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EP1

次の日


ちゅんちゅん!ちゅちゅちゅちゅん!


という朝特有の小鳥のさえずりでゆっくりと起きた俺は、んん~!!と両腕を天高く上げ、背伸びしながら、なにげなく置き時計を観ると、時計の針が昼の13時を指していることに気付いた。


俺はそれを確認すると、ビックリしてベッドから飛び降り「やばい!!!やばいやっばい!!」と頭を混乱させた。


ちなみに何がヤバいって、今日の夏期講習は13時30分からだからだ。


というか毎朝大体7時くらいに、俺が手なづけた野生の小鳥たちが餌欲しさに俺の部屋の窓に集合し、俺をちゅんちゅんと鳴き声で起こしてくれるのだが、どうやら今日はそのちゅんちゅんシステムが少しくるっていたらしい。なにしてるんだお前ら・・・、ちゃんと7時に起こせや・・・と、窓際の小鳥たちに対し、怒りがメラメラとこみ上げたが、小鳥に怒ってもしょうがないと、餌である駄菓子のソース煎餅を水で浸し、ふやけたものを小鳥達にあげることにした。「明日はちゃんと起こしてくれよな~」なんて言いながら小鳥たちに餌を与えていると、一羽の小鳥の顔が50代くらいのおっさんみたいな顔になっていることに気が付いた。


!?


「何だお前!!新種か!?新種の小鳥なのか!??」

「おう」

「おうってお前・・・ってか!何で喋れんだよ!!」

「いいじゃねぇか。あのなぁ人間だけが喋れると思うなよ」



とその鳥は俺を睨みつけながら屁を一発かますと、他の小鳥たちと共にバサバサと飛び去ってしまった。


俺はいまいち状況がつかめず、しばらくぼーっとしていたが、1時20分を指す時計を観ると、すぐに正気に戻ることが出来た。


急がなければ塾にまにあわねぇ!!!!!!


俺は塾に急いで向かうことにした。


----------------------------------


全力ダッシュと全力息切れを起こしながら全力スライディングで鮮やかに塾の教室に入ると、「おおお~!!!すげぇ!間に合った!」というクラスメイトからの歓声と拍手が俺に送られた。


俺はどうもどうもと手を頭にやり、おじぎをペコペコしながら自分の席に着いた。


塾の先生は時計をみるなり、


「お!今の時間は・・・1時29分だな!!偉いぞ!遅刻しなかったな!まぁそれは良しとして、じゃあ授業を始める!まずは漢字テストからだな!」


と、俺がすっかり昨日予習をし忘れたテストを開始しようと、問題用紙と答案用紙をササッとクラスの皆に渡してきた。さらに先生は


「うっし。無事皆に渡せたな。じゃあ・・・はじめ!」


と手をバッと振り下ろし、俺達にテスト開始の合図をしてきた


俺は「やべ~、忘れてた。」と心境ブルーになりながら、となりの席のめぐみをちらりと観ると、どうやらめぐみも予習を忘れていたらしく、泣きそうな目で俺に何かを訴えかけてきた。しらねぇよ。俺も忘れたんだよ。と顔の前で×印を手ですると、めぐみも×印を顔の前でしてきた。その時のめぐみの顔が完全に笑わせに来ているひょっとこのような顔で、俺は思わずプッハハ!!と笑い出すと、先生に「うるさい!!!」と怒鳴られ、さらにしょんぼりするはめになった。「くそ!めぐみめぇ!」とめぐみの方をもう一回見ると、真剣な面持ちでテストに挑んでいるめぐみの横顔が見えた。俺は昨日の夜と同じで、少しドキドキしてしまったが、目の前にあるテストを観ると現実に戻され、またどんよりとした心境になってしまった。


しかし、漢字のテストを一問一問観てみると、案外簡単なことに気付いた。

というか、日々の行いが功をなすとはまさにこのことか、その漢字テストの漢字は今までに勉強した漢字の中からしか出ていないことが分かった。毎日家に帰ると、律儀にその日ごとに一日の塾で教わった勉強の復習をしていた俺は、最後の1問目までスラスラ解くことが出来た。


だが、最後の1問目が難しかった。

最後の問題文は


【超サービス問題!!】『たかし君はさとし君とグギャオアラした。』(配点50点!)


であった。


なんっじゃこりゃ!!!!!!


どうやらこのカタカタの「グギャオアラ」を漢字にするらしいのだが、全くもって意味が解らなかった。しかもこの問題だけ配点50点とかどういうことなのよ。しかもご丁寧に【超サービス問題】とか書かれているし・・・。俺が変なのか?てか、グギャオアラ答えらんなかったら、俺のテスト100点中50点じゃん・・・。どうしよう。先生勘弁してよ・・・


と考えたが、俺には意味が単純に分からなかったので、最後の「グギャオアラ」を漢字にすることを諦め、ペンを置くと、テスト時間が終わるまで寝ることにした。横目でめぐみを観ると、めぐみもテストが終わったらしく、ヨダレを少し垂らしながら、ウトウトと半分白目になりながら幽霊みたいな顔で寝ていた。


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