【原初】
次回は3日後かな
魔王ディフェルの世界征服
第3話【原初】
「ここは……?」
目を覚ませばそこはベッドの上だった。
自分の体にある傷は全て直され、目の前には豪華な食事が用意されていた。
「目が覚めたか」
「貴方は……?」
ウィルの目の前には数人の男女が立っていた。
「俺の名前はエンドだ。ここのダンジョンの経営者だ」
「私はガイア。ここのダンジョンの医者をやって居る」
「僕はアクア。名前の通り水に関することをしているよ」
「私はスカイ。よろしく」
「俺はシャd...「後の奴らの名前はシャドウとデルタ、アルファにクロノス、ルドだ。仲良くしてやってくれ」……」
目の前の人たちは自己紹介をした。
「俺の名前は……」
「君の名前はウィル・ヒューランだね?」
もしかしたらこの人たちはいい人に見せかけて自分を殺そうとしているのかもしれない。
そう警戒すると、
「警戒しなくていい。別に命を狙っているわけではない。ただ話を聞いてくれないか?」
「話?」
「そう。単刀直入に聞きたい。世界を変えてみたくないか?」
「滅ぼしたい」
「なら、力をかそう」
「……………。一ついいですか?」
「何だ」
「どうして俺が力が欲しいと知っていたんだ」
「……………」
「やっぱり……」
俺を殺すつもりなのだろう!!
そう叫ぼうとした時、ガイアが口を開いた。
「私の言うことを信じるのであれば私たちがどういったものなのか話そう」
「……わかった信じよう」
「私達は………原初の世界の創造者であり、破壊者だ。私は生まれた時から主神の称号があった。それに対し、エンド達には魔神、邪神の称号が付いている。
神と邪神は対立しているはず。そう思うだろうが、私達はそうではあるが、同時にそうではない。お互いの存在は認め合っている。
邪神が生まれる理由はただ一つ。負の感情が溜まりに溜まった時、それを表現するために邪神は生まれる。邪神は世界の負の感情ととっていい。まあ、これはどうでもいい。
私……いや、私たち原初の世界が言いたいのは最近の世界は許せないと言うことだ。
最近の世界の管理者は人によって差別を行う。
君が力を持っていないのはそれが原因だ。じゃあ、君の力はどこに行ったのか?それは……これからこの世界に現れるであろう勇者という巫山戯た存在に渡されたよ。勇者という存在は不要だ。別世界からの侵攻がない限り、他の世界から拉致するのはご法度だ。だいたい世界は何れ滅びるものなのだよ。信じてもらえるかな?」
「……わかった」
「それは良かった。じゃあ、エンド。まずはどのくらい力があるのか測定してやれ。測定結果は私に渡してくれればいい」
「さあ、付いて来い」
ウィルはエンドの後ろをついていった。
向かった先は魔石が置かれた小部屋だった。
「ちょっとじっとしてろよ。……………よし、じゃあステータスを見せてもらう」
ウィル・ヒューラン
人族 12歳 男
Level 1
体力 51/51
魔力 1020/1020
攻撃 5
魔攻 7
防御 9
魔耐 2500
俊敏 15
命中 21
回避 0
回復 6
技術 18
知能 200
運 0
スキル なし
称号:【神に見放された存在】
魔法適性:古代、時、空間
「酷いな……。?なあ、どうして魔耐がこんなに高いんだ?」
「ああ、それは実験体だったんで、その時強化されたのかと」
「そうか。ところで、ヒューラン家は憎いか?」
「憎い」
「なら、名前を捨てるか?
俺はお前らよりも上の種族だから名前の上書きぐらい簡単にできる」
「お願いします」
「じゃあ、お前はこれからディフェル・ウィル・エンドと名乗れ」
エンドがそう言い、その言葉に了承するとウィルの体が光に包まれた。
「名前をつけるのはそいつに能力の一部与えることだからな」
光はウィルの体に吸収されて失せた。
「これでステータスはどうなっているかな?」
魔力 1020→4705751
攻撃 5→33678532
魔攻 7→4506231
防御 9→3452369
魔耐 2500→5408097
俊敏 15→3506479
命中 21→4025314
回避 0→740
回復 6→1708562
技術 18→20
知能 200→4052361
運 0→10
スキル new 【初級ダンジョン管理-5】【初級剣術-7】【初級料理-5】【中級鍛冶-1】【中級薬学-1】【初級契約-9】【超越級空間魔術-65】【幻級時魔術-75】【伝説級古代魔導-MAX】
称号:new【資格者】
「これの303乗ぐらいのステータスは欲しいな。まあいい。で、お前は力を望むんだろ?じゃあ、俺が鍛えてやろう。原初の世界の最強の魔神がよ」
エンドがそういった瞬間、ないはずの風が吹いた。
「まずはこいつを破壊してみろ」
エンドが取り出したのはオリハルコンだった。
破壊できるはずがないと文句を言うと手本だと言って目の前でオリハルコンを粉砕した。
「やれるな?」
「はい…………」
息を整え、力を込めてオリハルコンの塊を殴った。
ドンッといった音がしたが、オリハルコンはビクともせず、代わりに自分の拳が破壊された。
「さすがにできないか。なら、俺と戦え」
「はい?」
思わず、聞き返してしまった。
(俺と戦え……?
この人今なって言った?)
「いや、エンドと戦ったとしても瞬殺されるのがオチじゃ…」
「じゃあ、こうしよう。
俺は攻撃はしない。でも、避けるし、防ぐ」
「わかりました」
「なら、攻撃してきていいぜ?」
エンドは挑発する。
その挑発に乗って自分が今出せる力を使って殴りつけた。
ビュンッと空を切った音はなるが、何かを殴った感触はない。
「そんな遅い攻撃は当たらないぜ?何せ俺の回避と俊敏と防御、魔耐、体力は10無量大数の9999無量大数乗だからな」
「無理だろ!!」
(周りがほぼ完全に止まって見えるあいつになんか攻撃が当たるはずがない。じゃあ、どうすれば……)
必死にエンドを追い回す。が、攻撃が当たる気配はない。
「だから、当たるわけないと言っているだろう?お前の俊敏や命中では俺を捉えきれない。お前にはお前なりの長所があるはずだ」
(長所?)
「長所じゃ分かり難いか。そうだな……手段といえばわかるか?」
(手段?……あ、時魔法か)
「その顔は答えがわかったってところか?」
「もちろん」
わかったといってもまだ何を使うかだけど。と後に続けて言う。
詠唱をどうするかという問題がある。
「詠唱はしなくても技術があれば何の障害もなく発動できるぜ。ってお前、技術が低かったか。
そうだな……時に関して何かを想像してみろ」
(時?
時間といえば、過去、今、未来……。巻き戻し、早送り。いや、時間停止?
でも……まだ時を完全に止める実力はない。時空間移動は……できないな。過去、今は不可能として未来は……できる!!)
「世界を支えるは時、我に未来を見せよ【未来視】」
小さい声でそう呟き、魔法を発動させた。
すると、目の前に未来起こるであろう出来事が映り込んだ。
(ここか!!)
「世界を支えるは空間、捻り拒め【排除】」
今度こそは当たった。
そう確信した。
でも、自分の考えがまだ甘かったことを知った。
「だいたい15点ぐらいだな。時や空間に着目したのはいいと思う。でも、俺は最初なんて言った?
そもそも、俺が名前をあげて強化したんだ。
俺のことを甘く見過ぎだ」
「…………」
「とはいえ、よくやったと思う。今日はここまでとしよう。明日からは俺たちが4時間交代で訓練を行うからちゃんと休んでおくこと。いいな?」
ウィルは小さく頷いた。
「あ、ここに居たんだ。ってエンド!!日頃からストレスが溜まっているのはわかる!!でも、そのストレスを弱者をボコボコにして晴らすのはどうかと思うよ!!」
「待て、誤解だ。これは訓練をしていただけだ。なあ、ウィル。おい!!」
エンドにだけ見えるように悪どい笑みを浮かべ、直ぐに苦しむ様子を見せた。
アクアはそれを見てエンドに鉄槌を下した。