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EP2

鼻血を止めるために、トイレから頂戴したトイレットペーパーの切れ端を鼻に詰めると、俺はめぐみと夏期講習の時にするような他愛のない話をしながら、デパートの中の雑貨屋や服屋を周った。めぐみと隣で歩く俺は、めぐみのふわふわした優しい匂いを自分が今世界で一番近くで嗅ぐことが出来る人間なんだと思うと、俺は少し嬉しくなった。


「まさかこんな場所に大きなデパートが出来るなんてなぁ~」

「そうだね~。数日前まではこの場所に何にもなかったんだよ~。でもいつのまにか建っていたみたい。不思議だね!」


「へぇ~、そうなんだ?またこのデパートが前回の塾みたいに、誰かの妄想能力で作られたものじゃなければ良いけどなぁ~」

「いやだぁ~。またあんな思いするのはごめんだよぅ」


と天使のような笑顔で俺の隣で笑っているめぐみが居る。


あぁ。俺は今猛烈に幸せです。母さん、父さん、そして地球上のあらゆる生物・環境に感謝します。と、いつの間にか虚空に深々と頭を下げると、俺はまた小学生時代の神様になったかの如く、あらゆるものに対し、感謝をし始めた。


その様子を観ためぐみは「ふふ。変な人」と髪の毛をふわりふわりと動かしながら、俺の挙動をじっくり見てきたため、俺は少し恥ずかしくなって「あ、そうだ!アイス食べない!?」と唐突な提案をしてしまった。めぐみはその俺の提案に対し、「いいね!!私アイスだぁいすき!!!」と好感触の様子だった。俺はデパート1階のアイスといえばこの店、51アイスクリームにめぐみと共に入店することにした。この51アイスクリームではたくさんの種類のアイスの中から、好きな物を選んで食べることが出来る今話題のアイス店だ。俺はスプラッシュトルネードアタック味と期間限定のゲキマズガロガロゴメス味を購入した。で、めぐみは「もう少し悩むから、さきに席座っていていいよ!」とのことなので、遠慮なく俺は先に空いていたテーブル席に着かせてもらうことにした。


スプラッシュトルネードアタック味はその名の通り、一口口にすれば、滝の様なザバァンとしたミント味の爽快感が口に広がる、クールダウンしたい時にもってこいな素晴らしいアイスだ。ゲキマズガロガロゴメス味のアイスは、あの有名アイスのガロガロ君とコラボした、俺が超大好きなアイスだ。味は表現しがたいが、結構不味い。それにしてもめぐみ、可愛いな。買いものをする時も、話をしている時も、どれもこれも可愛い。


そんなアイスの評論とめぐみの分析を自分の頭の中で展開していた俺の元に、めぐみが自分のアイスを購入したのか、あの独特なステップで俺の席に寄ってきた。俺はめぐみの全体像を観ると驚いた。


俺は「めぐみ!お前・・・」と、目線をめぐみの顔から身体に移した。

めぐみは「ん?どうかした??」というと、めぐみも目線を俺の身体から自分の身体に移した・・・と同時に、「きゃあ!!!なにこれ!!!」と驚いた。


不思議な光景だった。めぐみの服の面積が、じわりじわりと減っていたのだ。俺は観てはいけない!!と思いつつも見続けてしまった。服がもうほぼ大事な部分しか隠していない状況になっているめぐみは、少し半べそになりながらも、必死に手を使って自分の露わになった身体を隠すのに専念していた。


こうしちゃいられん!と、俺は「大丈夫か!めぐみ!!良くわかんないけど、今そこで服買ってくるから!!」と近くの服屋に向け駈け出した。それにしても、いつもスレンダーなめぐみの体型からは想像できないような、たわわと実った素晴らしいスーパーミラクルボディをめぐみはどうやらお持ちのようだった。これは思わぬ情報を手に入れたぞ。と適当に服を買い、少し笑顔になると、俺はめぐみのもとに一目散に駈け出した。その時だった。


「きさらぎ君!!君に潜在している妄想能力が分かった!!!」

と俺の名前を呼ぶ声がした。この声はそう、ポテト将軍だ。夏なのに長いコートを纏ったポテト将軍が、自信満々な顔立ちで俺の前に現れた。


「俺の潜在妄想能力??」

「そうだ。妄想能力には様々な種類がある。我々、秘密結社男爵イモが研究しているデータによれば、現在発見されている妄想能力は1万種類近くあるんだ。で、我々は君の性格や生活習慣などを入念に調べた結果、君の潜在的に持っている妄想能力を発見することに成功したんだ。しかも驚きたまえ。君の潜在妄想能力は新種のタイプだ!!」


そう言うとポテト将軍は更に俺に近づいてきた。俺は更に話を聞くことにした。


「なんだ!?その・・・俺が潜在的に持っている、新種の妄想能力って!!!」


「それは・・・」

「それは・・・・?」


「それは・・・ “好きな人の事を考えれば考える程、自分の妄想能力を自由自在に変えることが出来る”という妄想能力だ。」


と、ビシっと俺の方を指さしながらポテト将軍は俺に言ってきた。


「・・・まぁつまりはだね、一人の女性を想えば想うほど、君の能力はいかようにも姿を変える、素晴らしい妄想能力なんだよ。たとえば好きな人を『魔法で守るぞ!』と願えば、君はいきなり魔法を使えるようになるだろう。といっても、今の君の精神力では潜在妄想能力を使える時間は大体5分から6分だ。その時間を過ぎてしまうと、少し休んで精神を癒さなければ、また能力を使うことは出来ない。だけど、精神力の鍛錬をしたりすればもっと長い時間この能力を使えるようになるであろう。しかし調べによると、この能力はたまに暴走もすることがあるらしい。くれぐれも注意したまえ!」


俺は正直ぽかん状態だった。好きな人を魔法で守る?自由自在に変化する?で、たまに俺の能力が暴走することがある?・・・ってことはまさか!


やっぱりめぐみの服の面積がじわじわと消えていっていたのは、俺の妄想能力が暴走した結果起こってしまった現象だったのか!?


俺はポテト将軍を無視して、急いでめぐみの元に戻った。俺の今の心は、めぐみに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。


「めぐみ!!服買ってきた!!とりあえずこれ着て!!」

「ありがとう・・・なんだろうね。この状態。ビックリだよね」


と、俺は半べそになりながらも、俺の事を待っていてくれためぐみに買ってきた服を渡した。めぐみは、「ありがとう!!ごめんね。ちょっと着てくるね」と言うと、急いで女子トイレの方に走って行った。ちなみに俺がさっき買ったあの服たちは、完璧俺の好みで買った服だ。めぐみが今日着てきたワンピースの服も可愛いのだが、俺はもっと個性的でふわふわした感じの服を着て欲しいなと内心思っていた。まさか、この思いが俺の能力とリンクして、この今の状況を招いているのか・・・?と思ったその時だった。


?「っち!!俺の力が良い感じで効いていたのによぉ。お前が邪魔すっから、あの子の全裸姿見れなかったじゃねぇか?あ?どうしてくれんだよ?なぁ。」


と俺の後ろから、聞きおぼえのない声が聞こえてきた。俺はそいつの一言で、今めぐみが大変な思いをしているのが自分の能力の暴走では無く、この後ろから声を発している奴の妄想能力のせいだということに確信を覚えた。許せなかった。俺は勢いよく、その声のした方向に振り返ると、おもいっきり頬にドガッと何かがぶち当たった。


それはそいつの足だった。どうやらめぐみの服を減少させた奴が俺の顔にキックを思いきりかましてきたらしい。俺は顔を蹴られた反動で女子トイレの方に勢いよく吹っ飛ばされた。



しゅうううー!っとスリップをしながら女子トイレに訳も分からずシュートされた俺は、状況が良くわからなかったため、洗面所に居たスカートを履いた女性に、「俺、今どんなかんじですか?」と聞いてしまった。女性は「きゃあ!変態!!!」と言うと、思いっきり床に寝てる俺の顔にビンタをかまし、逃げて行ってしまった。俺は訳も分からず、身体を起こすと、俺の股間の立派(と言わせてください)なナニカがヒョコっと顔を出していることに気づいた。というか、下半身が完璧、何も履いていない状態になっていた。俺は立派なナニカを、とりあえずトイレに落ちていたトイレットペーパーの芯の中に入れ、隠した。隠しきれていなかったが、隠した。俺は「きっと俺の下半身の服が無くなったのは、めぐみの服を消した妄想能力と同じ力だな」と思うと、なんだかイライラしてきて、勢いよく女子トイレから、アホみたいな姿で出ることにした。


女子トイレから出ると、先ほど、俺のこの年頃の割にはニキビも何もない綺麗な顔面に蹴りを入れた謎の男が、ケラケラと笑いながら立っていた。俺の怒りはヒートアップした。


「おい!!お前が、めぐみの服の面積を減らした張本人か!?」

「あの可愛いネーちゃん、めぐみっていうのかぁ。覚えとこう。」ケラケラ


「おい!!てめぇ!聞いてんのか!」

「あ?うるせぇな。俺はなぁ変態と話たくはねぇんだよ。なんだぁ?お前のその恰好はよぉ~。変態そのものじゃねぇか。  おい!みんな!観てみろよ!!こいつ下半身にトイレットペーパーの芯しか履いてないぜ!!」


謎の男が大声でそう言うと、デパートの中の人たちの視線が、一気に俺の股間へと集中した。とともに、クスクスと笑い声が聞こえてきた。畜生!!こんな屈辱初めてだ!!まぁ確かに下半身にトイレットペーパーの芯しかつけていない男が居たら、俺でも笑ってしまうが。と一瞬感心してしまったがそうではない!!俺は溢れ出る怒りを武器に


「くそがぁああああああ!!!!」と拳を握りしめると、その謎の男の方におもいきりダッシュし、顔面めがけ、勢いよくストレートのパンチをかました!!!が避けられた。

で、ドグゥアアアという嫌な音と共に、さらに鋭い蹴りを謎の男は俺の顔面に入れてきた。


俺は、「この蹴られた反動で行く場所はまた女子トイレの方向だな!!!」と察知すると「すいませぇええええん!!またお邪魔しますうううううう」と女子トイレの方向に言うと、その蹴られた勢いでまた女子トイレの方にスリップしながら入っていった。


女子トイレの方に再度お邪魔すると、そこには洗面台で俺が買ってきた服を試着し、嬉しそうに見つめながら、鏡に向かってポーズの練習を決めているめぐみが居た。


シュゴオオオオオというスリップの音と共に勢いよく女子トイレに“入店した”俺は、その異様な音にビックリしためぐみとちょうど顔を合わせてしまった。俺はとっさに顔を隠しながら「ちがうんだ・・・。そうじゃない。俺じゃないんだ。そうなんだ」と意味の分からない弁明をめぐみにすると、めぐみは「いやぁああああ」と大声をあげ、カバンに入っていた痴漢撃退用スプレーを俺の股間のトイレットペーパーの芯に向け勢いよく噴射してきた。俺は「痛い!!凄い痛い!!!!死んじゃう!!恥ずかしさと痛さで死んじゃう!!」とめぐみに言うと、どうやら俺の声にめぐみが気づいたらしく、「え??きさらぎ!??何してるの!?」と聞いてきた。俺はカクカクシカジカいきさつを話すと、「じゃあ俺、また戦ってくるから!!」と、女子トイレを一目散に出た。めぐみの顔が若干引きつっていたのが印象的だった。


女子トイレから出ると、謎の男はガムをクチャクチャしながら、「弱ぇ、弱ぇ。なんださっきのヘナチョコパンチは。あぁ?」というと、素早いパンチと蹴りで、俺の腹とトイレットペーパーの芯にクリティカルダメージを与えてきた。悔しいが、こいつは強い。ていうか多分単純に俺が弱い。


クリティカルダメージを与えられた俺は女子トイレの前で、痛さのあまり転げだした。

その様子を女子トイレの中から観ていためぐみが、心配して俺の元へと駆けてきた。で、倒れていた俺の頭を優しくめぐみは自分の太ももに乗せ俺を優しい目で心配するかのような眼差しで俺に話しかけてきた。


「だいじょうぶ??あ!!・・・こんなにトイレットペーパーの部分が腫れちゃってる・・・」

「だ、だいじょうぶ・・・。お前は大丈夫か?服のサイズちゃんと合っていたか?(俺の立派なナニカは、君のさっきの痴漢撃退用スプレーをかけられた時にすっごく腫れたんだがね。まぁそれは内緒にしておこう)」


「もうバカ!私の事は良いから、自分の身体を気にしなさいよ!!」

「へへ・・・ごめん。でも、その服・・・似合ってるぜ・・・。」


「ほんとう?・・・・ってもう・・・ばかぁ」クネクネ

「へへへ・・・」



そんなありきたりなラブロマンスをめぐみの太ももの上で繰り広げていると、謎の男が俺らに近づき

「はぁあ。観てらんねぇよ。てめえらのロマンス展開なんて、どうでもいいんだよ。俺は、女の裸が見たいだけなんだよ!分かるか?裸だよ裸!!!」と、手のひらをめぐみの方に向けてきた。


「俺の名前は『佐藤裸像』。誰よりも女体が好きな中学3年生だ。俺はな、つい2~3週間前にこの能力が使えるようになったんだ。それまで俺は道行く女の裸体ばかりを想像しながら過ごしていた。で、想像するのが面倒くさくなって、いつからか“俺の指定した女の服が全部無くなれば良いのに”と妄想していたもんだ。そしたらよ、いつのまにかその妄想通りの力が使えるようになってるじゃねぇか。俺は喜びに震えたね。」


2~3週間前というと、海老首相の封印が解除された日だな。それなら合点がいく。と俺は冷静に分析をすると、そいつが言っている発言に返答することにした。


「とんでもないやつだな。お前は男の恥だ。良いか、男ってのはな、レディーに優しくしなければ男とは呼べねぇんだ。今のお前は何だ。レディーを泣かせているだけじゃねぇえか。そんなお前は男じゃない。」


と、俺は「じゃあ自分の股間をトイレットペーパーの芯だけで隠す今の俺は、レディーに優しい存在になっているのだろうか」と思いながらもカッコいい事を言った。


すると、意外と俺の安っぽい言葉が心に響いたらしく、一瞬裸像は何も言葉を返せかったが、しばらくして、裸像は「う、うるせぇえええ!!」と、またがむしゃらに能力を使い、めぐみの服をじわじわと消し始めた。


めぐみは「いやあ!!!また服が消え始めてる!!!!!きさらぎ!!助けて!!!」と俺に助けを求めてきた。


そのときだった。俺は助けを求めるめぐみの声を聴いたときに俺の中でプツンと何かが切れる音がした。それと同時に俺は、『めぐみを救うために、奴を倒す!!!』という気持ちで心が溢れた。今なら何でも出来そうな気がする。


俺はその勢いに任せ、「めぐみ!!!奴を倒すならどんな方法が良い!!!?」とめぐみに聞くと、めぐみはいきなり何言ってるの?という顔をしてきたが、うーん・・・と少し考えた後、「とりあえず、私と同じ経験をするような倒し方が良いかな」と言ってきた。


俺は「よしわかった!!!」というと、俺は『やつを辱めて倒す!!』という妄想を必死に行った。すると、俺の手から光が放たれ、デパートだったこの場所をいつのまにかファッションショー会場へとフルモデルチェンジさせていた。俺と裸像とめぐみは、さっきまで食品コーナーで買い物をしていたであろう買い物かごをぶら下げたおばさんやおじさんが、悠々と慣れた態度でファッションショーの細長い道を音楽と共に歩いている光景に、驚いてしまったが、「79番、佐藤裸像さん。そろそろファッションショーの準備の方よろしくお願いします」というアナウンスで正気に戻された。裸像は「俺、あそこ歩くのか!?なあ!!あそこ歩くのか!俺恥ずかしいのは嫌いなんだ!!人前であんな風に歩くのは恥ずかしい!!」と俺に言ってきた。俺は、人を辱めといて何言ってんだこいつと思い、「ほら、名前アナウンスされてんだから行って来いよ」と言うと、裸像はその場で「いやだいやだ!!!行きたくない!!」と駄々をこね始めた。俺はめぐみに「どうする?こいつ」と言うと、めぐみは先ほどの怒りもあってか、「私だったらボディガードみたいなのを呼んで、この子を嫌でもあそこを歩かせるな」と、ふん!!って態度で言ってきた。俺は「よし、めぐみの頼みなら」と、『ボディガードを召喚させ、裸像を強制的にあそこを歩かせる』ことを強く妄想すると、ポン!!という音と共にボディガードを召喚させることに成功した。と、まもなく裸像はそのボディガードにファッションショーの準備会場へと連れ去られていってしまった。


ファッションショー会場はさらにヒートアップしているような感じで、なぜかポテト将軍や最近全然会っていなかった泰助とかも過激なファッションをしながら細長い道を悠々と歩いていて、俺とめぐみは遠いところでその模様を観ていた。少しひいた。


泰助が綺麗なターンと決め顔でファッションショー会場の準備室に戻っていくと、


「さぁ!!!次は本日のメインゲスト!!!!!!!佐藤裸像の登場だ!!!みんな!!!盛大な拍手と歓声!!よろしく頼むぜ!!!!」というアナウンスが元気よく流れた。俺とめぐみも、会場に居る人と一緒にワァアア!!!という歓声と拍手をファッションショー会場へと送った。


大きな歓声と拍手で、裸像が恥ずかしそうに出てきた。肝心のファッションは・・・、意外と普通だった。どこにでもありそうな短パンと半袖シャツを着た裸像はさっきまでの過激なファッションでファッションショーの細道を練り歩くモデル達とは一線違ったファッションで出てきた。その光景を観ためぐみは、「なーんだ、全然普通の恰好じゃない、いやぁねもう」と俺をジトーとした目で観てくると、俺に「なにみてんねん!!!!!!」と言う言葉と共に、思いきりのビンタを俺にかましてきた。俺は「え?何で俺がぶたれて」んの?」という顔をすると、めぐみは「いや、だって・・・きさらぎが変な顔で観てきたから・・・エッチな顔してたから・・・」と言ってきた。俺はこの顔が通常の状態なんです。


めぐみとそんなやり取りをしていると、どうやらファッションショー会場の方から大きな罵声が聞こえてきた。


会場の客たちは「帰れ―!!!普通の恰好しやがって!!!恥ずかしくないのか!!!」とか「よ!!!変態大魔神!!!!」とか「エロス界のゴルバチョフ書記長」というヤジを裸像に送っていた。裸像は最初登場した時はらへんは、会場の客の歓声に、ファッションショーも満更では無いな!!位の自信満々の感じで歩いていたのだが、どうやらそのヤジを聞いた途端、かなり自信を無くしてしまっているようだった。会場の客たちは「あー、あいつの最初の自信満々な顔見たか?俺たちがヤジを飛ばしたらあんな顔になりやがって。楽しかったわ~」とか「ストレス発散出来たわ~」とか残り台詞を残すと、どこかにワラワラと去ってしまった。裸像は訳も分からずポツンとファッションショー会場に残されると、会場でアナウンスをしていた人も「さっき裸像が裏で着替えてるの観たが、裸像のアレは極スモールサイズだったぜ!!Yeah!!!」という罵声的豆知識を残された俺とめぐみにアナウンスすると、どこかに歩いて行ってしまった。


裸像が色々有ってポツンとボーっと立っている今を狙って、俺は後ろからひそりひそりと裸像に近づくと、「食らえ裸像!!!!必殺短パン下ろし!!」と大きな声と共に後ろから裸像の短パンを掴み、一気に下に下ろした。裸像の短パンは綺麗にストーン!!と下に降りた。で、ついでにパンツも掴んでいるようだったため、裸像のイチモツがボロンと出てきた。と同時に、その光景を正面で観ていためぐみは、「おおぅ!!」と言うと、かなりあわてた様子で自分の携帯をカバンから取り、裸像のアレを写メで撮った。その写メを裸像の目の前で見せつけ、めぐみは「これ分かる?あなたのよ?こんな小っちゃくて恥ずかしい写真を広められたくなかったら、もう私に変な能力なんて使わないで!!」と裸像に一言言った。裸像は泣きながら「すいませんでした・・・反省します。もうしません」と、本当に反省している面持ちで、めぐみにあやまっていた。


その様子を裸像の後ろで観ていた俺は、「女って怖いな」と思った。その時だった。ファッションショー会場がいきなりブワアアアアアアアアアアアアアアという音と共にぐにゃあと曲り始め、強烈な光を発した。俺はうわああ!!!と手で自分の目を塞いだ。そして音が止んだ時を見計らい、目を覆っていた手をどけると、そこには先ほどのデパートの光景が広がっていた。たった五分くらいの出来事ではあったが、俺は「不思議な事もあるもんだなぁ」とあたりをきょろきょろ見ながら少し混乱していた。


裸像は先ほどのファッションショー会場でモデルをやる前の普通の服を着た状態になっており、俺とめぐみの服も、どうやら元に戻っているようだった。裸像は「本当にすいませんでした。俺、この能力をもう悪いことには使わないようにします。だから俺のアレを拡散するのはやめてください」と俺とめぐみの方に土下座をしながら言ってきた。それをみためぐみが裸像に近づき、「大丈夫よ安心して・・・・・さっきもうWitterで拡散しておいたから!」と悪女の微笑みで裸像に優しい声で言っていた。ちなみにWitterとは、自分のつぶやきや世界中の他人のつぶやきをネット上で共有、共観できるネット上のサービスである。そんな場所に裸像のアレを写真で載せるということは・・・相当めぐみは恐い女だ。そのめぐみの一言を聞いた裸像は「うわあああああん!鬼!!!悪魔!!」というと、急いで涙と共にどこかに走って行ってしまった。


さすがに俺は裸像が可愛そうになり、「おい、いくらなんでもやりすぎなんじゃないか?」とめぐみに言うと、めぐみはフフフ!ととびきりの笑顔で笑うと、「拡散させたっていうのは嘘よ。」と俺の頭をなぜかポンポンしながら言ってきた。俺は「はぇ??」と間抜けな顔で必死に背伸びして俺の頭をポンポンしているめぐみを見ると、めぐみは「いくらなんでもそんな可愛そうなことしないよ!でもね、嘘でもそういう思いしないと、また誰かに悪事をするかもしれないでしょ?だからね、嘘ついたの」と言ってきた。俺はまぁそれもそうだなと納得し、じゃあ~今日はとりあえず帰るか!という流れになった。俺とめぐみは「まぁ色々あったけど一日楽しかったね」と帰り道で話しながら、各々帰宅した。


夕ご飯を食べながら今日一日の話を家族にすると、いきなり母親と父親が腕相撲をしだし、「んん!!そ、それで!!!?」と力を込めた声で俺の話を聞き始める体制に入った。俺は「あぁ、こいつら俺の話に興味ないんだな」と悟り、その場を後にし、風呂に入ってベッドに着くことにした。


ベッドの中で、「そういや今日は色々あったなぁ」と思い出していると、俺の携帯がブルルと震えだした。携帯を観ると、どうやらめぐみからのMINEが来ているみたいだった。MINEを開くと、めぐみが「今日は色々あったけど楽しかったね!!あのね、私がね何であんなに最後アイツに怒ったのかというとね、きさらぎが買ってきてくれた服を消そうとしたからなんだよ。私ね、あんな状況とはいえ、あんなに必死に服買いに行ってくれたきさらぎを観れてすごく嬉しかったんだ。なのにアイツはその服を消そうとした!だから嘘ついてまであいつを懲らしめたいと思ったんだ!!でも、ありがとね。頭ポンポンは私からのささやかなお礼だから、大事にとっておきたまえ!!でも・・・・私にいつかそのポンポン返してちょうだいね」と言ってきた。俺はその送られてきたチャットを観ると、「めぐみ・・・可愛すぎだろ・・・」と思い、ベッドの中でその可愛さにのた打ち回った。が、次の瞬間父親が俺の部屋にガチャリとドアを開け入ってきて、「きさらぎ!!お父ちゃんとお母ちゃんの腕相撲のレフェリーをやってくれないか!!!!あいつ、どうも不正な行為するんだよ!!!」と汗だくで言ってきた。俺は「あぁハイ。分かりましたよ」というと、俺はしぶしぶ下の階に降り、父親と母親の腕相撲のレフェリーをやることにした。いつまで腕相撲やってんだよ・・・。俺はMINEでめぐみに「俺も今日色々楽しかった!!今両親の腕相撲のレフェリーやってるから、また後で連絡するわ!!あと・・・いつか頭ポンポン、お前に返すからさ。頭洗っておけよ~」と送ると、俺の腕相撲開始の合図を待っていた両親に向け「ファイ!!!!!!!!!!!!!!」と大きな声で手を下げた。俺の両親は「うをぁああああああああああああああ!!!いくぞおらあああああああああ」と顔が真っ赤になるくらい腕に力を込め、元気よく腕相撲をしだした。


俺はレフェリーをやりながら、ポテト将軍が今日言っていた自分の能力、“好きな人の事を考えれば考える程、自分の妄想能力を自由自在に変えることが出来る”の使い方について考えた。が、特に今は何も思い浮かばず、ただ今は目の前の両親の戦いのために、レフェリーをやるしかなかった。


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