブカル好きだが、文句ある?


 う~ん、人生最後にしてはパッとしないなァ。


 いいんじゃないですか、あたしは聞きたいです。


 少し生気を取り戻した陸士長が顔を上げいった。


 もしや君、お仲間?


 違います。


 あらそう。まあいいや、丁度こんな状況にピッタリな曲があんのよ。


 なんですかそれ?


 初音○クのね、※ハロー、なんちゃらって曲なんだけど。あったわ。


 ふ~ん。知らね 。

 …………。


 興味なさげな二曹をよそに、陸士長は知っているみたいだ。


 じゃ、早速かけるぞ。


 昔のゲームのような旋律の曲が流れ始める。


 終末にはうってつけの曲。


 人生の最後に聞くにはうってつけだと取り込んだ曲。


 三人海を眺めながら黙って聞くにふさわしいかどうかは判らないが、うちが聞きたいんだからいいだろう。我がままさせてもらうさ。


 何処までも青い空が、墜ちる人工衛星の流星群に囲まれ流れていく。


 快調に走っていた装甲車と機動戦闘車が、不意に崖の下で止まった。


 陸士長の涙で濡れた顔が、澄んだ水になった。


 二曹が立ったまま手を周囲に振り、蕩け倒れ、透明になった。


 そしてうちも……水に…還る……。







 奇病は地球に住まっていた人々の思惑など関係無く、粛々と生命を捕食し食べつくした。


 やがて、餌を失った奇病は地域ごとに進化したお互いを食べあい、最後に残った核は餓死して消えた。


 地球は水と大地だけの澄んだ星になったのだ。




 この星にまた生命が誕生するかどうか、それは誰にもわからない。





  地球・RESET。 リセット完了。


どうでしたでしょうか?

いずれまた気になる部分は改稿していく予定ですが、終わり方は変更有りません。

終末を楽しんでいただければ幸いです。


次回作は楽しい話にするつもりです。ダークさは出てしまうかもしれませんが、主人公もヒロインもいますし、ちゃんと名前も予定されていますので、ご安心を♪

では、また~。


追伸。一週間に一回又は二回づつ上げていく予定です。毎日更新は、働く奴隷には辛かったです。すいません。しません。ねちゃいまs


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