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私の勇者様  作者: ホンダ アオハル
8/11

リンとアルフ

その夜ーサタリネー

「いよいよだな。」

「ですね!」

「まず仲間かもしれない

盗賊と話が出来る状況を作るんだよな。」

「はい!その通りです!」

「だよな。で、聞きたいんだが…」

「どうしました?」

「何で馬小屋に隠れないといけないんだ?」

「だって…そこに馬がいるから!」

「意味わかんねーよ…。あと臭え…。」

「勇者様、肩に馬糞が。」

「何!?」

「嘘です。」

「…暇だからって俺で遊ぶのは

やめて頂きたいな。」

「えへへ~…。だって勇者様

面白いんですもん♡」

「語尾に♡とか付けるなよ…。

怒るに怒れないだろ…。」

「勇者様、私可愛いですか?」

「なぁっ!?い、いきなり!

何を言い出すんだお前は!」

「答えてください。私可愛いです

か?」

「う、うう…。かっ、可愛いよ…。

可愛いからその上目遣いで見つめるのを

やめてくれっ!」

「あはっ、勇者様やっぱり面白いです。」

「…くそっ。完全に玩具にされてるっ。」

「あっ!来ました!盗賊です!」

「おお、あれか。確かに槍を持ってるな。

…あれ?行かないのか?」

「ふっ、無駄な戦闘は避けるのです。

ハイトという生意気な青年が

あいつの相手をするでしょう。」

「生意気ではないと思うけど…。

まぁそうなるだろうな。」

「で、まぁどうせハイトは負けます。」

「お、おお、失礼だな。」

「そして私達はどこかにあるアジトへ

帰っていく盗賊を馬に乗って追跡します。

これで盗賊と話が出来るはず!」

「だから馬小屋に隠れてるのか…。

というか、地味に完璧な作戦なんじゃ

ないか?素直に感心したよ。」

「でしょう?えへへ~。

勇者様、もっと褒めても良いんですよっ。」

「はいはい…。もうちょっと謙虚さが

あれば良いんだけどなぁ…。」

「うるさいっ!…あ!予想通りハイトが

負けました!倒れこんでる…。ぷぷっ。」

「性格悪いな…。」

「勇者様っ、追いかけますよっ!

早くしないと逃げられちゃいます!」

「お、おう。ていうかここの馬勝手に

使って良いのか?いや、それ以前に

俺馬に乗ったことない…。」

「だっさいなぁ。もう、とりあえず

私の後ろに乗ってください!

変なとこ触ったら突き落としますからね!」

「…ださいって結構傷つく…。

あと突き落とすのはマジで死ぬから

やめてくれよ?あと腰掴むくらいは許し」

「あーもー!早くしなさいっ!」

「すみません…。」

うーん、落ち込むな…。

そういう訳で、リンの後ろに乗って

盗賊を追跡することになった。

「ちょ、速っ!落ちる落ちる!」

「きゃあああっ!今!今胸触りました!

もう!大人しくしてくださいよっ!」

「胸に触れたのは悪かったけど、

俺も必死でしがみついてんだよ!

許してくれ!許してください!」

そんなやり取りが

10分ほど続きようやくーーー、

「この洞窟に入って行きましたね…。」

「ぜぇ…はぁ…ぜぇ…はぁ…。」

「情けないですねぇ…。

あ、後で胸触った回数分ビンタしますから。」

「うう…あのビンタ痛いんだよなぁ…。」

「ほら、早く馬から降りて下さい。」

「…降りられない。」

「ふざけてます?」

「ふざけてねーよ!!あ、いや、

お願い致しますリン様、

降りる為に手を貸してください…。」

「頼りなさ過ぎて泣けてきました。」

「ごめんなさい…。」

「…いや、そんな真面目に

落ち込まれても困るんですけどね?

もう良いですから、早く入りましょう。」

「…俺はどうすりゃ良いんだ…」

洞窟の中は薄暗く、じめじめとしていた。

が、奥に進めば進むほど広くなっていき、

快適な温度になっていく。

「何者だ!」

奥から声が…ん?今の声はまさか…。

「アルフちゃん?私、リンだよ?」

アルフ…『ちゃん』。やっぱりか。

「え?リン?あのリンか!?

久しぶりじゃないか!」

アルフが姿を現す。

短い黒髪、整った顔、

スレンダーな体、あと服の上からでも

分かるくらいの巨にゅ

「痛い!」

リンにビンタされた。

心が読めるのかこいつ。

とにかく、サタリネ村の長を悩ませる

盗賊アルフは女だった。

ボーイッシュな感じで可愛い。

あ、リンが俺を睨んでる。

…もちろんリンも可愛いけど

アルフにはまた違う可愛さがあるんだよ。

リンが睨むのをやめた。

マジで心読まれてるのか?

しかしこんな美少女が本当に強いのか?

見た目はそんな風には見えない。

あ、目があった。

「そこにいるのは…勇者様ですか!」

「あ、いや違うんだよアルフちゃん。

確かに似てるけど…。

この人はね…新しい勇者様!

前の勇者様はまだ見つかってないんだ…。」

「ほぅ…新しい勇者様…ねぇ…。

確かによく見ると違うな。

あの勇者様よりも若く見える…。」

アルフが神妙な顔をする。

「まぁリンが認めたならアタシは別に

構わないんだけどな。よろしく。

名前は?」

「マコトだ。こちらこそよろしく。」

こちらに差し伸べられた手を握り、

アルフと握手を交わす。

「昨日も軽く言いましたけど、

アルフちゃんは大陸有数の槍使いで、

前の魔王討伐にも途中までついてきて

くれたんですよ。中央都市から

緊急帰還命令が出て最後まで

一緒にはいられませんでしたけど。」

「へぇ、大陸有数の槍使い…か。」

「いやいや、

大したことないんだよ、本当。」

「またまた謙遜しちゃって~。」

さて、雑談は楽しいが、

そろそろ本題に入らなければ。

「ところでアルフちゃんさ、

何で盗賊なんてしてるの?

アルフちゃんはそんな悪いことする人

じゃないでしょ?」

「盗賊…か…。そう見られても

仕方ないことをしているな。」

やはり本当に盗賊を

しているわけではないのか。

だとしたらどんな理由があって…。

「村長の側近の若者、ハイトだったか?

そんな感じの奴、いただろ?」

あの好青年がどうしたのか。

「あいつは魔王の手下だ。

村の作物に毒を仕込んだり、

術で、馬を魔物化させようとしたり。

村人を殺そうとまでしやがった。

良い奴なふりして、残酷なことやりやがる。」

「…あいつが、魔王の手下?」

衝撃的な事実だった。

「…だからアルフちゃんは村を

襲って作物を荒らしたり、

馬を盗んだり、村人を誘拐…

ごめん、保護したりしたの?」

「まぁそんなとこかな。

村人なら奥で飯食ってるぜ。

まぁ、真面目な話は一旦打ち切って、

夜食でも食わないか?」

「頂きます!」

「んじゃお言葉に甘えて…。」

その夜は遅くまでわいわいやっていた。

保護された村人達は皆

元気そうで安心した。

しかしあの青年が黒幕だったとは…。

正直かなりびっくりだった。

あと寝る時にリンにビンタ5発を食らった。

明日頬が腫れ上がって

喋りにくくならないことを祈り、

その日は眠りについた。

8話です。

読んで下さった方、ありがとうございます。


感想とか頂けたら嬉しいなと

思ってます。

意見とかくれたら、割とすぐに

話に反映させますので

どうかよろしくお願いします。


ではまた9話で!

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