6、ぽいぽいぽいぽぽいぽいぽぴー
ごめんなさい。本日少し短めです。
ゴブたちの死体を集めるのに思ってたほど時間は掛からなかった。
一匹ずつえっちらおっちら運ぶのかと思っていたけど、カーゴスペースってとこに、積み込んでいくらしい。
結構な数があったけど問題なく積み込める。ハッキリと全体像は見えていないけど、これってそこまで大きくはないので『無理じゃね?』って確認したけど、カーゴ内は拡張空間がなんちゃらかんちゃらってまた小難しい話になりそうだったので、適当に理解したふりをしておいた。
ちょっと不便なでっかいマジックバックみたいなもんでしょ。おそらくだけど。
そして今、一体ずつカーゴから引き出してズンバラリンの真っ最中。
用済みになったゴブの死体はそのまま周辺にポイってばら撒かれてる。
「ねぇ、その辺に死体うっちゃってるけど、臭いに惹かれて他の魔物的なモノ集まって来たりしない? 埋めるとか焼くとかした方が良いんじゃない?」
【問題無いでしょう。死骸が発する濃密な血の匂いを警戒して様子は見に来るかも知れませんが襲っては来ないと思います。仮に襲って来ればさらに結晶石が増えますし】
ゴブリンの友釣りかーい!
【いえ、サビキ釣りの方が表現としては正しいかと】
「思考読まないでよ! それより死体放置してて甦って来たりしない?ゾンビゴブリンとか、ばっちさ3倍増しよ」
冒険者の心得とかで、人も魔物も死体はそのまま放置するなってのはお約束だものね。そこらへんこの世界は大丈夫なのかな。
【帝国に於いても蘇生魔法の存在は確認されておりません。さらに魔素の薄いここでは未知の蘇生魔法、魔術が有ったとしても発動するとは思えません。しかもこれらの死骸の頭部は原型を留めておりませんし不可能かと】
「ゾンビ化と蘇生は別物だよ。ゾンビが発生するのは、なんか霊的なモノだったり、呪いや細菌とか宇宙……あっ……そ、蘇生は難しいのかぁじゃ死体は放置でOKよ。うんうんポイしよポイ。ポイポイポイよ」
あっぶなぁー。詳細を詰めようとしたら、また延々とチハたんの謎解説が爆裂するとこだったわ。まあ問題無いって事なんでしょ。
さてさて、ゴブたちの献身的な尊い犠牲のおかげで順調に魔素も貯まってようやく活動出来そうな感じね。
魔素が溜まるに連れて思考がクリアになったって言うか、本来のわたしに戻ったって感じがするのよ。
『ワタシよ、私は帰ってきた!』
それに伴ってこの戦車の基本的性能も何故か把握出来たし、自然な感じで動ける様にもなって来た。
視界も上下左右360度、意識を向けるだけで見ることが出来る。
面倒な事はチハたんに言っておけば勝手にやってくれるし。そうゴブたちをズンバラのポイってやってた作業なんかね。
攻撃も防御も一応可能、ただし魔弾の補給が出来ないので主砲は緊急時以外使用は控えないとだね。ゴブたちに使った小火器なら、魔素をエネルギーに換えてそのまま撃ち出すので、よほどの事が無い限り大丈夫。
よしよし、これでやっとわたしの異世界生活がスタートですね。
待ってろ、宿屋のケモミミもふもふ幼女、冒険者ギルドのテンプレイベント、屋台の謎肉串焼きに舌鼓、そしてチート知識の活用で金貨ザクザク♪
あ…………。
この戦車でそんな事できるっけ?
短編【桜、終焉の記憶】も併せて
ご一読よろしくお願いします。
https://ncode.syosetu.com/n1164ld/
なんとか6話目です。
少しでも貯金が出来ればなぁっと思ってはいるのですが、相変わらずの自転車操業です。
せっかく読んで下さってる貴重な皆様をお待たせしないよう、一日一話を目標に挑んでいますが、きちー(汗
ま、そんな泣き言は言わず楽しく頑張って書いていきますね。
今後ともよろしくお願いします。
《マノマナのぼやきコーナー》
一方通行の道路でも、自転車は逆走が許されていたりしますよね。あれ、かなり危険だと思うんです。それに、標識はすべて進行方向を向いて表示されているので、逆走時はすごく不便。
逆方向からでも標識が判読できるようにするか、いっそのこと自転車も一方通行に統一してほしいな、なんて思ったりします。
▼登場しない登場人物紹介▼
【ゾンビ】
何らかの理由や作用で蘇った、元人間(魔物や動物も含む)の総称。「アンデッド」「リビングデッド」「ウォーキングデッド」「ウォーカー」などと呼ばれることもあります。
以前は両手を前に出してノロノロ歩くイメージでしたが、近年は走るタイプやジャンプするタイプも数多く確認されています。襲われた者がゾンビ化することから、ウイルスや細菌による接触感染が原因だと考えられています。
※注:バンパイアに向かって「ゾンビ!」と呼びかけるのは最大の侮辱となるため、絶対にやめましょう。
【宿屋のケモミミもふもふ幼女】
比較的安価な宿屋の受付。猫系の獣人が過半数を占めています。
こうした宿屋の一階には食堂が併設されており、料理人は父親であることが多いです。父親は元冒険者のケモナー(人間)で、母親はおっとりした性格の獣人というパターンがよく見られます。
まれに、助けられた獣人に「決して覗いてはいけませんよ」と言われたにもかかわらず、こっそり覗いたために離縁されたケースもあるようです。




