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魔王ディフェルの世界征服 改  作者: 大新 輝星
2/8

【過去】

ああ、これはあらすじ修正せんとな

魔王ディフェルの世界征服



第2話:【過去】


魔王ディフェル

──彼が魔王をやっているのにはとある過去が原因だった。


魔王ディフェルの過去の名前をウィル・ヒューランと言った。

そう、あのヒューラン領の領主の元に生まれたとある悩みを抱えた少年だった。


「お前がいるせいで私は出世できないんだ!」


彼はいつもこの言葉を浴びせられていた。

伯爵の生まれだというのに火属性魔法が使えない。これならまだいい。魔法の適性が一切なかった。

それに加え、王国で忌み嫌われている魔の象徴、黒い髪に黒い眼をしていたのだ。


「なんで私はこんな子を産んだの………」


4歳の頃、彼の母は彼をこの世に生み出したことが原因で精神が不安定となって自殺した。

もちろん、父であるレポナルド・ヒューランや他の兄弟達に「お前がいなければ……」と何度も言われていた。


その後から兄弟たちからは魔法の練習を称して実験台にされたり、的にされたり、娯楽として魔獣の巣に放り込まれたりもした。

この頃から彼の心は負の感情に支配され始めていた。


「俺の言うことを聞け!!」


怒鳴られたり、蹴られるのはどうでもいい。

いつか、自分はこいつらに復讐するのだと。


「何だァ?その反抗的な目は」


地面に叩きつけられたとしてもあいつらを殺せれば後はどうでもいい。

彼奴らの絶望した顔を見れれば!!


彼はこの日からとある計画を立てた。

消滅計画(ロストプラン)】を。

自分を痛めつけるだけの世界はいらない。

だから……“消滅してしまえ!!”

先ずは本を読むことにした。

5大魔法以外の力は存在するのか?

世界を滅ぼすには何が必要なのか?


それらの答えは見つかった。

この世には無属性魔法というその人特有の魔法があるらしい。

他にも、精霊の力を借りて生み出す精霊魔法。

龍や龍と契約した者のみ使える龍魔法。

時間を止める時魔法。

空間を弄る空間魔法などがあった。

次に、世界を滅ぼす方法。

それには神を殺すのは前提条件だ。

神を殺した後どうするか?

他の世界にぶつけてその世界諸共消し去る。

他には神界と呼ばれる世界の管理者が住まう世界を破壊するからしい。


これを知った時、絶望した。

無属性魔法の可能性があるにしてもこの世界における絶対者は神だ。

神と戦うには最低でも物語に出てくる魔王と同等の力が必要だからだ。


もう、自分が世界に抗う力はないのだと諦めかけた時、更に彼を絶望の淵へと叩き落す出来事が起きた。


「おいゴミ、領主様が呼んでいるぞ。さっさと出てこい!!」


本を読んでいたらいきなりドアを開けられ、無理やり外へ出された。

仕方なく、自分を呼び出してきた兵士の後ろを歩く。


「早く歩け!!」


抜剣して彼の首にその剣を押し付け、歩くように言う。

ここで殺されるわけにはいかない。

そう思った彼は兵の言う通り急いで領主……自分の父親のいる部屋へと向かった。


兵士がノックすると「入れ」と言われ、部屋の中に入った。


「こんなもんだ。幾らだ?」

「そうですね〜。顔はそれなりにいいので金貨20枚でどうでしょうか?ただ、口止料に金貨2枚、治療費に金貨3枚引かせていただきますが……」

「構わん。ウィル、その首輪を自分の首につけるんだ」


目の前にある首輪をつける。

それは、奴隷になることだ。

自分の父親……いや、レポナルド・ヒューランは一般人を違法である奴隷商人に売ったのだ。


「早く首輪をつけるんだ!!」


そう怒鳴れるが、気にしない。

彼は首輪をつける振りをして大急ぎで部屋を飛び出し、何処かへ逃亡しようとした。


「あのガキめ………。今すぐ兵を手配しろ!!殺すな。捕縛してここに持って来るんだ!!」


領主の怒りに満ちた顔を見て萎縮していた兵士だが、自身の仕事を全うするために急いで私兵がいる場所へと向かった。


「はあ、はあ……」


自分の家だったところからどれくらい離れただろうか?

今頃兵士が自分を捕まえるために向かってきているだろうか?


そのような心配はすぐに“生き残るんだ!!”という意思によって消えた。

ただ走ろう。


あれから1時間ほど経った頃、彼は山の中腹あたりの林を歩いていた。

本来ならちゃんとした道を通りたい。けど通れない。


「グルル……」


ダークウルフだ。魔法が使えれば大したことはないが、魔法が使えない彼にしては絶望の一つだ。


兵士から逃げ、魔獣からも逃げる。

兵士からは何とか逃げれたが、あの魔獣からは逃げれなかった。


飛びつかれ、腕や足を噛まれる。

噛まれたところからは血が流れ出し、その匂いで他の魔獣もよってくる……。


「まだ死ぬわけには……!!」


もう、死んでしまってもおかしくないくらいボロボロな体を動かし、前へ前へと進む。

その時、彼は足を踏み外してしまった。

そこは斜面があったため、下へと滑り、転がっていく。

そして意識を失った。




意識が覚醒した。

ここはどこなのなわからない。

ただ、自分は生きており、洞窟に入る。

そして、スケルトンやらゾンビといった不死者に囲まれているのがわかった。


「絶対に生き残ってやるんだ!!」


最後の力を振り絞って正面にいるゾンビを殴ろうとした。

だが、虚しくその攻撃は避けられた。

また、運が悪いことに、地面に着地した瞬間、ズボッという音とともに地面へと吸い込まれていったのだった。




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